山口 華央 院長の独自取材記事
保谷駅前皮膚科
(西東京市/保谷駅)
最終更新日:2025/09/30

保谷駅北口のスーパー2階に2025年7月開業した「保谷駅前皮膚科」。山口華央院長は、札幌と東京の大学病院で研鑽を積み、美容皮膚科のレーザー施術の豊富な経験を持つ日本皮膚科学会皮膚科専門医だ。「皮膚科の魅力は目に見えて良くなったことを患者さんと共有できること」と笑顔で語る山口院長。保険診療だけでなく美容診療も手がけるのは「患者さんの気持ちを明るくしたい」という思いから。0歳と2歳の子どもを持つママでもあり、実体験をもとに診療では薬の服用タイミングや塗りやすさなど、小児患者に配慮した診療を心がける。レーザーによるあざ治療を専門とし、本院との連携で眼瞼下垂手術にも対応。開業への経緯や診療への思い、子どもから高齢者まで気軽に通えるクリニックをめざす姿勢について聞いた。
(取材日2025年9月17日)
保険と美容を両立し、包括的な皮膚科診療を
医師をめざしたきっかけと皮膚科を選んだ理由を教えてください。

両親が医師で、その仕事を見て「人の役に立ついい仕事だな」と思ったことから自然に医学部へ進みました。皮膚科との出会いは臨床研修時代で、外科の代わりに皮膚科の診療を1ヵ月学んだ時、すごく楽しかったんです。皮膚科の魅力は目に見えてわかること。血圧のように目に見えないものと違って、治療の経過を患者さんと共有でき、診断から治療まで同じ科で完結できることにも魅力を感じました。もともと考えていた麻酔科から方向転換し、札幌医科大学附属病院で5年間、北海道の地方病院も含めて皮膚科全般を学びました。皮膚科専門医の資格を取得後はサブスペシャリティーを持ちたいと、美容皮膚科への道を歩み始めたのです。
美容皮膚科を学ぼうと思った経緯について聞かせてください。
美容皮膚科に興味を持ったのは、皮膚科専門医の資格を取った後でした。ただ「美容専門クリニックに行くのはどうかな」と悩んでいたんです。そんな時、日本医科大学付属病院に美容皮膚科部門があることを知り、2017年に国内留学。本格的に美容皮膚科の診療を学んだ後、美容専門クリニックでの実務経験も積み、美容皮膚科のレーザー施術について専門的に学びました。しかし、美容専門クリニックで働く中で、保険診療ができないもどかしさを感じていました。「ニキビの患者さんが来た時、保険診療でもいい薬があるのに、自費の美容ケアのみ行うのではなく、保険の治療も、自費のケアも両方できたらいいのに」と思っていた矢先、石神井公園駅前皮膚科の河野美乃里院長から分院開業のお話をいただき、理想の診療スタイルが実現できることに魅力を感じたのです。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

保谷駅北口から徒歩1分、スーパーの2階という立地を生かし、買い物ついでの患者さんが多いのが特徴です。開業以来、高齢の方を中心に最近では子どもも増え、美容の相談も少しずつ増えています。一般皮膚科ではニキビやアトピー性皮膚炎が多く、美容ではしみやしわ、まで幅広く対応しています。「誰でも気軽に通いやすいクリニックにしたい」という思いから、親しみやすい雰囲気づくりを心がけ、笑顔で話しやすい環境を整えています。スタッフも子育てしている人ばかりで、保険も美容も経験豊富。優しいスタッフとのチーム医療の充実ぶりも自慢です。
精密な診断と専門性にこだわり、幅広い診療を提供
保険診療と美容皮膚科を両立することの意義とは?

