寺尾 政昭 院長の独自取材記事
ふじみ野WESTクリニック
(富士見市/ふじみ野駅)
最終更新日:2025/09/22

ふじみ野駅から徒歩3分、閑静な住宅街のオフィスビル2階にある「ふじみ野WESTクリニック」。2025年8月の開業以来、大学病院レベルの専門診療を気軽に受けられるクリニックとして地域に親しまれている。院長を務める寺尾政昭先生は、大学病院で腎臓内科の医師として救急医療の前線に立ち続けた経験を持つ。「医学は隣の大事な人を助けたいという優しさから始まった学問」と語る寺尾院長は、身近な人を診られる内科医の道を選び、地元での開業を決意。木目調の温かい院内には、カウンター席や美容皮膚科のパウダールームなど、患者への細かな配慮が随所に。「現状維持は衰退」という信念のもと、常に先進の医療を追求する寺尾院長に、開業への思いや診療方針について聞いた。
(取材日2025年9月3日)
大学病院の専門性を身近な場所で
院内環境のコンセプトやこだわりはありますか。

「リラックスできる空間」をコンセプトに、木目調と白を基調としたナチュラルな雰囲気にしました。年齢を問わず入りやすい、落ち着いた空間をめざしています。特にこだわったのは待合室です。検査結果を待つ30分程度の時間を有効活用していただけるよう、コンセントつきのカウンター席を設置しました。仕事や勉強をしながら待てる環境を整えたのです。美容皮膚科エリアには、ホテルライクなパウダールームを設けました。保険診療とは異なる特別な空間を演出し、入った瞬間に雰囲気が変わるような、プライベート感のある空間づくりを心がけています。予約システムや自動精算機も導入し、待ち時間短縮にも配慮しています。
医師を志したきっかけと内科を選んだ理由を教えてください。
父が歯科医師、母が薬剤師という医療関係の家庭で育ち、小さい頃から医療が身近にありました。医学部受験を決めたのは、これだけ多くの人が努力してめざす職業には、それだけの価値と面白さがあるはずだと感じたからです。大学時代は放射線科や皮膚科にも興味がありました。しかし研修で救急医療を経験し、内科の奥深さに魅力を感じたのです。何より決め手となったのは「自分の大事な人を最初に診てあげられるのが内科医」という思いです。実際に祖母が体調を崩した際、自分で診察できたことが大きな経験になりました。家族のような気持ちで、来院される方々を診させていただきたい。その思いが今の診療の原点になっています。
ふじみ野市で開業に至った経緯を聞かせてください。

大学を卒業後は、大学病院で腎臓内科の医師として救急診療や難病治療など超急性期医療に携わってきました。やりがいのある仕事でしたが、一人ひとりの患者さんと向き合う時間が限られていることに葛藤も感じていました。大学病院は初診受付が11時までと制約があり、働いている方が受診するにはお休みを取る必要があるなど、ハードルの高さも実感していたんです。そんな時、地元ふじみ野での開業の機会を得ました。「大学病院でなければ診られない方はそちらで、クリニックでも診られる方は身近な場所で」という医療の役割分担を実現したい。受診のハードルを下げることで、健診で異常を指摘されても放置している方々の早期発見・早期治療につなげたいと考えたのです。
これまでの経験を生かした総合的な内科診療
内科ではどのような診療が受けられますか?

