小林 暉政 院長、小林 由希恵 副院長の独自取材記事
小林歯科醫院
(奈良市/高の原駅)
最終更新日:2025/10/07

奈良交通バス・奈良大学バス停から徒歩1分の所にある「小林歯科醫院」。2025年8月に開業したばかりの院内は明るく、吹き抜けの待合室は木のぬくもりが感じられる。院長の小林暉政(てるまさ)先生は、空手経験者ということもあり引き締まった精悍な印象だ。副院長の小林由希恵先生は、優しい笑みと落ち着いた口調が印象的。矯正を得意とし予防歯科にも精通した暉政院長と、補綴分野で専門的な経験を積んできた由希恵副院長は、それぞれの強みを生かして治療にあたる。「昔ながらの歯医者は暗くて怖いというイメージを刷新し、気軽に行ける歯科医院にしたいです」と語る2人に、開業の思いや診療ポリシーについてじっくりと聞いた。
(取材日2025年8月8日)
口腔から全身の健康増進をめざす
ご開業おめでとうございます。なぜこの地を選ばれたのでしょうか?

【暉政院長】ありがとうございます。この度、奈良市内の中でも、文教地区として発展しつつある神功で開業することになりました。対向車線から車でも入りやすいように大通り沿いの角地でありながら、周辺は落ち着いた雰囲気の場所を選びました。クリニック名に旧字体の「醫」を使っているのは、口腔の健康が全身の健康へとつながるという思いからです。歯も体の器官の1つですから、歯科と医科を分けて考えるのではなく、包括的に考える必要があります。ですから、「病気を治す」という意味のこの漢字を使い、全身の健康増進をめざす歯科治療を提供したいと思います。
設計に1年半かけたという院内にはこだわりが詰まっているそうですね。
【由希恵副院長】歯科医院というと、多くの人が白い壁や薬品の臭いといった閉鎖的な空間をイメージすると思います。私たちはそういったネガティブな印象を払拭し、明るく日の光がたくさん入るクリニックをめざしました。待合室は吹き抜けで大きな窓からは明るい日差しが差し込みます。2階のメンテナンスルームからは若草山を望めますし、広めの診療スペースで患者さんもリラックスできると思います。ちなみにクリニックのロゴマークはタツノオトシゴで、海外では幸運の象徴として親しまれています。私たちは、このクリニックをつらい治療をする場所ではなくて、定期的にメンテナンスを受け、歯をより大切にするための場所にしたいです。院内を明るい内装にすることで、スタッフも気持ち良く働いてくれると思います。
歯科医師をめざしたきっかけやご経歴をお伺いします。

【暉政院長】子どもの頃に空手をしていたのですが、当時はマウスピースなどで歯を保護する習慣がありませんでした。そのため、身近な人が試合中に歯を折ってしまうことがよくあったんです。そういう光景を見ていた中で歯の大切さを感じ、歯科医療に興味を持つようになりました。副院長とは大学院で出会い、ともに開業することになりました。
【由希恵副院長】私は研修医を終えた後、岡山大学のインプラント科の大学院へ進学しました。大学院では、歯科治療だけではなく骨に対する基礎研究にも精を出しました。歯科医師としてだけではなく、人間としても大きく成長できた大学院生活でした。インプラントについては細かい診断の方法や、治療後のフォローの仕方など細かく勉強しました。院長とは得意分野が違うので、意見交換しながら患者さんにとって最適な治療を提案したいです。
患者の生活背景に合わせた、押しつけない治療を
診療で気をつけていることは何でしょうか。

