外科処置のコルチコトミーを併用し矯正期間短縮を。手間や時間だけでなく虫歯リスク抑制も見込める方法とは

Qこちらで力を入れている治療を教えてください。

A

▲外科処置にも研鑽を積んできた中山院長

当院では矯正に力を入れています。矯正というと「見た目を整えるための治療」という印象を持たれがちですが、実はそれ以上に大切なのが「機能性」です。噛む機能の改善が期待できる他、歯並びが整えばブラッシングしやすくなることが見込めるなど、将来にわたり歯を守るために大切な治療です。ただ治療にかかる期間が長く、矯正中は装置をつけることで虫歯リスクが高まるということもあり、ためらう方も多いです。そこで当院では、外科処置と矯正を組み合わせた方法もご提案しています。外科処置というのは「コルチコトミー」と呼ばれるもので、歯茎の骨に小さな切れ込みを入れ、骨の代謝の活性化を図ることで歯の移動の促進をめざします。

Qコルチコトミーを併用した矯正治療のメリットを教えてください。

A

▲プライバシーに配慮されており、リラックスできる診療室

コルチコトミーのメリットは、矯正期間の大幅な短縮が望める点です。通常1〜2年かかる治療も、約半年〜1年ほどで終えられることも望めます。虫歯にかかりやすい方はもちろん、成人式や結婚式などの前に口元を整えたい方、転勤や海外留学が決まって時間が限られる方など、時間的制約のある方にも向いている方法といえます。一方で、デメリットは手術を伴うこと。ですが、手術は局所麻酔で行うのでほとんど痛みはなく、腫れも日常生活に支障が出るほどではありません。また、治療中に骨に切れ目を入れる必要があるため、基本的にはマウスピース型装置を用いた矯正ではなくワイヤー矯正が適している点も理解しておくとよいでしょう。

Qコルチコトミーを併用した矯正治療の流れを教えてください。

A

▲データに基づいた質の高い診療を行っている

まず問診で希望や治療方針を確認した上で、精密検査を行い治療計画を立てます。矯正を始める前には歯周病や虫歯の有無を確認し、必要に応じて先に治療します。その後、歯科用CTや模型を使って歯や骨の位置をシミュレーションし、ブラケットとワイヤーを適切に装着します。手術では局所麻酔を行い、歯茎を切開して歯を支える骨の表面に小さな切れ込みを入れます。血管や神経の位置も事前に把握しているため、安全性に配慮しながら精密に進められます。抜歯が必要な場合には同じタイミングで行い、体への負担を軽減するよう努めています。多くの場合は1〜2回の処置で済み、術後はワイヤー調整のため2週間ごとの通院が必要です。

Qこちらでは、さまざまな矯正法に対応されているそうですね。

A

▲矯正治療を強みとする医療法人グループに属している

はい。コルチコトミーを併用した矯正以外にも、マウスピース型装置を用いた矯正、表側・裏側ワイヤー矯正、さらに小児矯正まで幅広く対応しています。マウスピース型装置は目立たず違和感が少なく、ワイヤー矯正は複雑な歯の動きに対応できるのが特徴です。それぞれにメリット・デメリットがありますが、当院では多様な方法を取り入れており、患者さんの希望や症例に合わせた提案ができることが強みです。また、矯正では事前の矯正計画が結果を左右します。院内には歯科技工士が常駐し、CT画像をもとにシミュレーションして、専用トレーを用いてブラケットを適切に装着するなど、質の高い矯正を提供できるように体制を整えています。

Q矯正に力を入れられている理由を教えてください。

A

▲「かかりつけ医」としての役割を果たしていきたいと話す院長

私が矯正に力を入れているのは、歯を削らずに自分の歯を長く守ることが期待できる方法だからです。見た目の改善だけでなく、噛み合わせを整えることを図ることで、歯茎や骨への負担を減らすことや、ブラッシングのしやすさも期待できるようになり、将来の歯の寿命を延ばすことにつながります。ただ、矯正期間が長引くと虫歯やモチベーション低下のリスクもあるため、コルチコトミーなどを組み合わせ、早期に終えられる方法を取ることも大切だと考えています。期間が長いことで矯正治療を諦めていた方には、ぜひ検討してみてほしいと思います。