松浦 賢太郎 院長の独自取材記事
【2025年11月開院予定】清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック
(江東区/清澄白河駅)
最終更新日:2025/09/01

【2025年11月開院予定】※開院前の情報につき、掲載情報が変更になる場合があります。
清澄白河駅から徒歩5分の好立地に開業予定の「清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック」。院長の松浦賢太郎先生は大学病院や総合病院でビジネスパーソンを中心とした診療にあたってきたが、下町情緒あふれるこのエリアで新たな挑戦を始める。「ここでは子どもの耳鼻咽喉科疾患に力を入れていきたい」とのこと。そのほか、大学病院などで専門としてきた睡眠時無呼吸症候群にも積極的に取り組んでいきたいと考えている。副鼻腔用CTや鼻咽腔ファイバースコープも備え、検査体制にもこだわる。自由診療も含めた幅広い選択肢も可能な限り幅広く用意し「地域の方々に寄り添いたい」と語る松浦院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年8月20日)
副鼻腔用CT検査も可能。子どもファーストで診療
こちらではどのような治療を受けられるのでしょうか。
当院は親しみやすい雰囲気の中で、一般的な耳鼻咽喉科診療を幅広く手がけているクリニックです。副鼻腔用CTを備え、自由診療も含めて幅広い選択肢を用意するほか、小児の診療にも力を入れていきたいと考えています。めざしているのは「急なお迎えをゼロに」。私自身、働く妻と力を合わせて4人の子どもを育てている真っ最中で、どうにか時間を捻出して保育園にお迎えに走ったこともあります。昨今、共働き家庭が大半かと思いますが、忙しい親御さんを全力でサポートしたいです。
なぜ、副鼻腔用CTを導入されたのでしょうか。
副鼻腔用CTはすべての耳鼻咽喉科に設置されているわけではありませんが、私は必須と考えています。慢性副鼻腔炎の診断などに重要な役割を果たしますからね。蓄膿症とも呼ばれる副鼻腔炎には急性と慢性があり、急性は鼻の中を視診すればわかります。しかし、慢性ではCT検査が必要ですし、治療前後の変化も一目瞭然。そのほか、耳鼻咽喉科の患部は基本的に患者さん自身からは見えないので、わかりやすい説明のためにもできるだけ可視化したいと考えています。
子どものどのような症状について注意を呼びかけたいですか?