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病から、発熱や腹痛といった急性疾患まで、内科全般に対応しています。特に糖尿病については、HbA1cなどの検査を院内で30分以内に実施し、当日から治療を開始できる体制を整えています。インスリン導入が必要な1型糖尿病の方から、内服薬で管理できる2型糖尿病の方まで、一人ひとりに合わせた治療を提案します。先進の注射製剤など、大学病院と同じような治療選択肢を提供しています。内科と皮膚科の連携により、同じ日に両方の診察を受けることも可能です。皮膚症状の背景に内科疾患が隠れていることもあるため、総合的な診療が受けられるメリットは大きいと考えています。
腎臓を専門にされてきた先生の強みを教えてください。
糖尿病性腎症は現在も透析導入原因の第一位です。糖尿病と腎臓病を並行して診療できることは大きな強みだと考えています。糖尿病の治療だけでなく、その合併症である腎症の早期発見・早期介入により、透析導入を防いだり、導入までの期間を延ばすことをめざします。大学病院では「尿検査で異常があったけどよくわからないからいいや」と放置した結果、透析が必要になってから来院される方を多く診てきました。そうならないよう、健診での異常の段階から専門的な診療を提供しています。また私は日本内科学会総合内科専門医の資格も持っており、腎臓は他の臓器と密接に関連しているため、幅広い疾患に対応できる引き出しを持っていることも、患者さんの安心につながると考えています。
診療で大切にしていることはありますか?

一人ひとりの患者さんと向き合い、その方の生活背景に合わせた診療を心がけています。病院に来たくないと思っている中で来院された患者さんの気持ちを大切にし、「来て良かった」と思っていただけるよう努めています。慢性疾患の方には、モチベーションを保てるよう、検査結果の小さな変化も見逃さないようにしています。改善点を一緒に見つけていきます。常に先進の医療情報をアップデートし、「こういう薬が出ましたよ」「こんな治療法もありますよ」と情報提供することで、患者さんが納得して治療を選択できるようサポートしています。当院で対応が難しい場合は、信頼できる専門の医師や大学病院と連携し、適切な医療機関へつなぐことも私たちの大切な役割だと考えています。
めざすのは地域の健康を支える温かい医療の提供
医師としての信念を聞かせてください。

医学は「隣の大事な人を助けたい」という優しさから始まった学問だと思っています。高度な手術や最新の薬も、もとをたどれば誰かの「この人を助けたい」という温かい思いから生まれたはずです。その思いを受け継ぎ、温かみのある診療を心がけています。診療では、病気だけでなく患者さんの人生そのものを見るようにしています。仕事が忙しくて受診できない方、子育てで自分の健康を後回しにしている方。そんな方々の事情を理解し、無理のない治療法を一緒に考えます。最近は子育ての大変さを実感していることもあり、親御さんの大変さもよくわかります。マニュアル化されたものではなく、患者さん一人ひとりと向き合った人間味のある診療を大切にしています。
今後の展望やチャレンジしたいことはありますか。
「現状維持は衰退」という考えのもと、常に新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。現在は保険診療が中心ですが、今後は保険外診療も充実させていく予定です。医療は日進月歩で、新しい治療法や薬剤が次々と登場します。それらを患者さんにすぐに還元できる体制を整えていきたいですね。ワクチン接種や特定健診などの予防医学にも力を入れ、病気になる前の段階から地域の健康を支えていきたいと考えています。いろんな入り口から受診していただき、その中で健康上の問題を早期発見することが大切です。美容皮膚科から内科受診につながることもあれば、その逆もある。そんな総合的な医療を提供し続けていきたいです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

病院は来たくない場所だと思います。でも、何か気になることがあれば、まずは気軽に相談していただきたい。当院は予約システムを導入し、土曜午後や日曜も診療しているので、お仕事の合間でも受診しやすいはずです。検査も30分で結果が出るため、その日のうちに今後の方針を決められます。内科だけでなく皮膚科も同日に受診できるので、複数の悩みがある方も一度に解決できるかもしれません。私たちは大学病院や総合病院としっかり連携しているので、必要があれば適切な医療機関をご紹介します。皮膚科受診のついでに健康相談をしたり、健診結果を持ってきていただいたり、どんな入り口でも構いません。地域の皆さまが健康で幸せに過ごせるよう、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはカウンセリング初診料(美容皮膚科)/3300円、カウンセリング再診料(美容皮膚科)/1100円