赤ちゃんの頭の形が気になったら
ヘルメット療法という選択肢も
御影こども形成外科
(神戸市東灘区/御影駅)
最終更新日:2025/12/29
- 自由診療
赤ちゃんの頭の変形やゆがみが気になり、「なんとか改善する方法はないものか?」と悩む家族は少なくない。「赤ちゃんの頭の変形やゆがみは、寝る向きの癖や出産時の圧力など些細なことが原因で起こることが多く、自然に良くなるケースがほとんどです」と話すのは、神戸市東灘区にある「御影こども形成外科」の平山泰樹院長。しかし、まれにではあるが病気が隠れているケースもあるため、専門的な診察でしっかり見極めることが重要なのだという。ただ、検査を受けて「異常なし」と診断されても、「できればきれいな形に整えてあげたい」という気持ちが消えないことも。そんな時に検討したいのが、オーダーメイドヘルメットを使用した頭蓋形状矯正ヘルメット療法だ。生後数ヵ月から始められるこの治療について、平山院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年12月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q赤ちゃんの頭の形の変形やゆがみはなぜ起こるのですか?
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A
赤ちゃんの頭の骨はやわらかく、成長のために変形しやすくできています。そのため、寝る向きの癖や子宮内や産道を通るときの圧迫、抱っこや授乳姿勢など、同じ向きからの圧力が長時間かかることで接地面の成長が抑えられてしまい、成長に偏りが出て頭のゆがみが発生します。多くの場合は後頭部の変形で、後頭部の片側が平らになる変形性斜頭、後頭部が平らになる変形性短頭(絶壁頭)が代表的です。しかし、中には頭蓋骨縫合早期癒合症という骨の病気が隠れていることもあり、放置すると頭や顔の骨がゆがむだけでなく、脳の成長に影響が出ることもあります。そうならないためにも、しっかりとした検査を受け、原因を特定することが大切です。
- Qヘルメット療法というのは、どのようなものですか?
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A
ヘルメット療法は、赤ちゃん専用に作るヘルメットを使い、頭の成長方向を適切に誘導していく治療です。強く圧迫して無理に形を変えるのではなく、成長の力を利用して形を整えていくため、大きな負担はありません。頭が平らになっている部分にはヘルメットの中で空間をつくって成長を促し、逆に出っ張っている部分には行き止まりをつくることで成長を待機してもらい、自然な形へと導きます。頭が変形していても、多くの場合は命や発育に影響はありませんので、「絶対にしなければならないもの」ではありません。しかし、ご家族の価値観を踏まえ、一つの選択肢として理解し、判断していただけたら良いかと思います。
- Q矯正を行う期間や注意点について教えてください。
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A
開始時期は生後4〜8ヵ月頃が適しています。期間はおよそ3〜6ヵ月で、多くは1歳までに終了します。1日23時間装着することが基本となっていますので、入浴以外は日中も睡眠時もヘルメットを着けて過ごしていただきます。ヘルメット内はどうしても汗がこもりやすいので、夏場は特に清潔を保ち、肌トラブルを防ぐために丁寧なスキンケアを行いましょう。また、ヘルメットは一度作って終わりではなく、定期的に通院し、成長に合わせて微調整を行うことが必須です。低月齢から始めるほど、期間も短く、仕上がりも良くなることが見込めます。「少し形が気になるな」と感じたら、まずは早めに相談していただけたらと思います。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察により、赤ちゃんの状態を確認
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まずは診察で、赤ちゃんの状態を丁寧に把握。出産時の様子や普段の過ごし方、授乳姿勢、寝るときの頭の向きの癖、変形が気になるようになった時期などについて詳しく話を聞き、生まれた時からのゆがみなのか、生活環境によるものなのかを確認する。また、頭の形だけでなく、発達状況や斜頸の有無も含めて評価し、頭の変形が進行する可能性について診断。矯正の必要性を判断するための最も重要なステップだ。
- 2専用の計測器で測定
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専用の計測器で赤ちゃんの頭囲の形状や耳・額の位置の左右差を精密に計測し、重症度を判断。同時に、先天性の異常がないか慎重に確認し、必要があればエコー検査や甲南医療センターとの連携による画像検査で精査する。計測は赤ちゃんへの負担は少ないので、安心して受けてほしいとのこと。
- 3生活環境を整えるために、生活指導を行う
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ほとんどの場合、まずは生活環境を整えることからスタート。ミルクを飲ませる向き、抱っこの方向、ベビーカーやベッドの位置、枕の使い方などを見直し、首や肩の筋肉の発達を促すのに有用なうつ伏せで過ごす時間、いわゆるタミータイムや、マッサージの指導を行う。軽度の変形の場合は生活指導だけで改善するケースも多く、いきなりヘルメットを勧めることはしないのが同院の方針だ。
- 4必要に応じて希望があればヘルメットを作製
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生活改善で十分な改善が期待できない場合や、保護者の希望や矯正を受けた際に見込まれる変化などを踏まえた上でヘルメット療法を提案。同院ではまず、メリット・デメリット、費用、装着時間などを丁寧に説明し、納得した上で選択できるよう心がけているそうだ。「あくまでも一つの選択肢として提案しています」と平山院長。ヘルメット療法を決断したら3Dスキャンで頭の形状のデータを取得。約2週間でヘルメットが完成する。
- 5継続した診察と経過のスキャン
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ヘルメットは1日23時間、約3〜6ヵ月間、毎日装着する。また、1〜2ヵ月ごとに定期診察を行い、頭の成長に合わせてヘルメットを調整。肌トラブルや装着状況も細かく確認しながら矯正を進めていく。ほとんどの場合、ヘルメットがサイズアウトする前に終了となるが、「サイズが合っていないかも」と感じることがあれば遠慮せずに相談したい。同院では経過観察の負担軽減のために、今後はオンライン診療も導入予定とのこと。
自由診療費用の目安
自由診療とは頭蓋形状矯正ヘルメット療法/40万5900円

