太田 美和 院長の独自取材記事
もものき内科クリニック
(出雲市/西出雲駅)
最終更新日:2025/11/05
JR山陰本線・西出雲駅より徒歩10分、出雲市芦渡町にある「もものき内科クリニック」は、太田美和院長が10月9日に開院。広い駐車場を完備し、出雲ICからは車で3分とアクセスも良い。糖尿病内科・内分泌内科を専門とする太田院長は、2002年に島根大学医学部を卒業し、島根県内の総合病院で内科全般について幅広く経験を積んだ後、東京女子医科大学糖尿病センターで1年間、糖尿病の治療技術を研鑽。島根大学医学部附属病院に移ってからは糖尿病に加え、内分泌疾患の診療に注力してきた。「糖尿病患者さんが前向きに治療に向き合えるように、医師としてできることに努めたい」と優しく話す太田院長。親しみやすい笑顔が印象的な太田院長に、開業までの経緯や糖尿病治療への思いを詳しく聞いた。
(取材日2025年9月25日)
家族の糖尿病治療をきっかけに、糖尿病の医師を志す
医師をめざし、糖尿病内科や内分泌内科を専門としたきっかけを教えてください。

私が幼い頃、祖母が糖尿病を患い、近くのクリニックに通っていました。担当してくださったのは白衣を着ないスタイルの先生で、患者さんに親身になってくださる方でした。祖母だけでなく、私が風邪をひいた時にもお世話になり、私たち家族にとって頼りになる存在だったのです。母も看護師でしたので、知らず知らずのうちに医療に関わる仕事が身近なものとして感じるようになったのだと思います。糖尿病は生活習慣病の一つとして知られていますが、必ずしも生活習慣が原因とは限りません。原因のおよそ半分が体質によるものといわれています。しかし、生活習慣がだらしないから病気になったと思われることもあり、中には自己肯定感が下がってしまう患者さんもいます。医師として、そのような方々の気持ちを少しでも軽くするお手伝いができればと考えています。
卒業後、総合病院ではどのようなことに関わってこられましたか。
内分泌代謝内科に所属していましたが、当時は今の総合内科のように内科全般について診させていただいていました。糖尿病や内分泌を専門としながら、一般内科についても経験を積むことができたのはとても良かったと思います。松江市立病院では、循環器内科と呼吸器内科を半年ずつ回らせていただき、それぞれの分野を専門とする医師から教わりながら関わることができました。雲南市立病院では、私と同じ内分泌代謝を専門とする医師がいましたので、外来を行いながら、内分泌の治療や糖尿病の治療を担当してきました。当時は血液内科も含まれていましたので、白血病の方に抗がん剤や移植といった治療を行うこともありましたね。
糖尿病センターでも経験を積まれたそうですね。

それまでの総合病院では、内科に関わるさまざまな病気に向き合うことができたのですが、やはり糖尿病をメインで診ていきたいという思いが強かったんです。県外で経験を積んでみたいという思いもあり、東京女子医科大学病院糖尿病センターへ。センターでは、糖尿病患者さんに最初から最後まで関わることができました。例えば、腎臓が悪くなり透析が必要になった際には、センターで一括して治療を行いましたし、目に症状が出た場合には、センター内の眼科で治療することができました。糖尿病に関わる全ての治療に携わることができ、大変貴重な経験となりました。ガイドラインを作成するような医師もそろっていましたので、とても良い刺激を受けました。また、患者さんの会を通して患者さんの率直な声を聞くことができ、患者さんから教えてもらうこともたくさんありました。治療以外にも臨床研究を行うなどしていましたので、毎日充実した日々を過ごしていました。
患者の気持ちに寄り添い、相談しながら治療を行う
もともと開業したいという思いがあったのでしょうか。

