山田航院長の独自取材記事

飯田橋IB歯科

(千代田区／飯田橋駅)

最終更新日：2025/10/22

JR中央・総武線の飯田橋駅から徒歩約4分、目白通り沿いのビルに「飯田橋IB歯科」がある。山田航（やまだ・わたる）院長は、生命環境科学の研究者として北アフリカ・チュニジアで地下水研究に携わった経験から、直接的に社会貢献できる医療の道を志し、歯科医師となった異色の経歴を持つ。「虫歯を治療してこんなに喜ばれたことはない」と語るように、審美的処置による患者の反応に感動し、一般歯科の枠を超えた診療を展開。整体との連携で口腔と全身の健康を包括的にケアする独自のアプローチを実践している。サロンのような心地良い空間で、患者が「健康の相談に来る」場所をめざす山田院長に、その診療哲学と取り組みについて聞いた。

（取材日2025年9月12日）

地下水研究から歯科医師へ、異色の転身が生む診療理念
患者の喜びが原動力、全身の健康を見据えた診療
痛みに配慮した治療と丁寧な治療説明を実施

地下水研究から歯科医師へ、異色の転身が生む診療理念

歯科医師をめざされたきっかけは、チュニジアでの研究経験だったそうですね。

大学院で地下水の研究をしていて、北アフリカのチュニジアで農業政策のための地下水資源調査に従事していました。1ヵ月ほど一人で現地を回り、JICAとの共同プロジェクトで公共政策に関わるエンジニアたちと交流する中で、貧富の格差や衛生状態が不良な地域の現実を目の当たりにしたんです。現地の方々と生活や医療について話すうちに、研究という間接的な貢献ではなく、直接的に医療や福祉で社会貢献したいという思いが芽生えました。実家が歯科医院で、父がフィリピンで歯科ボランティアをしており、口腔衛生が公衆衛生の一環として重要だという認識もありました。そこで、岡山大学歯学部への学士編入を決意したんです。

飯田橋・神楽坂エリアでの開業を選ばれた理由を教えてください。

以前から神楽坂に住んでいたことがあり、飯田橋から九段下にかけてのこのエリアが一番好きだったんです。このビルのオーナーさんが1階で酒屋を経営されていて、周りの商店主の方々も地主でみんな知り合いという、地域コミュニティーが生きている街なんですよ。今日も築土神社のお祭りで目白通りを封鎖しておみこしが通っていましたし、東京大神宮も近くて氏神さまだと思っています。オフィス街なので会社勤めの方も多いですが、意外に古くから住んでいる住民の方も多く、ビジネスパーソンと地元の人たちが共存するバランスの良い地域だと感じています。

サロンのような内装にこだわられたそうですが、どんな思いがあったのですか？

設計の段階から「いわゆる歯科医院という感じにしないでほしい」と伝えていました。清潔感は医療機関として大前提ですが、美容サロンのようなくつろげる空間にしたかったんです。実際、2階には美容施術専用の部屋も設けています。単純に歯を削る場所ではなく、患者さんが健康になるためのリラックスできる空間というコンセプトで、オフホワイトを基調に木のぬくもりを感じられる造りにしました。診療台も半個室と完全個室を用意し、プライバシーにも配慮しています。患者さんから「歯科医院っぽくない」と言われることが、実は褒め言葉だと思っています。

患者の喜びが原動力、全身の健康を見据えた診療

美容分野にも取り組まれているそうですね。

勤務医時代、患者さんが一番求めているのは健康と生活の質だと気づいたんです。歯が痛いのを治療しても、それはマイナスからゼロをめざせるだけで満足感はそれほど高くありません。でも、銀歯の修復物からセラミックに替える治療や、前歯の治療で審美的な処置を行った時の患者さんの喜びようは非常に強かったんですよ。「虫歯を治してこんなに喜ばれたことはない」というくらいの反応で、修復物が入ったことで自信がついて、翌週からお化粧の質が変わったという方もいました。背筋が伸びてハキハキされて、本当に楽しそうで。そこで、一般歯科だけでなく、患者さんの健康の延長線上にある美容・審美歯科まで視野に入れた歯科医院をつくりたいと思って開業しました。

整体についてアドバイスする、独自の取り組みについて教えてください。

京都にいる整体の先生に聞いて口腔内の下顎のずれが頸椎のバランスに影響される可能性があることを知りました。そのため当院の歯科治療においても体のバランスを考慮した上でアプローチする体制を取り入れながら診療しています。歯に問題があったり噛み合わせがずれたりしていると、体全体の負荷につながるともいわれています。歯ぎしりで歯がすり減ると、理想の位置じゃないところで噛むようになり、下顎のずれが頸椎のバランスに影響し、背骨全体のゆがみに発展して負荷がかかりやすくなると考えられています。

スタッフとの連携についてお聞かせください。

常勤の歯科衛生士が1人、非常勤の看護師が2人います。看護師が在籍する歯科医院は珍しいと思います。当院では、患者さんに恐怖感や痛みを与えないため、事前にしっかり説明することを重視したかったので、スタッフにはそうした説明などをしっかり指導しようと思っていたんですが、開業にあたって新規採用したスタッフは、皆、経験も豊富で人柄も良い人ばかりでした。むしろ僕がいちいち口を差し挟む必要もないくらい、患者さんに安心感を与えながら説明も施術も適切にやってくれています。特に看護師の2人には全身の健康に関して教えてもらうことが多くて、本当にありがたいです。健康と美容のことについては日々みんなで共有しながら、より洗練されたメニューに成長させていっているところです。

痛みに配慮した治療と丁寧な治療説明を実施

診療で大切にされていることは何ですか？

歯科麻酔の講師もやっているので、痛みの少ない治療には自信があります。患者さんから、「ここだったら痛くないから治療を受けられる」と思っていただけるとうれしいですね。また、とにかく必要な説明は全部するようにしています。初診の患者さんには一通りの資料取りをさせていただき、現状の共有を必ずします。自覚があろうとなかろうと問題点をつまびらかにして、患者さんと一緒に現状を確認した上で、治療へと進みます。資料取りと説明は本当に重視しています。患者さんの負担を減らしながら、適切な治療を提供することを心がけています。

趣味やオフタイムの過ごし方についても教えてください。

学生時代から合気道を続けていて、幼稚園から習っていたピアノも実家に帰ると弾いています。これまでバックパッカーとして海外を回ったこともあったり、休日は仲間とゴルフにも行っています。いろんなことに興味があり、興味を持ったものは実際に体験してきました。こうした経験のおかげもあって、診療では患者さんといろんな話ができていると思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

クリニックのコンセプトをきちんと実現していきたいと思っています。一般歯科を前提として、その延長線上に本質的な体の健康と審美的な要求の達成があり、患者さんが心も体も健やかに今後生活していける手助けをしたい。そのため、お口の健康に関することはもちろん、全身の健康、美容のご相談にも対応できるような体制を整えています。先進の設備や信頼できるスタッフがそろっていますし、痛みに配慮した治療も強みの一つです。飯田橋という地域で、皆さんの健康を総合的にサポートしていきたいと考えています。どんな小さなことでも、気軽にご相談ください。