遠矢 政和 院長の独自取材記事
Tenjin Toya Clinic
(福岡市中央区/天神南駅)
最終更新日:2025/08/08

天神の中心地にそびえるビルの5階に、2025年「Tenjin Toya Clinic」が開院した。院長を務める遠矢政和先生は、「整形外科の医師になる」という明確な目標を持ち九州大学医学部へ進学。初期研修では救急対応に明け暮れ、その後は整形外科全般の研鑽を積んだ。大学院時代は新薬開発、留学先の米国スタンフォード大学では幹細胞研究に従事し、常に新しい治療法を追求してきた遠矢院長。「できることなら手術以外の選択を取りたいと思う患者さまは少なくない。そういった患者さまに新たな選択肢を提示したい」。その思いが研究の原動力となった。同院では保険診療を重視し、子どもから高齢者まで幅広い世代の診療に対応。3人の子どもを育てる父として子育て世代への理解も深い遠矢院長に、これまでの歩みと診療への思いを聞いた。
(取材日2025年7月22日)
手術を避けたい患者に寄り添う整形外科医への道
天神という立地で開業された経緯を教えてください。

第一に「より多くの患者さまに的確な医療を届けたい」という思いがあったので、アクセスが非常に優れている天神を選びました。地下鉄、バス、電車と公共交通機関が充実していますし、商業施設や役所、ビジネス街も近いので、さまざまな用事と合わせてでも足を運びやすいと思います。また私は、国内外問わず治療を必要とする患者さまの診療に関わっていきたいので、「アジアの玄関口」といわれるこの地域はその点でも魅力的な立地だと考えました。日本から世界に向けて、日本の医療の素晴らしさを発信していけたらなというのが最終的な目標です。
整形外科医を志したきっかけはどのような経験からですか?
2歳から水泳教室に通っていて、負けず嫌いが功を奏して九州大会で優勝したり、県の学年記録を持っていたりしたので、当時は将来水泳選手になると思っていました。ただ、やはりそれだけ長年泳いでいると、体のあちこちに痛みを抱えて整形外科を受診することに。そこで出会った先生が、老若男女関係なく診療されている姿を見て感動したんです。全世代の人の役に立てる仕事であることにも憧れましたし、医療側も患者側も治療による結果が目に見えてわかりやすい整形外科に魅力を感じました。中学2年生までは水泳一本でしたが、漠然と医師になりたいというよりは「整形外科の医師になりたい」という思いで医学部をめざしましたね。最終的には開業して地域医療に貢献したいと考えていたので、入学してからはまず、全身を幅広く診られるよう研鑽をしました。
研究への取り組みと、新しい治療法開発への思いを聞かせてください。

大学院では変形性膝関節症の新薬開発に取り組みました。研究開発に携わったきっかけは、診療を行う中での「できれば手術以外の選択を取りたいと思う患者さまは少なくない」という気づきと、「そういった患者さまに新たな治療の選択肢を提案したい」という思いでした。米国スタンフォード大学では幹細胞を使った治療法の開発に携わりましたが、遺伝子を操作したり、細胞をコーティングしてより関節に伝わりやすくしたりと、さまざまなモデルを使って新しい治療方法の開発を推し進めていました。日本は超高齢社会で変形性膝関節症の患者さまはどんどん増えていますが、実は実際に手術に至る患者さまは1割いるかいないかです。残りの9割の方に痛み止めや湿布以外の新しい選択肢を提案できないかという思いで研究をしていました。PRP(多血小板血漿)や幹細胞などに関する研究について専門性を高めてきたのもそういった思いからです。
痛みへの多角的アプローチと家族で通えるクリニック
整形外科の診療内容について教えてください。

