今村 泰崇 院長の独自取材記事
久我山ハートクリニック
(杉並区/久我山駅)
最終更新日:2025/08/27

京王井の頭線・久我山駅近くに「久我山ハートクリニック」を開業した今村泰崇院長。大学病院や中核病院では心不全をはじめ、心疾患の研究や診療に携わってきた循環器内科の専門家だ。重度の心疾患診療に携わる中で、術後のフォローを地元で行える専門的なクリニックの必要性を感じ、開業に至ったという。「日本内科学会総合内科専門医としての幅広い知見と循環器内科についての専門性を生かして、心疾患につながる生活習慣病や、高齢者の診療にも力を注ぎたい」と語る。患者の負担軽減に配慮したクリニックづくりなど、受診しやすさ、治療の続けやすさにこだわる姿勢も印象的だ。10代の頃から慣れ親しんできた井の頭沿線エリアで地域貢献をめざす今村院長に、クリニックの特徴や地域医療への思いを聞いた。
(取材日2025年7月23日)
専門性を生かし、親しみのあるエリアで地域貢献を
開業までの経緯を教えてください。

私は医学部卒業後、東京女子医科大学病院の循環器内科に入局し、心疾患の治療や研究に携わってきました。済生会熊本病院では当時日本で始まったばかりの経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の立ち上げにも関わり、大学病院では心筋症や肺高血圧症、重症心不全の治療や心臓移植、また、家族性高脂血症の研究や治療にも取り組みました。その後、立正佼成会附属佼成病院(現・杏林大学医学部付属杉並病院)に勤務し、心筋梗塞に対するカテーテル治療や徐脈へのペースメーカー治療、不整脈へのアブレーション治療に携わり、前職のニューハート・ワタナベ国際病院では虚血性心筋症に対するカテーテル治療や大動脈弁狭窄症に対するTAVI、僧帽弁閉鎖不全症に対するマイトラクリップを行っていました。こうした診療に取り組む中で、地域で術後のフォローなどができる、循環器内科の専門クリニックが必要と感じて開業に至りました。
どうしてこの地を選ばれたのでしょうか。
私は西東京市出身で、吉祥寺にある成蹊という中学校・高校に通っていたこと、杉並区の病院に勤務していたことから、このエリアに親しみがあり、開業するならば井の頭線沿線でと思っていたのです。そして、なるべく多くの方に来ていただきやすいように、急行の止まる駅で、前職のニューハート・ワタナベ国際病院とも連携が取りやすい立地、さらに駅から近く、車いすの方も通いやすい平坦な道で、建物の1階という、私の考えていた条件に合ったのがここでした。まだ開業から間もないですが、以前から診てきた患者さんや高血圧が気になるという近隣の方、発熱専門の外来にも多くの患者さんが来てくださっています。昔から住まわれている地元の高齢の方が多い地域ですが、吉祥寺や渋谷とのアクセスが良いため、若い世代も増えていて活気のある街だと感じています。
クリニックづくりでは、どのような点にこだわりましたか。

まず、患者さんの動線を意識し、受付から待合室、診察室、その奥に検査室へとスムーズに移動できる部屋配置にしました。検査室も患者さんがなるべく移動しなくて済むように検査機器を配置しています。そもそも体調が悪くて来られている方が多いわけですから、できるだけ負担のないようにと考えて、待合室の椅子は1人掛けで間隔を広く取り、ゆったり座れるようにしました。内装は清潔感を保ちつつ、木目調を多用して落ち着いた雰囲気を心がけました。待ち時間を短縮するために予約制も導入しています。また、発熱の外来用に用意した隔離室は動線を完全に分けていますので、発熱の患者さんも発熱以外の患者さんも、安心していただけると思います。
多様な検査機器を活用し、検査結果を迅速に治療に反映
さまざまな検査機器を導入されているそうですね。

