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松居 秀敏 院長の独自取材記事

まつい耳鼻咽喉科

(明石市/明石駅)

最終更新日:2025/08/28

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科 main

2025年7月、明石駅西口から徒歩3分の明石メディカルビルの3階に「まつい耳鼻咽喉科」が開業した。院長の松居秀敏先生は、兵庫県立がんセンターに勤務していた頃から約15年間、明石に暮らし続けている。「子育てがしやすく、街もきれいで、地域の方々も温かい」というこの地で、地域医療に貢献したいという思いから、開業を決意したそうだ。「地域の有名なパン屋さんのように、『耳や鼻、喉のことなら、まつい耳鼻咽喉科に行ったらいい』と名前が挙がるようなクリニックでありたい」と語る松居院長に、クリニック開設への思いや、注力する補聴器・睡眠時無呼吸症候群・人工鼻に特化したそれぞれの外来について話を聞いた。

(取材日2025年7月31日)

先端の電子内視鏡や耳鼻咽喉科用CTを導入

先生のご経歴についてお聞かせください。

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科1

滋賀医科大学を卒業後は、神戸大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科に入局。以降は、神戸大学医学部附属病院、兵庫県立がんセンター、姫路医療センターなどの耳鼻咽喉科・頭頸部外科で診療に従事してきました。頭頸部外科とは、耳・鼻・喉だけでなく、脳と眼球を除く、鎖骨の上から頭蓋底までの病気を扱う診療科です。もともと命に関わる医療を行うのが医師の仕事だという思いがあり、勤務医時代は特に腫瘍やがんの手術・治療に力を入れてきました。がんは何よりも早期発見が重要ですから、見落としのない診療を常に心がけてきましたし、開業した現在もその姿勢は変わりません。

なぜ開業に至ったのでしょうか。

耳鼻咽喉科を開業していた父が病気になったことをきっかけに、自分の将来についてあらためて考えるようになりました。そこで、父と同じように開業し、地域医療に貢献していきたいと思ったんです。開業の地として明石を選んだのは、この街が好きだから。兵庫県立がんセンターに勤務していた時に、通勤や緊急時の対応を考えて明石に住むようになり、もう15年ほど暮らしています。子育てがしやすく、街もきれいで、地域の方々も温かい。明石は本当に住みやすい場所です。そんな明石で、地域に根差した医療を提供していきたいですね。クリニックのロゴマークに明石海峡大橋をモチーフとして取り入れたのも、その思いからです。

設備面ではどのようなことにこだわられましたか?

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科2

現在の医療技術に適した検査環境を整えたいと考え、できる限り新しい医療機器を導入しました。先端のビデオ鼻咽腔スコープともいう電子内視鏡や耳鼻咽喉科用CTもその一つです。電子内視鏡は、目視では見えづらい鼻や喉、耳の奥などを確認する際に活用しています。当院では、外径2.4ミリと細いスコープを採用し、鼻からの挿入でも苦痛が少ない点が特徴です。また、画質が非常に鮮明で、粘膜のわずかな変化を捉える補助機能も搭載されており、通常の視診ではわかりにくい病変の確認にも役立つと考えています。耳鼻咽喉科用CTは、鼻や副鼻腔、中耳、骨の状態を詳しく確認する際に使用します。例えば、慢性副鼻腔炎はエックス線検査では十分に把握できない場合がありますし、逆に副鼻腔炎かと思われた所見が、実は別の疾患だったということも。そうしたリスクを減らすため、より詳細な情報が得られる耳鼻咽喉科用CTを活用し、精確な診断に努めています。

補聴器・睡眠時無呼吸症候群・人工鼻に特化した外来

こちらではどのような診療を行っているのでしょうか。

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科3

耳、鼻、口、喉、首の病気や甲状腺の腫瘍といった一般的な耳鼻咽喉科診療に加え、補聴器・睡眠時無呼吸症候群・人工鼻に特化した外来にも注力しています。補聴器をご希望の方は、まず当院で診察を行い、必要に応じて業者の方に来てもらい、補聴器の説明を受けてもらいます。次に患者さんのご希望があれば、お試し装着をしていただきます。その際には、使い方や慣れ方について丁寧に説明しています。使い始めの頃は、脳が新しい聞こえに慣れておらず、雑音が気になって外してしまう方も多いんです。ですので、どうすれば無理なく慣れていけるかを伝えながら、補聴器を調整し、日常の中で使ってもらいます。無理に購入を勧めることはなく、合わないようであれば「買わなくていい」とお伝えしています。購入後も、必要な調整は当院で継続して行います。補聴器は、初めての場合、一般的に3年ほどかけて調整する必要があるといわれているんですよ。

