柴田 翔 院長の独自取材記事
しばた内科呼吸器クリニック
(柏市/柏たなか駅)
最終更新日:2025/08/13

つくばエクスプレスの柏たなか駅から歩いて6分。開発が進む住宅街の一角にあるのが「しばた内科呼吸器クリニック」だ。ここは柴田翔院長が、喘息や長引く咳、慢性閉塞性肺疾患などに悩む人々を、身近な立場で専門性を持って診療していきたいと2025年7月に開業。呼吸器内科だけでなく内科やアレルギー科も専門としていて、それぞれ専門的な視点を生かしながら、総合的に診察し適切な治療につなげている。地域の身近なクリニックでありながら呼気一酸化窒素濃度測定検査も備えるなど、検査体制の充実にもこだわる。「呼吸器症状に限らず、健康診断で異常を指摘されたなど困ったことや体調不調があればどのような症状でもまずは相談に来てください」と話す柴田院長に開業への思いや診療の特徴について聞いた。
(取材日2025年7月30日)
内科、呼吸器内科、アレルギー科を総合的に診療
なぜ開業しようと思ったのでしょうか。これまでの経歴についてもお聞かせください。

医師になって17年たつのですが、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)で診療や研究に携わっていた期間と、柏市立柏病院など地域の総合病院に勤務していた期間とが、だいたい半分半分になりました。今後は、これまでの大学病院や総合病院での診療経験を生かしながら、地域の中で自身の専門でもある喘息や慢性閉塞性肺疾患に悩む患者さんたちを診ていきたいと思ったのです。というのも、例えば喘息の発作が起きたとき、いつも診てもらっている医師に診察してもらいたいと思っても、大きな病院ですと担当の曜日でなかったり、専門の医師がいなくて他の病院に行かなくてはならないなどといったことがあり得ます。ですが、クリニックであれば、常に私が診ることができます。患者さんのより近くで、より身近な立場で診療していきたいと思い開業しました。
開業の地に柏たなかを選んだのはどんな理由があったのですか。
この近くにもう5年くらい住んでいますので土地勘もあり愛着のある場所です。今、この辺りは開発が進んでいる最中で、若い人も増えています。30~40代くらいの子どもを持つファミリー層が多く、そのような方々を中心に、もちろんご高齢の方も含めて地域の方々の健康を見守っていきたいと思っています。子どもは小学生以上なら診られますので、ご家族皆さんで来ていただきたいですね。
内装などどのような点にこだわったのですか。

内科と呼吸器内科を診るクリニックですので清潔感を大切にしました。特にこだわったのは空気ですね。常に衛生的な空気環境をつくり出すために、空調機器にこだわりました。患者さんも小学生からご高齢の方まで幅広いですので、どなたが来られてもリラックスできるよう自然な雰囲気にしています。また、発熱者専用の入り口と半個室の待合室、さらに専用の診療室も設置していて、一般の患者さんとは動線を別にしています。発熱者の診療ではインフルエンザや新型コロナウイルス感染症の検査をするだけでなく、流行に応じて他の感染症の簡易検査やレントゲン、血液検査まで対応しています。
クリニックのコンセプトについて教えてください。
一般内科では、患者さんの訴える症状からその原因や病気を適切に見つけ出すことを重視し、それぞれ適した治療を行っています。どこに行けば良いかわからないというような症状でも、患者さんの状態を総合的に診察、診断して必要な医療につなげることも地域のクリニックとして重要な役割だと思います。専門の呼吸器内科については、喘息や咳、痰、胸の痛みなどについて専門性の高い診療を提供します。咳や痰は、我慢したり市販薬で済ませたりする方もいますが、その陰に大きな病気が隠れていることも考えられます。根本的な原因を探り、そこから治療していくことが大切です。喘息や花粉症といったアレルギー疾患についても専門的に診察しています。呼吸器疾患とアレルギー疾患は深い関連がありますので、両方の専門的な視点で診察できる点も当院の特徴です。
呼気一酸化窒素濃度測定検査など検査体制の充実も図る
診療の際はどのようなことを大切にしていますか。

