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石田 高司 院長の独自取材記事

いしだ内科ファミリークリニック

(額田郡幸田町/岡崎駅)

最終更新日:2025/10/17

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック main

岡崎駅より車で10分。地域のかかりつけ医として、患者に真摯に向き合う「いしだ内科ファミリークリニック」の石田高司院長。「死に至る病に罹患した人を救いたい」という思いを胸に、長きにわたり大学院医学研究科、大学病院を中心に血液内科、腫瘍免疫学の研究と臨床に携わり、新規抗体医薬の開発にも関わるなど専門性を磨いてきた。石田院長が大切にするのは、科学的根拠に基づいた医療。ただし数値や病気だけを見るのではなく、患者がより幸せに生きられるよう支えることをめざしている。「患者さんが幸せを感じることは、私にとっても大きな喜びです」と語る言葉には、患者を思う誠実な人柄がにじみ出ている。そんな石田院長に、これまでの歩みや地域医療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2025年9月12日)

患者の人生そのものが幸せに向かうよう支える

以前は大学病院にいらしたそうですね。地域医療に携わる今、どんな思いで診療に臨まれていますか?

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック1

私はこれまで、血液内科および腫瘍免疫学の最前線で研鑽を積んでまいりましたが、ご縁があり、20年以上にわたりこの地域を支えてこられた「おはら内科クリニック」を継承いたしました。大学病院のような大きな組織とは異なり、地域の診療所では患者さんお一人お一人と丁寧に向き合い、その価値観や生活背景を尊重したオーダーメイドの医療を実践することができます。そうした環境に身を置けることは、私にとって大きな幸せです。開院から1年半ほどがたちましたが、日々の診療を通じて患者さんの人生の幸福に少しでも貢献できることが、今の私にとって何よりのやりがいです。そして同時に、患者さんのお元気な姿や無邪気な笑顔に、私自身が励まされ、幸せな気持ちになることもしばしばございます。

現在はどのような患者さんが多く来院されていますか?

風邪症状などで体調がすぐれない方から、糖尿病や高血圧といった生活習慣病をお持ちの方まで、幅広い患者さんにご来院いただいています。地域の「かかりつけ医」として、多様な訴えで受診される患者さんのニーズに確実に応える診療を第一に考えています。その一方で、私は大学院医学研究科、大学病院を中心に、血液内科、特に血液がんの研究や臨床経験を重ねてきました。免疫療法の開発試験やゲノム医療にも関わってきたほか、現在も国際的な医学雑誌でAssociate Editorを務め、最新の知見にふれ続けています。将来的には地域の基幹病院と良好なパートナーシップを築きながら、自身の専門分野については、より高度で専門的な医療を提供していきたいと考えています。

血液疾患というと少しなじみが薄い印象もあります。どのような場合に受診を検討すべきでしょうか?

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック2

例えば、健康診断で血液の項目に異常を指摘された場合です。赤血球・白血球、血小板の数値に異常を指摘されると、「あの恐ろしい白血病ではないか?」などと考えてしまうこともあるでしょう。しかし、ほとんどの場合は放置可能な一時的、あるいは偶発的な異常なので、ご安心ください。ただし、ごく一部には専門的医療が必要な血液学的異常が隠れていたり、血液疾患以外の重篤な疾患のサインが検出されたりすることもあります。当院では、必要に応じて私自身が血液塗抹標本を顕微鏡で確認して診断を下し、適切に対応します。そして必要があれば、より適切な高次医療機関へご紹介いたします。血液の項目に異常を指摘された方は、どうぞ安心してご相談ください。

科学的根拠を踏まえ、個々に寄り添った医療を届ける

これまで先生が積まれてきた経験や専門性についてお聞かせください。

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック3

抗体医薬モガムリズマブの創薬初期段階から臨床実用化に至るまで、その開発研究の全過程に深く関与してまいりました。モガムリズマブは日本発の薬剤として、2024年9月末の時点で、58の国と地域で実用化されています。その過程で、国の公的研究費による複数の研究プロジェクトに研究代表者または分担者として参画し、その成果を多くの学術論文として国際的な英文誌に発表してきました。さらに、大学病院の内科学講座主任教授として、臨床・研究・教育の責任を担った経験もあります。私、そして当院の強みは、基礎研究と臨床の両面で培った科学的知識と思考力、そして豊富な経験にあります。現在も学術活動を続け、先端の科学を日々の診療に生かすことを大切にしています。当院を訪れる方々に「科学的・医学的根拠に基づいた診療を受けられる」という安心感を持っていただけること、それこそが当院の価値であると考えています。

日々の診療で大切にしているスタンスを教えていただけますか?

