大平 伸 院長の独自取材記事
おおひらクリニック
(岡山市北区/庭瀬駅)
最終更新日:2025/08/22

庭瀬駅から車で約6分、JR岡山駅から車で約15分の住宅地に位置する「おおひらクリニック」。院長の大平伸先生は、川崎医科大学を卒業後、大学病院や基幹病院で経験を積んできた泌尿器科のスペシャリスト。「一般的な分野から専門的な分野の幅広い医療を、もっと身近な場所で提供したい」との思いから、2025年6月に開業した。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医を持つ他、泌尿器科や加齢に起因するさまざまな疾患に対する豊富な知識を持ち、専門性と幅広い対応力を併せ持つのが強み。患者一人ひとりの悩みにじっくり耳を傾け、小さな不安もくみ取れるよう努めている。「地域のかかりつけ医だからこそ、顔の見える関係を大切にしたい」と語る大平院長に、診療方針や今後の展望を聞いた。
(取材日2025年7月15日)
豊富な経験と幅広い知見を地域へ還元
先生のご経歴や開業のきっかけについてお聞かせください。

出身は香川県で、川崎医科大学を卒業後、大学に残って研修医として医師人生をスタート。関連する基幹病院で経験を積んだ後、大学に戻り、男性更年期や性機能、排尿障害など、泌尿器全般の診療に幅広く携わりました。診療と並行して研究や大学全体の管理業務にも関わり、多角的な視点で医療に向き合う機会に恵まれたと思っています。しかし大学病院の診療体制は特定の専門分野に特化しており、広範囲の疾患を診ることは一般的に難しく、今まで学んできた知識や技術をもっと多くの患者さんに還元したいと思い、開業を決意。クリニックという身近な場所だからこそ、患者さん一人ひとりの声に耳を傾けながら、その方にとって必要な医療を届けていきたいと考えています。
こちらのクリニックの特徴を教えてください。
大学病院で培った知識と経験を生かし、地域にいながら身近な疾患から高度な診療まで幅広い医療を提供することを目標に環境を整えたことが当院の特徴です。泌尿器科を中心に、内科・外科・美容医療まで幅広い診療に対応しています。排尿障害や性機能といったデリケートなお悩みも、身近なクリニックだからこそ気兼ねなく相談していただきたいですね。複合的な症状を一元的に診ることができるため、泌尿器科だけでなく他の病気についても相談できることも強みです。また、プライバシーへの配慮にも力を入れています。例えば処置室はすべて個室とし、点滴や処置の際も他の患者さんと顔を合わせずに済むよう動線を工夫しました。周りを気にせず受診していただける環境づくりを大切にしています。
CT検査も院内で受けられるのですね。

大学病院などで勤務していた経験から、先進的な設備を備えることの重要性を実感してきました。エックス線検査だけでは限界があり、CTがあることで得られる情報が増え適切な診断につながるケースが少なくありません。大学病院は専門性の高い検査を受けられる一方で、予約が取りにくかったり、待ち時間が長くなったりすることもあります。そこで当院は、地域の皆さまのニーズに応えられるようCT機器を導入しました。身近なクリニックで精密な診査・診断を行うことで、患者さんの負担軽減につながればと考えています。もちろん、より高度な治療が必要な場合は、速やかに大学病院と連携できる体制を整えており、適切な医療につなげられるよう配慮しています。
排尿の問題から美容の悩みまで、幅広いニーズに対応
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