当時は、目の前にあるやりたいことや、自分が大事だなと思うことを懸命にやっていけば道が開けていく、という思いでやってきましたから、開業までは考えていませんでしたね。糖尿病センターから島根大学に戻ってからは、糖尿病だけでなく、内分泌疾患全般を診るようになりました。診療だけでなく研究にも関わりたくて戻ったのですが、医学部附属病院ですから学生教育など、めざしていた仕事以外について担当することも年々増えていきました。祖母のことを思い、医師を志した頃と違う方向に向かっているのでは? と感じ始め、それならば原点に立ち返り開業しようと決めました。
クリニックの治療方針について教えてください。
当院では、必ず患者さんと相談するようにし、患者さんが納得のいく方法で進めていきたいと考えています。例えば、糖尿病であれば食事療法において「あれは駄目、これも駄目」と制限が増えてしまうことがあるのですが、誰しもがおいしいものを食べたいですよね。制限するのではなく、どうやったら食べられるか、100点満点は難しくてもどうしたら改善できるのかを考えながら、少しずつでも治療を進めることができたらいいなと思います。それでも困ってしまった場合には、理想的な方法に戻ることも選択肢として考えてもらうようにお話ししています。
糖尿病以外には、どのような症状に対応していますか。

発熱や腹痛などをはじめ、内科全般について相談を受けつけています。発熱の外来では、駐車場で待機し車で受診することも可能ですし、院内には感染症専用の部屋やトイレも用意しています。高血圧症や高脂血症などにも対応していますし、甲状腺疾患については、当日結果の出るホルモン検査機器を導入しました。クリニックでその日のうちに検査結果を出すことができれば、迅速な対応が可能になります。
糖尿病に関わる、あらゆる悩みを改善したい
美容皮膚科や婦人科についても対応されているのですね。

糖尿病患者さんから、脱毛サロンで糖尿病の診断書を求められることがあると相談を受けたのがきっかけです。時に、糖尿病疾患があるというだけで感染症にかかりやすいとか、傷が治りにくいなどと思われることがあります。糖尿病では血糖値がとても高い方の中には、傷が治りにくいリスクのある方もいらっしゃいますが、そうでない方もいます。診断書を求められることで、劣等感を感じたり嫌な気持ちになったりする方もいらっしゃると思いますから、糖尿病を専門とする医師として力になりたいと思いました。脱毛をはじめ、きれいになるために施術を受けることで、糖尿病治療のモチベーションが上がるきっかけにもなればとてもうれしいですね。また、婦人科については月に数回、婦人科を専門とする医師が担当し、がん検診や更年期の悩みについて対応しています。
院内の設備で、こだわられたことについて教えてください。
医師だけでなく患者さんもだと思いますが、できれば当日に検査結果を確認して、リアルタイムで診療したいですよね。もちろん必要ない方もいらっしゃいますが、しようと思ったらできるという選択肢を大事にしたいと思うんです。少しでも患者さんの負担を軽減できるのであれば、必要な機器を導入したいと思いますし、臨床検査技師に常駐してもらい、超音波エコーも行えるようにしました。異常があれば総合病院を紹介しますが、初診ではどの医師を頼ったら良いのかわからず不安に思われる方もいると思います。当院では私1人で融通が利きますから、気軽にご相談ください。総合病院時代に診させていただいた患者さんの中には、当院に来院してくださるようになった方もいらっしゃいます。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

今は病気でない方でも、気になる方には予防を含めてアドバイスや対応を行うことも可能です。将来的には管理栄養士を起用し、栄養相談も行っていく予定です。自由診療や筋肉量の変化を診ることなど、予防にますます力を入れていきたいですね。また、スタッフは、私が自慢とする信頼できるスタッフばかりです。「もものき内科クリニック」という名前は、私の好きな児童文学からつけました。その児童文学の主人公ように、みんなが話しに来ていろんなことが解決したり、アイデアが浮かんだりするような存在になれたらと思います。また、この本から伝わってくる「一歩一歩やっていけば楽しく終わっていく」という考え方も好きで、糖尿病と向き合う患者さんの支えになるといいなと思いますね。医療機関の受診はハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、健康に関する悩みは気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは医療脱毛/5000円~、しみ取り/5000円~