最も大切にしているのは、科学的・医学的根拠です。日常診療でしばしば経験する臨床的事象の本質やメカニズムを、基礎医学や科学が雄弁に物語る場面は枚挙にいとまがありません。ただし、患者さん一人ひとりの価値観や社会的背景は異なりますから、科学的根拠を踏まえながらも、個々に合わせて柔軟に調整することを心がけています。同時に、医療の目標は単に検査値を改善することや生存期間を延ばすことではないと考えます。すなわち、患者さんの人生そのものが幸せに向かうようお手伝いをさせていただくことが、医療の最重要課題と認識しています。最終的なゴールは、患者さんの人生の幸福度を高めること。そのために科学を土台にし、ひとりひとりの患者さんに最善のサポートをしていきたいと考えています。

先生が血液内科を専門に選ばれたきっかけは何でしょうか?

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック4

医師となって間もない時期、当時20代だった自分より若い多くの造血器腫瘍の患者さんが、治療の甲斐なく亡くなっていく現実に打ちひしがれました。必死に学び、先端施設の先生方に教えを受け、全力で治療にあたっても治すことができない。白血病やリンパ腫などの造血器腫瘍は子どもでも、10代・20代の若年でも発症します。自分と同世代、あるいは若年の患者さんが亡くなってしまうのはつらいことでした。患者さん自身も、まだ決して死にたくない。ご両親をはじめとするご家族も、息子あるいは娘、兄弟姉妹、妻または夫の死を受け入れることができない。主治医の私も、彼・彼女がこの世からいなくなってしまう現実を理解できない。そんな地獄のような場面を数多く実体験してきました。その理不尽に打ちひしがれながらも、こんな悲劇を少しでも減らすため、臨床血液内科医を志し、また科学の力で造血器腫瘍を克服すべく基礎研究に没頭しました。

培った血液内科の知見と経験を、地域医療に還元

スタッフさんについてもお聞かせください。

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック5

看護師2人、事務職員4人の体制で診療にあたっています。私から細かく指示を出すことはなく、「患者さんに敬意をもって優しく接してください」とだけ伝えています。幸いなことに、当院のスタッフは思いやりがあり心根の優しい人たちばかりです。落ち込んで来院された方にも、スタッフとの会話で「気持ちが楽になった」と感じていただけるような温かい対応を心がけてくれています。「診察の時に院長に悩みを切り出せなかった」という方は、スタッフにご相談ください。全員で共有し、最善と思われる対応をご提案いたします。

今後、取り組んでいきたいことについて伺えますか?

自身の専門性を生かし、血液疾患に対して先端かつ質の高い診療・治療を行えるよう、外来で化学療法と免疫療法が行える体制を整備していくつもりです。医学の進歩は日進月歩ですが、それらを正確に理解・咀嚼し、最善の専門医療を提供していきたいと思います。とはいえ、時には入院治療が必要となることもあり、当院だけで専門医療を完遂できる訳ではありません。だからこそ、地域の基幹施設と良好なパートナーシップを築きながら、地域の血液疾患の患者さんの人生が最も幸福となるよう、最善の診療を行っていきたいと考えます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

石田高司院長 いしだ内科ファミリークリニック6

ご自身のことを真剣に考えてくれる、信頼できるかかりつけ医を持つことは、とても大切だと思います。そして、何かお困りのことや健康に不安を感じることがあれば、症状の大小にかかわらず、どうぞ気軽に当院へお越しください。当院では、常に科学的根拠に基づいた診療を行い、必要に応じてより適切な医療機関へのご紹介も含め、その方にとって最善の方法を一緒に考えてまいります。大切なのは、一人で抱え込まずに、まず相談していただくことだと考えています。今後も地域の先生方との連携を大切にしながら、皆さまの健康をしっかりと支えてまいります。どうぞ安心してご来院ください。

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