【暉政院長】まずは患者さんのお話をじっくりと伺い、その方のライフスタイルを考慮した治療方針を提案しています。1~2ヵ月は仕事が落ち着かないという社会人の方や、暑い時期は通院するだけでも大変なご高齢の方もいらっしゃいます。そういった場合、痛みがないのであれば、柔軟なスケジュールで治療を開始できます。歯科医師は歯を診るのが仕事ですから歯のことばかり考えていますが、普通の方にとって歯科医院での治療は日常生活の中の1コマですよね。歯科医師としての「悪い所を取って詰め物をする」などの考え方だけを優先せず、患者さんのバックグラウンドを考慮しています。その上で、どんな治療を、いつしたほうがいいのかを決めていきたいと思います。
由希恵先生はいかがでしょうか。
【由希恵副院長】歯科医師が正しいと思うことと、患者さんが望むことは別なので、きちんと説明をした上で、こちらの提案と患者さんのご希望の間でちょうどいいところが見つかればいいなと思います。患者さんによっても、歯のケアにどのくらい価値を置いていらっしゃるかは変わってきます。最近は良い治療材料も出てきていますが、患者さんによってご希望や治療にかけられる時間、予算は違うので、どの選択がその患者さんにとって1番幸福度が高いかを考えながら、ご希望に沿えるような提案を心がけています。例えば前歯は審美性を重視し自費の治療で、奥歯は保険内の治療を行うこともできます。患者さんの要望をお聞きして一緒に相談しながら決めていきたいです。
地域の患者に向けた取り組みはありますか。

【暉政院長】私は大学院時代に保健衛生学や保健統計学の研究をしていました。その経験を生かして、地域という大きな単位で患者さんの傾向を見るようにしています。例えば、当院の患者さんの傾向を数値で調べた結果、歯周病の方が多かったとします。その場合は、実際に歯周病の患者さんに対してだけでなく、当院の患者さん全体に対して、歯周病を予防するための歯磨き粉や歯ブラシを提案していく、といった形です。数値からわかる全体的な傾向を治療に反映させることで、地域全体の患者さんの口腔衛生状態を改善することをめざす取り組みです。
治療経験を生かし患者の不安にも配慮
治療に対して恐怖心がある方への配慮は、どのようなことをされていますか?

【由希恵副院長】患者さんが不安になる1番の原因は、自分が今何をされているかわからないことにあると思います。歯科医師でも定期メンテナンスは人に任せることになりますが、診療台に寝て治療を受けている最中は、自分の歯の状況は見えません。それが歯科治療への恐怖や不安につながり、怖いからと歯科医院に行かなくなってしまいます。そういう状況をできるだけ避けるために、口腔内専用カメラでお口の中を撮影して、患者さんにお見せしながら説明するようにしています。人間は視覚で理解する情報が8割と言われていますから、口腔内を見える化することで、患者さんの不安を軽減できると思います。
子どもの治療や矯正はなるべく早く対応したほうがいいのでしょうか。
【暉政院長】矯正では、早く始めたほうが歯を動かしやすくなることが見込めるというメリットがありますが、患者さんがお子さんであっても、本人の意思を確認して治療や矯正の時期を決めることも大切なことです。「この年齢でないと対応できない」というパターンはあまり多くないので、無理に開始することはお勧めしません。それよりも、お子さん本人が我慢して治療や矯正を頑張れるようになるまで待つほうが良い場合もあるからです。お子さんの場合は歯科医院自体が怖い場合も多いと思います。もしそのような状況であれば、回数を重ねながら、いつも同じ流れで処置が進むという安心感を持ってもらってから、治療や矯正を開始することもあると思います。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【暉政院長】口の中から全身の健康をサポートできるようなクリニックをめざします。歯科と医科を分けて考えるのではなく、口や歯を体の1つの器官と捉えて考えることにより、治療だけでなく予防も大切にし、患者さんの歯を長期的に守っていきたいです。また、昔ながらのやり方で大切な部分は変えないで受け継ぎつつ、新しい治療やメッセージアプリを用いた予約など、患者さんにとって良いことは積極的に取り入れていきます。
【由希恵副院長】地域の患者さんにとって、気軽に来ていただける場所を作っていきたいです。もちろん痛みがある場合もそうですが、長い目で見て健康増進につながるようなアドバイスをめざします。何かお困り事があれば気軽に相談していただきたいです。院長とそれぞれの強みを生かしながら、皆さんのお口の健康をサポートさせていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/38万5000円~、大人のマウスピース矯正/44万円~、インプラント/55万、オフィスホワイトニング/2万7500円~、ホームホワイトニング/2万5850円、ノンクラスプデンチャー/38万5000円~、