保険診療で改善が図れることは保険から始めて、さらに患者さんが望めば美容皮膚科へ移行できることが最大のメリットだと思います。例えばニキビ治療では、まず保険適用の薬で基本的な治療を行い、治療後も赤みなどが気になる場合は美容ケアに移行できます。「そこまでお金をかけなくても保険でできることがあるのに」という美容クリニック時代のもどかしさが、今の診療スタイルにつながっています。美容皮膚科を行う理由については、患者さんの気持ちを前向きにしたいからというのが一番ですね。気持ちが明るくなると、人からの印象も良くなると思うんです。保険と美容の垣根なく、患者さんの悩みに寄り添う診療をめざしています。
特に力を入れている治療について教えてください。
レーザーを用いたあざ治療を得意分野としています。あざかしみか肝斑かを見極めるのは難しいところがあり、診断によって治療法がまったく変わってきます。だからこそ、最初の診断を重視しています。当院では、肌解析装置でメラニンや赤みの状態を詳しく分析。それらのデータを参考にしながら目視でしっかりと確認し、精密な診断へとつなげています。また、皮膚症状の裏に隠れた疾患の発見にも注力しています。脱毛症や白斑の背景には、膠原病などの自己免疫疾患があることも。皮膚科だと見た目で判断してしまいがちですが、血液検査で基礎疾患や感染症が見つかることも少なくありません。美容面では、レーザーや注射治療をはじめ豊富なメニューをそろえ、患者さんのニーズに幅広く対応しています。
本院との連携でどのような治療が可能ですか?

本院には形成外科の先生が常駐しており、眼瞼下垂などの手術が必要な患者さんは本院に紹介できる体制が整っています。こちらにも月1、2回、形成外科の医師が来院し、ほくろや粉瘤などの手術に対応。日程が合わない場合も本院で対応可能です。本院とは2駅隣の距離にありますから、機器のトラブルがあったときも柔軟に対応し合える利点があります。本院の河野院長は一般疾患の保険診療も、自費診療による美容ケアも積極的に行っており「美容ケアのメニューがたくさんあるのに、まだ患者さんに伝わっていない」という課題も共有しています。両院で協力しながら、地域に根差した包括的な皮膚科医療の提供をめざしています。
子育て経験を生かし、地域に愛されるクリニックへ
ご自身の子育て経験が、診療に役立っているそうですね。

私自身、0歳と2歳の子育て中で、特に薬の処方では実体験がとても役に立っています。例えば、飲み薬を処方する場合には、「保育園だと昼に薬を飲めないから、朝昼晩より朝晩のほうが楽だろう」と、生活リズムを考慮した処方を心がけています。塗り薬も、忙しい中では塗る時間が意外と手間になるという実感から、塗りやすさを重視。私だけでなく、当院はスタッフも子育てしている人ばかりで、親子の気持ちに寄り添える環境です。子育てと仕事を両立する親御さんたちが通いやすいクリニックづくりに努めています。
どのような診療をめざしていますか?
「子どもから高齢の方まで気軽に通えるかかりつけ医でありたい」という思いが根底にあります。高齢の方が多い地域ながら、最近は子どもも増え、幅広い年代に対応しています。美容医療では「しみやしわを改善したいけど、美容専門クリニックや都心まで行くのは敷居が高い」という人に来てほしいですね。また、地域密着ならではの親しみやすさを大切にしています。診療では、なるべく笑顔で話しやすい雰囲気を大切にしています。忙しくとも高圧的にならず、なんでも相談しやすい環境づくりも心がけていますね。1階のスーパーに買い物のついでに健康相談できる身近な存在をめざしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

ニキビやアトピー性皮膚炎などの一般皮膚科のご相談だけでなく、しみやしわの改善、レーザーによるあざ治療など、専門性を生かした幅広い治療が可能なことをもっと地域の皆さんに知っていただきたいですね。美容ケアについては、保険診療で来た人が、ついでにしみの相談もできるような身近な存在になりたいと考えています。地域にとって誰でも通いやすい親しみやすいクリニックとして、これからも美容と保険の垣根を越えた包括的な診療で、患者の気持ちを明るくする医療を提供し続けていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/1万1000円程度(5mmまで)、しわのケア(ボツリヌストキシン製剤注射)/2万2000円~ ※症例により異なりますので、詳しくはクリニックへお問い合わせください