平林 恵 院長の独自取材記事
田町駅前皮膚科 Clinica Riviera Shibaura
(港区/田町駅)
最終更新日:2025/11/14
田町駅から徒歩4分、三田駅から徒歩7分の好立地に2025年10月にオープンした「田町駅前皮膚科 Clinica Riviera Shibaura」。地中海のリゾートを思わせるような色彩豊かで心温まる空間が広がる院内には、「安心して通える『おうち』のような場所にしたい」という平林恵院長の想いが込められている。平林院長は、医学博士であり日本皮膚科学会皮膚科専門医。これまで東京大学医学部附属病院をはじめとする大学病院などで、膠原病に関連する皮膚疾患や手術前後の管理、乳児へのレーザー治療など幅広い臨床経験を積んできた。「不安な気持ちで来られた方も、どうか安心して帰ってもらえるようなクリニックにしたいです」と話す平林院長に、開業までの経緯や診療方針、そして地域医療への想いを聞いた。
(取材日2025年10月20日)
安心して通える「おうち」のようなクリニック
まずは、クリニック名の由来から教えてください。

「リヴィエラ」とは、地中海沿岸に広がる美しいリゾート地一帯を指していて、海辺の町にはカラフルに塗られた家々が立ち並んでいるんです。「漁に出た人たちが、遠くからでも自分の家を見分けられるように」という言い伝えがあるそうで、私はその物語に心を動かされました。病院やクリニックは体の不調や悩みを抱えて訪れる場所ですが、少しでも「心が軽くなる場所」でもあってほしいと願って、リヴィエラという名に「家に帰るような安心感を届けたい」という想いを込めました。海から帰る漁師が明かりを目印に港へ戻るように、患者さんが「ここに来るとほっとする」と思える「おうち」のような場所をめざしています。そのコンセプトのもと、3つの診察室もそれぞれ「家」をイメージしています。オレンジ・黄色・ピンクのやわらかな色合いでまとめ、港の明かりを思わせるライトや、イタリアの家のようなデザイン性の高い表札を飾っています。
このエリアを開業の地に選ばれたのはなぜでしょうか?
この近くには、私が子どもを出産した医療機関があり、妊婦健診などで毎週のように足を運んでいたなじみのある場所なんです。当時「この辺りは皮膚科が少ないな」と感じていたことを思い出し、地域に貢献できるのではないかと思い、この地での開業を決めました。田町駅周辺は港区の再開発が進み、人口が増えている活気のある街で、タワーマンションも多く、小さなお子さんを持つファミリー層が多いのが特徴です。実際に開院してみると「皮膚科がなくて困っていたんです」といった声を頂くことも多く、地域のニーズを改めて感じています。赤ちゃんからご高齢の方まで、幅広い世代のかかりつけとして頼っていただける存在をめざしています。また、オフィス街も近いため、働く世代の方々も通院しやすいようにしたいですね。将来的には医師の体制を拡充し、お昼休みの時間帯にも診療を行えるような仕組みづくりを検討しています。
クリニックの設備などについても教えてください。

当クリニックでは、簡単な手術に対応できる電気メスをはじめ、紫外線治療器やレーザーの治療機器など、幅広い皮膚疾患に対応できる設備を整えています。正直、開業時にここまでの設備を導入するのは決して容易ではなかったです。でも「自分で診断でき、治療法もわかっているのに、機器がないために治療できない」というような状況をつくりたくなかったため、思いきってそろえました。また、予約・受付・会計までをスムーズに行えるよう、専用アプリによる一括管理システムも導入しています。これは人と人との接点を減らすためのデジタル化ではなく、スタッフがより丁寧に患者さんのケアに専念できる環境をつくるための工夫です。患者さんのストレスを最小限にし、安心して通えるクリニックでありたいと考えています。
専門性と生活習慣の視点で「皮膚の健康」を支える
医師を志したきっかけと、数ある診療科の中で皮膚科を選ばれた理由を教えてください。