AI搭載で短時間で検査できる超音波検査機器、血糖値や脂質も測定できる血液検査機器、心筋梗塞や心不全等の検査に役立つ機器などを備えて、いずれも迅速に検査結果がわかり、治療に結びつけられるようにしています。特に、血液検査機器をここまで院内でそろえているクリニックは少ないのではないかと思っています。 例えば、血中のクレアチニン値を見る腎機能検査は、一般にクリニックでは外注されることが多いと思いますが、当院では院内検査で即日に結果を得て、服薬調整に生かすことができます。心不全の薬を服用している患者さんの場合、腎機能を診ながら服薬調整を行う必要があり、検査結果を待っている数日のうちに症状が悪化する恐れもあるのです。また、家族性高脂血症の患者さんに対する診療の場合も、院内の血液検査で脂質の数値を迅速に確認してLDL(悪玉)コレステロールの管理に役立てています。
診療面にはどのような特徴がありますか。
長年循環器内科で診療に携わっていましたから、心疾患の術前術後の経過を細かく診られますし、心不全に関しても軽症から重症まで幅広く対応できます。勤務してきた病院と密な連携体制が取れることも特徴だと思っています。ですから、心疾患の早期発見・早期治療に努めるとともに、手術が必要な場合には信頼できる医療機関と連携し、術後のフォローアップを含め一貫してサポートしていきたいと考えています。また、心疾患につながる高血圧や高脂血症といった生活習慣病の診療、高齢者のフレイルやサルコペニアの診療、心臓リハビリテーションなどについても注力していきたいと思っています。
診療の際、どのようなことを大切にされていますか。

人によって病気に対する考え方はさまざまですので、病気の原因や予防を含めてよく説明して、患者さんが病気をどのように理解されたか、どういうふうに治療したいと考えられているか、しっかり確認した上で治療を進めていくことを心がけています。心疾患は命に関わることも多い病気ですし、高齢になられると手術ができないこともありますから、できるだけ早い段階で病気を見つけて治療を行い、進行を抑えることが重要だと考えています。高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病が心疾患につながることもありますから、単に「血圧が高いですね」と血圧の治療をするというのではなく、血圧が高い原因を患者さんとともに突き止め、生活習慣などを改善して原因を解消していけるように介入したいと思っています。
睡眠時無呼吸症候群や若い世代の高脂血症診療にも注力
専門の立場から、特に注目したい分野などはありますか。

循環器内科の立場から診ると、睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸が起きることで、高血圧や心房細動といった心疾患のリスクを高める病気でもあります。当院では睡眠時無呼吸症候群の検査やCPAP療法にも対応していますので、いびきや昼間の強い眠気など気になる症状がある方はご相談いただきたいですね。また、若い女性で肥満ではないのにコレステロールが高い場合、調べると遺伝性の家族性高脂血症ということもあります。私は、この病気を研究してきましたので、心当たりのある方はご相談いただければと思います。また、当院は漢方処方にも対応しています。心疾患の症状に適した漢方薬もありますので、患者さんと相談して検討していきたいと考えています。
今後の展望についてお聞かせください。
まずは、専門的な診療を行う循環器内科、そして幅広く対応できる内科を扱うクリニックとして地域の皆さんの役に立つこと。加えて、この地域では循環器内科の専門クリニックが少ないために、症状が安定しても大きな病院に通院されている方が多いようです。病院と連携しながら当院で診ていくことで、患者さんの通院の負担を軽減し、地域で安心して暮らしていただけるように機能していきたいと思っています。また、心疾患にもつながりかねない生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群を、循環器内科の専門性を生かして診ていきたいと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

心臓の病気は、若い時から少しずつ進行して大きな病気になる方が多いですから、生活習慣病など心疾患につながる病気を治療することは、自分の将来に対しての先行投資と考えて取り組んでいただけたらと思います。一方で、若い世代でも心不全で亡くなる例などが報道されることもあります。健診で異常を指摘された、動悸や息切れが気になるという場合は、循環器内科をぜひ受診してください。当院では、心臓の雑音や不整脈、他院で「心臓手術が必要と言われた」というような場合のセカンドオピニオンまで、幅広くご相談いただけます。また、高血圧や高脂血症、痛風などにつながる高尿酸血症といった生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群など幅広く診ていますし、総合内科専門医でもありますので、何でもご相談ください。