高嶌 森彦 院長の独自取材記事
もりひこ歯科クリニック
(西宮市/甲子園駅)
最終更新日:2025/12/15
2025年8月、阪神本線・甲子園駅から徒歩6分の場所に開業した「もりひこ歯科クリニック」。院長を務める高嶌森彦先生は、北海道医療大学卒業後、奈良県立医科大学附属病院や洛和会音羽病院で17年間研鑽を積んできた、日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格を持つスペシャリスト。「自身も歯のことで悩んだつらい経験があるから、患者さんの気持ちに共感できるんです」と語る。一般歯科から全身疾患を抱える患者まで、誰もが安心して治療を受けられるよう大学病院レベルの設備を整備。「高度な歯科医療を身近なクリニックで」というコンセプトのもと、一院完結型の診療をめざしている。今回は地域医療への思いや、診療へのこだわりなどについてインタビューを行った。
(取材日2025年11月18日)
「高度な歯科医療を、身近なクリニックで」
まずは歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

実は私、昔は虫歯ゼロで、小学1年生から中学3年生の頃まで大きな賞をもらっていたんです。ところがその後「自分は虫歯にならない」と勘違いして歯磨きをしなくなり、歯がボロボロになってしまいました。痛い思いをして初めて歯の大切さを実感したんです。私の親が自営業を営んでいて「資格を取って開業するのも良いのでは」と勧められたこともあり、自身の虫歯経験と将来の独立という思いが歯科医師という道にマッチしたんです。
歯科口腔外科を専門にされていますね。
北海道医療大学で、恩師から「医学部の口腔外科に行き、より多くの患者さんを診察し、全身を診られる歯科医師になりなさい」と勧められたのがきっかけです。そして奈良県立医科大学附属病院などで17年間、救急科や麻酔科を含む幅広い経験を積みました。周囲の優秀な先生方が次々と資格を取得していく環境で「次は自分の番だ」という思いで研鑽を重ね、日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格を取得しました。私は歯科口腔外科領域で歯科医師を指導する立場にあり、がん治療の専門的な知識・技術を持っていることも強みだと自負しています。もともと「歯科医師同士で一目置かれる資格」をめざした向上心が原動力でしたが、それが今の技術の裏づけになっています。
45歳という節目で開業を決意された理由をお聞かせください。

「歯科口腔外科の診療において自信を持って患者に提供できる知識と技術を身に着けた」と感じたからというのが本音です。技術的にも自分で納得がいくところまで到達し、次はこの技術を地域貢献に役立たせたいと思いました。「高度な歯科医療を、身近なクリニックで」というコンセプトを掲げ、老若男女および、持病を患っている人を自身ですべて診察するという想いで開業しました。大学病院レベルの技術を、地域の皆さんに身近な場所で提供していくことに使命を感じています。
大学病院レベルの環境をめざし、全身疾患患者にも対応
全身疾患を抱える患者さんも多く来院されるそうですね。

透析患者さんやがん患者さんなど、通常は病院へ紹介される症例にも対応しています。医科の口腔外科や麻酔科で全身管理を学んだ経験が生きていますね。大学病院の内科にかかっている重篤な患者さんが来院されることもあります。「全身麻酔が必要ではない患者さんはすべて当院で診る」という一院完結型を実現するため、生体情報モニターやシリンジポンプなど、大学病院で使われるような設備を導入しました。全室完全個室で、プライバシーを守りながら安心して治療を受けていただける環境を整えています。
ほかの歯科医院からの紹介も多いと伺いました。
親知らずの抜歯や外科処置の紹介を多くいただいています。顎関節症には耳の前に針を刺して顎関節に直接アプローチするアルスロセンテーシス(関節腔洗浄療法)という、一般的な歯科医院ではあまり行わない専門的治療も実施しています。大きな膿の袋を取るような処置も部分麻酔で対応します。両利きという器用さを生かして幅広い治療に対応していますし、今でも大学病院で月1〜2回、顎変形症などの手術を続けています。舌がんなど口腔がんの早期発見と適切な紹介も含め、地域の歯科医療の砦として機能していきたいと考えています。
診療において特に大切にされていることはありますか?

患者さんへの説明ですね。歯の一本一本の構造から丁寧に説明しており、スタッフに「先生、早くしてください」と言われるぐらい長いです(笑)。でも「信頼関係が成り立たなければ、患者さんに来院し続けていただけない」という思いがあります。私自身、歯がボロボロになった経験があるので患者さんの気持ちに共感できるんです。虫歯治療・根管治療・歯の移植・インプラント治療、これらすべてを経験しているので、その経験談も交えて説明します。初診時には今の病態、今後どんなことが起こり得るか、処置の選択肢などをすべて提示し、患者さんに努力していただく部分と歯科医師が努力する部分の両方を明確に伝えています。
院長自らがすべての患者を診ることを徹底
ご自身で患者さんを全員診ると決められているそうですね。

「全部私が診る」ことを掲げています。歯科衛生士さんのメンテナンスだけで終わることはなく、必ず私が最後にチェックします。病院を受診される患者さんは、担当の先生を選ぶことができません。しかし、開業医なら患者さんが先生を選ぶことができます。だからこそ、選ばれる歯科医師であるために、患者さんに対して常に謙虚であることを心がけています。そして、選んでくださった患者さんの信頼に応えるため、どんな症状でお悩みの患者さんも分け隔てなく誠心誠意対応しています。
今後どのようなクリニックをめざしていかれますか?
「歯のことで困ったらもりひこ歯科クリニックへ」と思ってもらえる歯科医院になりたいですね。新しい治療技術も積極的に導入し、自分の引き出しを増やしていきます。西宮はデンタルIQが高い地域なので、予防中心の診療も大切にしています。他院で困難とされた症例も「何でも解決する」という覚悟で臨んでいます。保険診療でも自由診療でも、自分ができる一番良い治療を自信を持って提供することが大切だと思っています。その自信が説明の説得力にもつながりますし、患者さんの安心感にもつながると信じています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

例えば、同じメニューが同じ価格帯で提供されているレストランがいくつかあって、その中でガイドブックで評価されている店とそうでない店があるとします。どの店に行くか迷ったら、より評価が高い店に行きませんか? それが私の考えです。保険診療はどのクリニックでも費用が同じ。その上で、口腔外科専門医の資格を持つ歯科医師として責任を持って治療しますし、患者さんにうそはつきません。患者さんのメリットを優先して考え、インターネットで調べてもらって納得して治療を受けてほしい。口腔外科専門医としての技術と自信が、診療の説得力につながっていると自負しています。病院での治療が必要な場合は適切に紹介をしますが、基本的には一院完結をめざし、できる限り当院で対応できるように努めています。歯のことで困ったら、安心して任せていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、セラミックインレー/5万5000円~、セラミッククラウン/13万2000円~