どうして補聴器に特化した外来に注力されているのでしょうか。

難聴による社会的孤立が、将来的な認知症のリスクを高めるといわれているからです。逆に言えば、認知症の予防において、現時点で明確に関与が示されているのが難聴なんですね。補聴器を適切に使うことで、認知症予防につながる生活の質の改善が期待できます。ただ、日本は諸外国に比べて補聴器の普及率が低いんですよ。その背景には、購入前に十分な説明を受けられなかったり、医師の診察を経ずに購入できてしまったりする環境があります。結果として、自分に合っていない補聴器を使いこなせず、使われなくなってしまうケースも少なくありません。そこで、当院では補聴器の試用期間を設け、納得してから使用いただくことを重視しています。

睡眠時無呼吸症候群と人工鼻、それぞれの外来についても教えてください。

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科4

睡眠時無呼吸症候群は耳鼻咽喉科以外の診療科でも扱われますが、他科では鼻詰まりや咽頭の狭さといった根本原因に気づきにくいこともあります。原因によっては手術で改善が見込めるケースもあるため、まずは原因を丁寧に探ることが重要です。そこは耳鼻咽喉科が得意とする分野であり、当院では原因を確認した上で、その後の治療を提案できます。全身麻酔が必要な手術は提携病院へご紹介し、局所麻酔で行える鼻閉の手術なら当院で対応可能です。人工鼻に特化した外来では、喉頭を摘出し気管孔を造設された方に対し、人工鼻の装着方法や使い方をお伝えしています。人工鼻を使わないと痰がたまりやすくなり、生活の質が下がってしまうため、適切な使用が重要です。操作は複雑ではありませんが、がん治療に関わっていない医師では対応が難しく、受診先に困る方もいらっしゃいます。当院では、そういった方が困らないよう、継続的に支援しています。

子どもが安心して受診できる環境を整える

患者さんに接する上でどのようなことを大切にされていますか?

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科5

患者さんとは年齢に関わらず、丁寧に、きちんと向き合うよう心がけています。患者さんも医師もスタッフも、立場は違っても人としては対等。そういった敬意を持って接することが大切だと考えています。お子さんに対しても、子ども扱いはせず、一人の人としてきちんと説明するようにしています。もちろん保護者にもお話ししますが、お子さん自身にもわかるように話すことで、納得して診療を受けてもらいたいからです。診療が苦手なお子さんにも「ここなら大丈夫だった」と思ってもらえる経験を積んでもらい、泣かずに通えるようになってくれたらうれしいですね。そのために、医療として必要なことはしっかり行いつつ、すぐに必要でない痛みを伴う処置は控えめにするなど、負担の少ない診療を意識しています。

ところで、先生が医師をめざされた理由は何だったのでしょう。

父が耳鼻咽喉科の医師だったこともあり、小さい頃から「自分も将来は耳鼻咽喉科の医師になる」と思っていました。耳鼻咽喉科の良いところは、耳・鼻・喉にある患部を実際に目で確認できることが多く、診断に結びつきやすい点です。さらに、必要があれば、クリニックでもその場でできる外科的な処置がたくさんあり、スピード感のある診療が行えるところにも魅力を感じています。

最後に、読者へのメッセージと今後の展望をお聞かせください。

松居秀敏院長 まつい耳鼻咽喉科6

クリニックに来られる方は、少なからず不安を抱えていると思います。だからこそ、診察後には「ここに来て良かった」と思ってもらえる声かけと医療を心がけています。めざしているのは、地域のパン屋さんや八百屋さんのような、親しみやすく、ふと思い出してもらえる存在。「耳や鼻、喉のことなら、まつい耳鼻咽喉科に行ってみたら」と自然に名前が挙がるようなクリニックでありたいと思っています。また、明石は子育て世代の多い地域ですので、保護者が小さなお子さんと一緒に来院しやすいよう、待合室にはキッズスペースを、トイレ内にはおむつ交換台を設置しています。0歳から対応していますので、お気軽に受診ください。

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