お子さんがずっと鼻をすすっていても「子どもはそういうもの」と放置されがちですが、注意してほしいです。アレルギー性鼻炎が原因なら早期介入で喘息に移行するリスクを下げることも見込めます。また、鼻が詰まったままでは口呼吸になり風邪をひきやすい、歯並びが悪くなるなどの弊害も起きやすくなります。さらに、顎の成長を阻害して、大人になってから睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことにもなりかねません。鼻水が長引いているときは遠慮なくご相談ください。
子ども連れを歓迎しているクリニックなのですね。
長引く鼻水から中耳炎になってしまうリスクもあるのですが、耳が痛くて大声で泣いてしまうお子さんもいますよね。そんなときも、親御さんが待合室で肩身の狭い思いをしないようスタッフ一同で気配りしていきたいです。当院は子どもファーストなので気軽にお立ち寄りください。また、スギやダニアレルギーへの舌下免疫療法も5歳以上で薬を舌の下に1分間保持できるなら適用となります。アレルギーは遺伝との関連性もあるので、親子で始めてみるのもお互いに励まし合えるのでお勧めです。
睡眠時無呼吸症候群の詳細な検査と治療が可能
睡眠時無呼吸症候群にも力を入れていると伺いました。
睡眠時無呼吸症候群は中年以降の肥満型男性に多い疾患ですが、痩せていても女性でも発症例はあります。放置していると心疾患、脳疾患、腎臓病などに至る例もあり、早期発見・早期治療が大事です。いびきを指摘された、起床時に頭痛がする、日中の眠気・疲れ・めまいなどが取れないといったときは、一度受診していただければと思います。一般的な問診や簡易検査だけではなく、鼻咽腔ファイバースコープにる鼻から喉の構造に問題がないかの検査、副鼻腔用CTによる鼻中隔湾曲症の有無の検査も行っていく予定です。睡眠時無呼吸症候群は、肥満が5割、骨格の原因が3割、そのほかの原因が2割といわれていて、さまざまな方向からの検査が欠かせないと考えています。
睡眠時無呼吸症候群にはどのような治療を行いますか?
睡眠時に装着するマウスピースによる治療やCPAP治療などを行います。CPAP治療は患者さんのモチベーションをいかに維持できるかが重要です。当院では導入時に院内またはご自宅でのオンラインレクチャーを実施して離脱率を下げる工夫をしていきます。ただ、睡眠時無呼吸症候群の大半は肥満が原因で、痩せることでCPAPからの卒業も見込めるかもしれません。肥満症の方にはGLP-1受容体作動薬の提案をする予定ですので、興味がある方はご相談ください。また、CPAP治療で改善が見込めない場合は、舌下神経電気刺激法を提案しますし、扁桃腺肥大など喉の形状に問題がある方への手術を行っている大規模病院を紹介することも可能です。
そもそもなぜ睡眠時無呼吸症候群に注力したいと思われたのですか?
実は自分自身が医学生の頃に睡眠時無呼吸症候群の診断を受け、さまざまな治療を経験しました。睡眠時無呼吸症候群についてもっと知りたくて耳鼻咽喉科の道に進んだともいえます。新米医師時代には循環器内科の診療も経験しましたが、心不全で搬送されてくる方の多くに睡眠時無呼吸症候群が見られたことも忘れられません。「睡眠時無呼吸症候群から全身疾患を予防したい」という思いを抱くきっかけにもなりました。以上のような経験から睡眠時無呼吸症候群への思いの強さも知識も人一倍と自負しています。中高年の病気というイメージが強い睡眠時無呼吸症候群ですが、子どもの発症例もあります。私も中学時代から日中の眠気が強く、今思えばすでに発症していたのかもしれません。子どもの睡眠時無呼吸症候群は成長や学力への悪影響もあるので、いびきなどが気になるようならば一度いらしてください。
クリニックで可能な限りの治療の選択肢を用意したい
患者さんと接するときに何を大切にしていますか?
どの先生もおっしゃるかもしれませんが、心がけているのは患者さん一人ひとりを身内と思い、親身になって接することです。これまでも、リラックスしてなんでも話してもらえるような雰囲気づくり、画像などを用いての丁寧でわかりやすい説明も大切にしてきました。勤務医時代には数多くの手術を手がけたからこそ、いつ、どのような術式が必要なのかも的確に提案できるのも特色といえるでしょう。鼻や耳などの感覚器の手術は患者さんが変化を実感しやすく、しばしば感謝の言葉をいただいたのも大きなやりがいでした。現在も、どなたにもより快適な毎日を過ごしてほしいという思いは変わりません。東京慈恵会医科大学附属病院、同愛記念病院、聖路加国際病院などと病診連携し迅速に紹介いたしますので、もしものときもご安心ください。
開業後の展望についてお聞かせください。
治療の選択肢はできるだけ幅広く提示できるクリニックでありたいと考えています。例えば、長引く倦怠感、喉の違和感、のぼせやすいなど、不定愁訴と呼ばれる症状に慢性上咽頭炎が隠れているケースもあります。心当たりがある方は、ぜひ一度ご相談ください。そのほか、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状で嗅覚障害や味覚障害があり「どこを受診したらいいかわからない」とお悩みの方々にも、そんなときは耳鼻咽喉科で対応できることを啓発したいです。そして、地域の方々のお役に立てるクリニックに成長していけたらと願っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

健康寿命を延ばすため、食事指導、運動指導の必要性が叫ばれていますが、実は睡眠指導も欠かせないのではないかと私は考えています。自覚症状に乏しい睡眠時無呼吸症候群を放置していて、30代で脳梗塞や心筋梗塞を発症してしまう例もあるのでくれぐれも注意してください。また、仕事に忙しい両親の生活に引きずられて、就寝時間が遅く十分な睡眠時間を確保できていないお子さんも増えています。受験勉強との兼ね合いから難しいかもしれませんが、小学生のうちは少なくとも毎日10時間は眠ることが理想的です。勉強の集中力を維持するためにも、子どもたちのより良い睡眠をともに見守っていければと考えています。そのほか、首から上の気になる症状は「取りあえず相談してみよう」と思い出していただけるクリニックが目標です。小さな悩みでも遠慮せずにお立ち寄りください。