見過ごされやすい子どもの腎臓疾患
検尿異常は早めの相談を
ひさとみこどもクリニック
(大阪市天王寺区/玉造駅)
最終更新日:2026/01/16
- 保険診療
自覚症状がほとんどないまま進行し、成長や将来の健康に影響を及ぼすこともある「子どもの腎臓疾患」。学校や園の検尿で初めて異常を指摘され、戸惑いながら受診を迷う保護者も少なくないだろう。しかし、学校検尿での異常から腎炎・腎症に加え、夜尿症や水腎症、さらには透析・腎移植に至るまで多くの子どもを診てきた「ひさとみこどもクリニック」の久富隆太郎院長は、「つい様子を見ようと考えがちですが、子どもの将来の健康や自由に生きる未来を守るためにも、検尿異常は放置せず一度相談してほしいです」と話す。初期であれば、経過観察や生活指導など適切な管理で安定した経過を保てるケースも多い一方、気づかずに進行すると重い治療が必要になる可能性もある。そこで改めて、久富院長に小児腎臓疾患を早期に管理する意義について話を聞いた。
(取材日2026年1月6日)
目次
自覚症状のない腎臓疾患から子どもの将来を守るために、検尿異常は放置せず、早めの検査・治療を
- Q子どもの腎臓疾患について教えてください。
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A
▲腎臓疾患の種類について詳しく説明している久富院長
子どもの腎臓疾患は、大人と違って生活習慣が原因となることはほとんどありません。種類はさまざまですが、大きく感染性の疾患と非感染性の疾患に分けられます。感染性の代表例は、細菌が原因で起こる尿路感染症で、風邪症状のない発熱をきっかけに見つかることもあります。一方、非感染性には、学校検尿で指摘される血尿やたんぱく尿を伴う腎炎・腎症、ネフローゼ症候群、先天的な腎臓や尿路の異常などがあります。腎臓は体の中の老廃物や水分、塩分のバランスを調整する大切な臓器ですが、異常があっても症状が出にくいのが特徴です。そのため、検診結果や小さな変化をきっかけに、早めに気づいて適切な治療をすることがとても重要です。
- Q受診を検討するタイミングを教えてください。
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A
▲少しでも違和感を感じた際は早めに専門家への相談を
腎臓の病気は、はっきりした症状が出ないことも多いため、受診のタイミングがわかりづらいのが特徴です。そのため、まずは学校や園で実施される検尿の機会を有効活用していただきたいと思います。「血尿」や「たんぱく尿」を指摘された場合は、症状がなくても一度ご相談ください。また、尿量や色の変化、体のむくみも受診の目安になります。特にむくみは、まぶたや足に出ることが多く、症状が進むと下痢や嘔吐などの腹部症状を伴うこともあります。加えて、元気がない、食欲が落ちているなど、体調全体の変化も見逃さないことが大切です。「少し気になるな」という段階で相談していただくことで、必要な検査や経過観察につなげることができます。
- Q腎臓疾患は自覚症状がなく進むことが多いのですか?
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A
▲自覚症状が現れにくいからこそ、検診結果の異常の放置は厳禁
非感染性の腎臓疾患は初期の段階ではほとんど自覚症状がなく、特に子どもの場合は不調をうまく言葉にできないことも多いため、症状が出てから初めて気づかれるケースがあります。腎臓は、ある程度機能が低下しても痛みなどのわかりやすい症状が出にくい臓器で、見た目には元気に見えることも少なくありません。そのため、学校や園の検尿で初めて異常が見つかることもよくあります。病気が進行すると、顔やまぶた、足のむくみ、食欲不振、だるさなど、全身の不調として現れることがあります。ただし、これらの症状は風邪や疲れと区別がつきにくく、見過ごされがちです。だからこそ、検尿での異常は放置せず、受診につなげてほしいと思います。
- Q腎臓疾患が進行した場合、将来どんな健康リスクがありますか?
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A
▲放置すれば長期的な治療が必要になることも
腎臓疾患を放置してしまうと、腎臓の働きが少しずつ低下し、将来的に慢性腎臓病へ進行する可能性があります。子どもの場合、腎機能の低下は成長や発達に影響を及ぼすこともあり、血圧の異常や貧血、骨の成長への影響が見られることもあります。さらに重症化すると、長期的な治療が必要になるケースもあり、日常生活だけでなく、部活動や進学、将来の仕事の選択に制限が生じることも考えられます。ただし、早い段階で異常に気づき、適切な検査や管理を行えば、安定した経過を保つことも望めます。今は元気に見えても、その裏で成長に影響が出てしまわないよう、早めに向き合うことが大切です。
- Q保護者が気をつけるべきサインや生活習慣はありますか?
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A
▲生活の中で現れるサインを見逃さず、適切に受診をすることが重要
ご家庭で特別なことをする必要はありませんが、日々のお子さんの様子をよく見てあげることが何より大切です。顔や足のむくみ、尿の色や量の変化、疲れやすさ、食欲の低下、おねしょの再発などは注意して見てほしいサインです。また、乳幼児期の感染症や、下痢・嘔吐を繰り返す腸炎、長時間の運動などによる強い脱水状態では、腎臓に負担がかかることもあります。気になる症状があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。生活面では、腎臓疾患に限らず、バランスの良い食事、十分な睡眠、適切な水分補給が基本になります。検尿の結果や日常の小さな変化で気になることがあれば、「様子見」で終わらせず、遠慮なく相談してくださいね。

