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上田 拓文 院長の独自取材記事

はるのひ皮フ科

(上尾市/上尾駅)

最終更新日:2025/09/30

上田拓文院長 はるのひ皮フ科 main

住宅街にある上尾市春日クリニックモール内にある「はるのひ皮フ科」。前身の皮膚科が閉院し、地域の期待に応え開業したクリニックである。上田拓文院長は、日本形成外科学会形成外科専門医の資格を持ち、形成外科を皮切りに整形外科、美容外科、皮膚科と幅広く研鑽を積んだドクター。「特定の治療に特化するのではなく、幅広く診ることで地域医療の窓口になることが大事」と語る上田院長。赤ちゃんから高齢者まで幅広い皮膚疾患に対応し、どこに相談すべきか迷う患者の最初の窓口となり、必要に応じて他の医療機関へつなげる役割を担っている。日曜診療の対応も、患者の通いやすさを第一に考える姿勢の表れである。上田院長に、診療への思いや将来を見据えた展望について話を聞いた。

(取材日2025年9月12日)

皮膚科の不足する地域のニーズに応えるために開業

開業の経緯について教えてください。

上田拓文院長 はるのひ皮フ科1

半年ほど前に、ここで診療されていた皮膚科のクリニックが閉院となり、知り合いから「開業しませんか?」とお話をいただきました。私も上尾に住んでいて、この辺りの皮膚科がなくなると地域の方が困ることはよくわかっていました。開業するつもりはそこまで強くなかったんですが、何かの縁かなと思い、引き受けることにしました。実は開業前の準備期間中も、1日に5、6人の患者さんが「今日やってないの?」と入ってこられるほど、地域の方々は皮膚科の再開を待ち望んでいたようです。おかげさまで開業初日から多くの患者さんが来てくださいました。

開業に至るまでどのような経験を積まれてきたのでしょうか。

大学を卒業後、形成外科専門医の資格を取得しました。形成外科だけでは他科のことがわからず、幅が狭いと感じましたので、横のつながりを広げるために整形外科の病院に就職して学びました。その後、美容外科でも4年ほど研鑽を積んで手技を習得しました。皮膚科としての診療を始めたのは地元埼玉に戻ってからで、皮膚科の医師として15年ほど勤務してきました。整形外科は20年近く、形成外科は25年以上と、それぞれの経験が積み重なって今の診療につながっています。医師を志したきっかけは高校時代です。母が体調を崩すことが多く、医療関係者が親戚にいなかったので私が医師になろうと思ったのがきっかけです。

クリニックの特徴や診療体制について教えてください。

上田拓文院長 はるのひ皮フ科2

上尾市春日クリニックモール内にあり、広い共有駐車場があるので車での来院に便利です。この近辺は駐車場がしっかりある皮膚科が少なく、車で来られる年配の方が行き場に困る状態でした。院内はベビーカーでも安心して通れるよう通路を広く取っています。働く方が受診しやすいよう日曜午前も診療しています。働いていると病院に行きづらいというのは、私自身も経験していてよくわかるので、日曜日は半日でも診療しようと思いました。クリニック名の「はるのひ」は地名の春日を平仮名で読んだものです。個人名を避けて地域名にすることで、将来的に後継者が引き継ぎやすいようにとの思いを込めています。

地域医療の窓口として幅広く診る

診療方針について教えてください。

上田拓文院長 はるのひ皮フ科3

特定の治療に特化してしまうとこの地域として困ると思い、幅広く診ることを重視した診療を行っています。基本的に自由診療は患者さんからご希望があった際に限りご案内し、保険診療の門戸の広いところを診ています。必要があれば大きな病院に紹介する、皮膚のお悩みがあった際の最初の窓口になることを心がけています。実際、一般的な皮膚疾患から特殊な難病の患者さんまで幅広く来院されています。外科手術が必要な場合は、地域の形成外科にご紹介するなど、近隣地域の医師たちと連携して対応しています。

小児の診療で工夫されていることはありますか?

小さなお子さんに極力安心してもらいながら診察や治療をすることは、私の得意とするところかもしれません。痛い思いをするとそれがトラウマになって、医師の顔を見ただけで泣いてしまう子もいますから、そういった子には時間をかけてゆっくり気持ちをほぐしていきます。焦らなくていいからと少しずつ距離を詰めていくんです。例えばウイルス性イボの液体窒素治療は痛いので、最初はスプレータイプで涼しい風が当たる程度から始めます。だんだん距離を縮めて治療効果を出していく。イボの治療は半年から1年かかることもありますが、メンタルケアをしながら根気良く続けることが大切だと思っています。

診療で心がけていることを教えてください。

上田拓文院長 はるのひ皮フ科4

できるだけわかりやすい言葉で説明することを心がけています。それでも理解しづらい部分があると思うので、ポイントをまとめた簡単なメモを作ってお渡ししています。皮膚科は体の洗い方や入浴の仕方など生活指導もありますが、いっぺんに言われるとわからなくなってしまうという声が過去にありました。そこで肌の弱い方用やニキビの薬で荒れやすい方用などのメモを作成するようにしました。また、診療では「当クリニックでできること」と「より適切な医療機関で診てもらったほうが良いこと」を丁寧に見極めるようにしています。私が対応できることは責任を持って診させていただき、必要に応じて適切な病院をご紹介する。その線引きをしっかりすることで、患者さんにとって安心で最適な医療につながると考えています。

地域に根差し次世代へつなぐ医療を

休診日にはどのように過ごされていますか。

上田拓文院長 はるのひ皮フ科5

休診日である土曜日は越谷の皮膚科クリニックでお手伝いをしながら勉強させていただいています。そちらの先生はアカデミックで先端の治療を取り入れる方なので、学んだことをいずれ当院でも生かしていきたいと考えています。医療の進歩は著しく、満足した瞬間に時代遅れになりますから、日々勉強し続けることが大切です。医師として地域の皆さんの診療に携わる以上は生涯勉強し続けるつもりです。

今後の展望について教えてください。

まずは地域の顔になる皮膚科をめざしています。皮膚科は赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層の方が来られるので、専門を絞りすぎず、広く診られるように心がけ、どこに行ったらいいかわからない方に対して、クリニックで診療可能なものと大きな病院に行くべきものを振り分ける、スタート地点となるホームドクターになりたいと考えています。開院したばかりで気が早いかもしれませんが、私が勇退した後も、地域医療の穴を空けないように、将来的には法人化して次の先生に引き継げるかたちを考えています。もちろん私もまだまだ頑張ります(笑)。当院のスタッフや患者さんと良好なコミュニケーションが取れる先生がいらっしゃれば、「はるのひ皮フ科」として長く地域を支えていただきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

上田拓文院長 はるのひ皮フ科6

どんな小さな悩みでも構いません。皮膚のことで困ったら、まずは気軽に相談にいらしてください。「これ本当に皮膚科でいいのかな?」と思ったり、わからなかったら来て相談だけでもしていただいて大丈夫ですよ。私たちは受付3人、看護師2人、私を含め計6人のスタッフで診療を開始しました。チーム一丸となって地域の皮膚科医療を支えていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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