患者さんが何に一番困っているのか、また、こちらに何を求めているのか、話を丁寧に聞くことを大切にしています。その上で、聴診器を当てて呼吸音や心音などの所見をしっかり取るようにしています。これまでの診療経験から、症状の出方などについて詳しく問診して所見を取ることで、だいたいの疾患の予測はつきますが、正確に診断するために必要な検査をご提案します。検査内容や目的など患者さんに納得していただいた上で検査を行い、その結果に基づいて治療を行っていきます。薬を処方する際にはその目的やどのくらいの期間が必要なのかといった経過の目安、副作用、症状が改善しなかった場合の対応などについてわかりやすく説明することを心がけています。
呼吸器内科ではどのような症状を診るのでしょうか。
多いのは、咳や痰、胸の痛み、息切れなどです。これらの症状があれば受診していただきたいと思います。風邪の治りかけに咳が出ることもありますが、2週間以上続く場合は受診をお勧めします。長引く咳の原因は複数ありますので、問診、診察、検査によって根本的な原因を突き止めることに努めます。胸の痛みがある場合は肺もしくは心臓の疾患が疑われますので、エックス線や心電図検査などを行います。当院では院内で検査を完結できるようさまざまな検査機器を備えています。例えば解像度が高いデジタルエックス線や血液検査機器、呼気一酸化窒素濃度測定検査といった呼吸機能検査機器などです。呼気一酸化窒素濃度測定検査は気道の炎症の評価に役立つ検査で、喘息などの診断に重要です。導入しているクリニックは少なく、呼吸器専門ならではのことだと思います。
アレルギー疾患の診療についても教えてください。

アレルギー疾患では花粉症が多いですね。スギやヒノキだけでなく、イネ科の植物やブタクサなどによって1年中症状に悩まされる方も少なくありません。当院では血液検査によってアレルゲンを特定して、そのアレルゲンに適した治療を行います。治療は基本的に飲み薬や点眼薬などの薬物療法です。また、重度の花粉症に対しては注射療法も行っています。この12月からはスギやダニのアレルギーに対する舌下免疫療法にも対応する予定です。アレルギー疾患の治療は生活環境の改善も重要です。意外と盲点なのが職場環境です。ご自宅では気を配っていても、エアコンが古くて換気が悪いといった職場環境が症状に悪影響を与えていることもあります。ですのでご自宅だけではなく職場環境についてもよくお話を聞いて改善できるようアドバイスしています。
呼吸器症状に限らず困ったことがあれば気軽に相談を
他に力を入れたい疾患はありますか。

呼吸器内科として睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れたいですね。ご自身ではなかなか気づきにくく、いびきがひどいと言われた、寝ているはずなのに日中眠いといった経験のある方は注意してください。当院では簡易検査によってご自宅で検査をしていただいて、重症の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合にはCPAP療法を行っています。高血圧にも注視していきたいですね。実は睡眠時無呼吸症候群が原因で高血圧になっている例も多いのです。高血圧を含む生活習慣病の管理もしっかり行っていきます。健康診査をきっかけに初期の生活習慣病を指摘される方が多いですが、当院ではいきなり薬を使うのではなく、まずは目標値を決めて食事と運動の生活習慣の改善から始めていきます。
ところで先生ご自身の健康維持の秘訣やリフレッシュ法は何かありますか。
最近、犬を飼い始めて、朝晩散歩に連れて行っています。ゴールデンレトリバーなので運動量も多く、朝と夜、1時間くらいたっぷり散歩しています。犬と一緒に過ごす時間はとても楽しく、気分がとてもリフレッシュします。体重もかなり減ったんですよ。歩くことの大切さを、身を持って実感しました。生活習慣病へのアプローチ方法として自信を持って患者さんにお勧めできます。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

咳が出たり、咳が長引いている人も多いと思います。咳が出ると周りの目が気になったり、ご自身の生活の質にも関わってきます。根本原因から治すことが大切ですので、ぜひ一度受診することをお勧めします。また、呼吸器症状に限らず、悩んでいる症状があれば、ぜひ相談に来てください。こんなことでクリニックに行っても良いのかしら、などと遠慮せずに、どんなことでも気軽にお話しに来てください。