男女問わず、泌尿器全般のお悩みや性機能のご相談をはじめ、内科・外科疾患や美容のご相談など、幅広い年代の患者さんにご来院いただいています。排尿に関するご相談は50代以上の方が中心ですが、性感染症や性機能に関する悩みは30〜40代の方が多い印象です。周囲に専門的な泌尿器科が少ないこともあり、地域の方だけでなく、大学病院時代から診ていた遠方の患者さんが訪れることもあります。泌尿器科は「ハードルが高い」「恥ずかしい」というイメージがあるかもしれませんが、当院は大通りから1本入った目立ちにくい場所にあり、人目を気にせず受診できる環境を整えています。複数の診療科目を掲げているため、泌尿器に加えて内科・外科・美容も受診していただきやすいことも特徴の一つです。デリケートなお悩みこそ、気軽にご相談いただければと思います。
先生の得意分野や強みについてお聞かせください。
泌尿器科の中でも、排尿障害や性機能に関する診療を得意としています。特に男性更年期に代表されるメンズヘルス領域にも力を入れており、年齢を重ねることで増えるお悩みに寄り添いながら、健康維持につなげるサポートを行っています。開業にあたっては、地域のかかりつけ医として幅広い疾患に対応することの大切さを感じ、専門以外の分野も積極的に学び直しました。医師として、困っている患者さんを前にして「できない」とはなるべく言いたくない。だからこそ、今後も現状に満足せず、新しい知識や技術を取り入れながら、患者さん一人ひとりのニーズに応えていきたいです。
健康から美容まで一つのクリニックで相談できるのは心強いですね。

もともと泌尿器科で更年期やホルモンバランスの診療に携わる中で、年齢とともに変化する体を内側から整えることの大切さを実感したことが、美容医療に取り組むきっかけになりました。一般的な美容皮膚科や美容外科とは異なり、泌尿器科医として全身の健康状態を踏まえて診療できることが当院ならではの特徴です。例えば尿は血液から作られるため、体内の状態が反映されるといわれています。そうした視点を生かし、見た目を整えることをめざすだけでなく、体の内側から整った状態をめざすことを大切にしています。また、わざわざ他の医療機関に行かずとも、いつもの診療のついでに気軽に相談できることも、地域のクリニックならではの利点といえるでしょう。年齢を重ねることによる体の変化について学んだ知識も取り入れながら、小さなお悩みでも安心してお話しいただける雰囲気づくりを心がけています。
デリケートな悩みだからこそ1人で抱え込まずに相談を
患者さんと接する際に、大切にしていることはありますか?

デリケートなお悩みを抱える方も多いため、よそ行きの診療ではなく、本音で話していただける雰囲気づくりを大切にしています。患者さんご自身も気づいていない悩みの本質が隠れていることもあるため、何に困っているのかを丁寧に引き出せるよう、一人ひとりの患者さんに十分な時間を確保し、しっかり耳を傾けながら診察しています。一方で、お薬の処方のみをご希望の方や性感染症など感染リスクのある方にはオンライン診療も活用。通院や待ち時間の負担を減らせるだけでなく、感染予防の観点からも患者さんと医療者の双方にとってメリットが大きいと考えています。対面とオンラインを適切に使い分けることで、より負担の少ない診療体制の構築に努めています。オンライン診療で実際に患者さんとお話してみると、受診への心理的なハードルを下げることにもつながっているのかなと感じますね。
スタッフさんについて教えてください。
患者さんはもちろん、働くスタッフにとっても居心地の良いクリニックであることを大切にしています。勤務時間は9時半から17時までとやや短めに設定し、朝はお子さんの登校時間と重ならないよう配慮しました。夕方も早めに帰宅できることで家庭と両立しやすい体制を整えています。診療時間を短縮した分はオンライン診療を活用し、患者さんにとっても通院の負担を減らせるよう工夫しました。スタッフ同士が自由に意見を出し合える、風通しの良い雰囲気づくりも心がけています。そうした環境の中で、気配りや配慮のできるスタッフが自然と集まってくれたことは、当院の自慢の一つです。スタッフが生き生きと働ける環境があってこそ、患者さんにもより良い医療を提供できると考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

成人以上の男女のうち約6割以上が何らかの排尿トラブルを抱えているという調査結果もあり、多くの方にとって身近な問題のはずですが、「恥ずかしい」「相談しづらい」と感じて受診をためらう方も少なくありません。そうした現状を少しでも変えられるよう、もっと気軽に相談していただけるクリニックをめざしていきたいと考えています。また今後は、自分が携わってきたキャリアを生かして、女性特有のお悩みをテクノロジーでサポートする「フェムテック」の分野にも本格的に取り組む予定です。泌尿器科の医師としての専門性を生かしながら、男性・女性問わず一人でも多くの方の力になれたらうれしく思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはレーザーを用いたしみ治療/1万1000円~