慢性的な痛み、急な痛み、ケガ、しびれ、骨粗しょう症など、全身の幅広い症状、疾患に対応しています。痛みと一口にいってもさまざまな種類があり、痛いと訴えのある部位に必ずしも痛みの原因があるわけではありません。膝の痛みだと思っていたら、実は股関節に問題があって痛みが出ている場合もあるのです。また、例えば膝の痛みの場合、注射などで「関節内」の治療をするだけではなく、筋肉など関節を支える「関節外」の治療を行うことが非常に重要です。「痛みが良くなれば終わり」ではなく、また同じような痛みを引き起こしにくい体を作るためです。これこそがリハビリテーションの意義であり、専属の理学療法士としっかり連携が取れている当院の強みでもあると思っています。
理学療法士のお二人は、整形外科の診療で重要な役割を果たしているのですね。
はい。2人のうち1人は学生時代からの友人でもあり、2人が的確なアプローチを実現するためにいかに研鑽を重ねているかは、私自身よく知っていますし、信頼しています。私たちは患者さまの情報を共有しながら、どこが悪くて何に困っているのかをまず明確にし、その状況に応じて機器を使い分け、機能回復に向けたコンディショニングを行います。当院のリハビリテーションは患者さまの満足度を重視しながら行っているので、ぜひより多くの患者さまに通院していただきたいですね。
皮膚科、美容皮膚科の診療も行っていますね。

皮膚科は日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の妻が担当しています。天神エリアには多くの美容皮膚科がありますが、保険診療を行う皮膚科は少ないため、地域のお役に立てればと思います。九州大学病院や九州中央病院、福岡市立こども病院などの皮膚科で診療経験を積んでいますので、小さなお子さまからご高齢の方まで、さまざまな年代の皮膚疾患に対応できます。また、私たち自身も3人の子どもを育てる親なので、お子さまが小さいうちの大変さは身にしみてわかっています。お子さまが小さい時期はお肌の悩みやケガなどで病院を受診することも多いですが、当院では皮膚科と整形外科を一度の受診で完結することができます。また、お子さま連れのお母さま、お父さまのお肌の悩みや慢性的な痛みなども診ることができますので、ご家族そろっての受診もしていただきやすいかと思います。お子さまの対応や子育て世代への理解もありますので、安心してご来院くださいね。
患者の声に耳を傾け、気軽に通えるクリニックをめざす
診療において大切にされていることは何ですか?

まずは患者さまの声にしっかりと耳を傾け、「何に困っているのか」をしっかり把握することです。本人は「大したことない。症状には関係ない」と思っているようなことでも、実はそれが診療の上で大切なヒントになることも多くあります。そうした情報をもとに、実際に診察、検査を進めて現状を評価し、蓄積されたデータの中からエビデンスに基づいてその患者さまにとって最善と思われる治療法を提案させていただきます。また治療の経過中、新たな症状が出てくることもありますので、その際は治療方針を柔軟に切り替えますが、どんなタイミングでも患者さまの声を聞くことを何よりも大切にしていますね。大切なのは患者さまの悩みを解決するオーダーメイドの治療を行うこと。同じ病名の疾患であっても、一人として同じ病態はないという考えで治療内容を組み立てています。
院内環境へのこだわり、またスタッフの方々についても教えてください。
院内は落ち着きのある空間をめざしました。リハビリテーションルームからの景色が良いのもポイントです。どうすれば院内で快適にお過ごしいただけるか、改良を重ねていくプロセスはとても楽しかったです。当院のスタッフは、私自身が直接声をかけ、集まってくれたスタッフも多くいます。これは本当に自信を持っていますが、患者さまに接する姿勢、医療に取り組む姿勢が、どのスタッフも非常にプロフェッショナルでかつ明るく元気なスタッフばかり。人と接することに対して非常にスキルが高いスタッフがそろっているので、患者さまの心に寄り添うような対応をしっかり行っていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は整形外科、リハビリテーション科のほかに、皮膚科、美容皮膚科の診療も行っています。天神という地域柄、「美容整形」を行う自費のクリニックと勘違いされる方も多くいらっしゃるようです。診療のベースは膝、腰、肩の痛みといった一般整形外科の診療、皮膚科も保険診療を主軸にしていますので、安心して足を運んでいただけたらと思います。私たちはただ話を聞くだけでなく、実際に触って、診て、検査を行い、それをもとに何が問題かを見極め、最善の治療法を提案できるよう努めています。お悩みの症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。お待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは赤み、しみなどのスポット照射/1100円〜
ニキビ、ニキビ痕、傷痕のLED光治療/4400円〜
男性型脱毛症治療(内服、外用)/6600円〜