医師が多い家庭で育ったこともあり、自然と医療の道に関心を持っていました。幼い頃はクラシックバレエを習っており、当初はダンサーやアスリートを支える、いわゆるスポーツ医学専門の医師をめざしていました。しかし、医学部での実習を通じて、想像以上に体力や筋力を要する分野だと知り、小柄な自分には難しいかもしれないと感じたのです。一方で、皮膚科の実習に参加した際、診断から治療、手術、そして病理まで、自らの手で完結できることに魅力を感じました。皮膚は「内臓の鏡」ともいわれ、全身の疾患とも深く関わっています。実習で回った病棟では、全身性の病気で入院している患者さんもいて、その奥深さも感じました。内科・外科・病理のすべての要素を併せ持ち、かつ自分の手で完結できる、そんな「欲張り」な診療科が、自分らしいと思えました。
開業までのご経験で特に印象に残っていることや、今の診療に生きていると感じることはありますか?
東京大学医学部附属病院では、膠原病の患者さんを多く担当し、皮膚だけでなく内科的な視点から全身を診る力を養いました。東京都教職員互助会三楽病院では、皮膚の外科手術を専門とする先生のもとで研鑽を積み、診断から手術の技術、術前・術後管理まで一連の流れを学びました。その後の帝京大学医学部附属溝口病院では、生まれつきの青あざや赤あざにレーザーを照射する治療を数多く経験し、皮膚科の奥深さを実感しました。こうして幅広い臨床経験を重ねたことが、開業へ踏みきる大きな後押しになりました。前職では講師として若手医師の指導にもあたり、学ぶ側だけでなく教える立場も経験しました。皮膚科医の勉強に終わりはありません。自ら研鑽を重ねつつ、必要な際は高次医療機関へと適切に橋渡しできる力を、これからも磨いていきたいと考えています。
クリニックでの診療方針についても教えてください。

私は「皮膚の生活習慣病」という考えをコンセプトに掲げています。生活習慣病というと糖尿病や脂質異常症などを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、皮膚も体の外側の臓器であり、日々の生活習慣に大きく影響を受けます。毎日強くこすればしみができ、手を洗いすぎれば荒れ、洗髪を怠ればフケ症になる。こうした変化も生活習慣が関係しています。そのため問診では、スキンケアや生活リズムについても丁寧に伺い、治療方針の参考にしています。さらに、診察では複数の治療法を提示し、患者さんが納得して進められることを大切にしています。
患者一人ひとりの悩みを解消できるクリニックをめざす
日々の診療で心がけていることや、理想とする医師像についてお聞かせください。

開業医として少し矛盾して聞こえるかもしれませんが、理想は「患者さんがクリニックに来なくて済むこと」だと考えています。病気やお肌の悩みがなく、健やかに過ごせる状態こそ、医師としての成功の形です。名医ほど患者さんが減ってしまうのかもしれません。そんな矛盾を感じつつも、私は一人ひとりが悩みから解放されるようサポートしたいと思っています。例えば、ニキビ治療は保険診療で、ニキビ痕のケアは自由診療になります。その間を途切れなくつなぎ、最適な診療をシームレスに提案できるよう心がけています。肌が整えば、気持ちも前向きになるはず。皮膚科の立場から“肌と心の彩り”を添えられる存在でありたいと考えています。
今後地域にとってどんなクリニックでありたいですか?
今後、地域の皆さまに長く愛されるクリニックをめざしていきます。お子さんの診察をきっかけに、ご家族みんなで安心して通っていただけるような場所にしていきたいです。世代を問わず、気軽に立ち寄れて、心までほぐれるような「地域のよりどころ」のような存在になりたいですね。「行かなきゃいけないから行く」ではなく、「ここに来ると元気になれる」と感じていただけるように。不安な気持ちで来院された方が、帰る頃には笑顔になれるような、温かい循環を、これからもつくっていきたいと思っています。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

お子さんの肌トラブルから、大人のスキンケア、美容のお悩みまで、どんなことでも気軽にお話しください。私自身も子育てをする中で、病院へ連れていく大変さや、ご自身のことを後回しにしてしまう日々の忙しさを痛感しています。だからこそ、同じ目線で寄り添いながら、安心して通えるクリニックをつくりたいと考えています。肌が整って、心も少し軽くなる。そんな小さな変化を積み重ねて、患者さんの日常を少しでも明るくしていけるようにお手伝いできたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはニキビ痕のケア/レーザーショット5500円~(1ショット1100円)

