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根石 拡行 院長の独自取材記事

くまさん脳クリニック

(広島市南区/段原一丁目駅)

最終更新日:2025/08/19

根石拡行院長 くまさん脳クリニック main

「脳神経外科」と聞くと、ハードルが高く感じる人も少なくない。そのようなイメージを払拭する親しみやすさと、確かな専門性を併せ持つのが「くまさん脳クリニック」の根石拡行院長だ。日本脳神経外科学会認定の脳神経外科専門医として、これまで総合病院や脳神経疾患の専門病院で多くの診療や手術を行い、並行して認知症や水頭症の研究も続けてきたという。開業の背景には、小児科の医師として地域に根差して患者を診続けてきた父の姿があったという。脳のかかりつけ医として、認知症ケアの拠点をめざす根石院長に、これまでの経験や診療において大切にしていること、クリニックの特徴などについて話を聞いた。

(取材日2025年7月25日)

脳神経外科専門医が認知症ケアにも対応

医師をめざしたきっかけを教えてください。

根石拡行院長 くまさん脳クリニック1

父が町の小児科の医師だったんです。自分では記憶がないのですが、ハイハイをしていた頃から小学校の低学年くらいまで、診察をしている父のそばをいつもうろうろしていたようです。そのため、気がついた時には、自然と医師をめざすようになっていました。大学病院や大きな病院で数多くの手術を執刀したり、研究をする中で、脳神経外科の奥深さに引き込まれるようになりました。一方で、地域の人と向き合っていた父の姿が心に残っていました。手術を数多く手がけてきましたが、やはり自分も患者さんとじっくり向き合う医師になりたいと考えるようになり、そのあたりから開業についても徐々に考えるようになりました。

どうして脳神経外科を選んだのですか?

脳の病気は薬で簡単に治るものではありません。だからこそ難しいのですが、新米医師だった頃に勤めていた梶川病院で脳神経外科に惹かれたんです。梶川病院は脳神経疾患の専門病院で、治療が難しい患者さんが集まります。4、5人の医師で交代しながら18時間〜20時間の手術を行ったこともあります。それと並行して認知症や水頭症の研究もずっと続けていました。実は医学博士の論文はパーキンソン病についてなんです。認知症に関心がある脳神経外科医はなかなかいないと思います。家族の誰かが認知症にかかると、その家族はとても大変な思いをします。それをなんとかできないかと思ったのが、認知症に関心を持ったきっかけです。

「くまさん脳クリニック」という名前はとてもユニークですね。

根石拡行院長 くまさん脳クリニック2

かつて私が緊急手術をした幼児の患者さんがいたんです。術後も入院をしていて、毎日私が傷の手当てをしに行っていたのですが、行く度に嫌がって泣かれていました。でもその子のお母さんが「くまさんみたいな先生だから大丈夫よ」と言ってお子さんを励ましていました。最後には「くまさんせんせい、ありがとう」と書かれた手紙をお子さんからもらいました。自分から「くまさん」と名乗ったわけではないんですが、少しでも来院のハードルを下げ、親しみを持ってもらえればと思い、クリニック名にも取り入れました。医療の情報発信に力を注いでいるのも、脳神経外科に対するハードルを少しでも下げたいという思いからです。

脳のことをもっと身近に、地域に根差したクリニックへ

開業に至った経緯を教えてください。

根石拡行院長 くまさん脳クリニック3

実は最初から開業を考えていたわけではないんです。母が80歳を迎えるということもあって、地元・広島に戻ってきました。戻った直後は荒木脳神経外科病院に勤務し、24時間体制で救急の患者さんにも対応していました。そこで多くの患者さんやそのご家族が、「病気を治してほしい」だけでなく、「この不安をなんとかしたい」という思いを抱えて病院に来ていることに気づいたんです。それまでは、病気を治すことが医師として一番大事な役割だと思っていたのですが、それだけではなかったのです。そして、改めて思い出されたのが、町の開業医として地域の人たちと向き合っていた父の姿でした。私も治療のみならず、患者さんやそのご家族の不安に寄り添いながら診療できる医師でありたいという思いが芽生え、このクリニックを開業しました。

診療で大切にしていることは何ですか?

患者さんの不安をきちんと聞き取ることです。だからこそ、診察前の問診にはかなりこだわっています。症状ごとに必要な情報や不安に思っていることを引き出せるよう、詳細なフローシートを作っています。そして問診を取るスタッフも理解をした上で対応してもらいたいので、知識をしっかり身につけてもらっています。スタッフは診療放射線技師含め7人在籍しており、患者さんが医師には言いづらいことや症状、悩みについてゆっくり話せるように、個室仕様の面談室も設けました。患者さんにより良い治療を提案できるようにと、スタッフも一人ひとりの患者さんとしっかり向き合ってくれています。

患者層やクリニックの特徴を教えてください。

根石拡行院長 くまさん脳クリニック4

10代〜40代の方は頭痛やめまい、50代以降の方はそれに加えて認知症や寝つきが悪いといった相談が多いです。ろれつが回らない、手足がしびれるといった症状で受診される方もいらっしゃいますね。「脳」とつくだけでハードルが高く感じる人や、大きな病院じゃないと診てもらえないと考える人も多いかと思いますが、当院はMRIを含めた検査体制を整えて診断・治療を行っていますし、脳梗塞や脳腫瘍など当院での対応が難しい場合は、連携する病院をご紹介しています。気づかぬ間に脳の病気が進行していたケースをいくつも見てきたため、脳ドックも対応していますね。簡易的なものから詳細に診るものまで3つのコースを用意しています。高血圧になっていたり、内科的な疾病になったりする人が増える50歳あたりで、一度受けておくと安心かもしれません。また、脳梗塞や脳卒中の後遺症で拘縮した場合に、筋肉の緊張を和らげるための治療も行っています。

専門家として的確な診断と不安に寄り添うケアをめざす

脳神経外科専門医として、軽い症状とはどのように向き合っていますか?

根石拡行院長 くまさん脳クリニック5

内耳の問題や、ストレスが起因するものもあれば、脈拍の乱れや血圧の変動で起こってくるものなど、背景にある要因は多岐にわたります。「あなたのめまいの原因はこれです」と言いきることはなかなか難しいですが、安易に薬を出して終わりにはせず、しっかりと原因を探ることを大切にしています。めまいをきっかけに病気が見つかるケースも意外と多いんです。頭痛も同様で、重篤なものなのか、それとも肩凝りからくるものなのか、しっかり見極めるように努めています。

認知症の診療についてはいかがでしょうか。

人間は年を重ねると認知能力は当然落ちてきます。ですが、それが年齢によるものなのか、認知症によるものなのか、その境がとても難しいんです。物覚えが悪いなどの心配がある方には、認知症の詳しい検査を問診の段階で受けていただいて、その結果を踏まえて診察するようにしています。私の専門が認知症なので、患者さんだけでなく、その家族にも寄り添ったケアを大切にしていきたいと思っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

根石拡行院長 くまさん脳クリニック6

認知症ケアの拠点としてもクリニックを整えていきたいと考えています。知識を深めるために認知症に関わる知識の習得にも全スタッフで取り組んでいくつもりです。認知症は患者さん本人よりご家族の方が困ってしまうことが多いんです。でもどこに相談していいかわからないというのが現状なんですね。そういったときに頼ってもらえるクリニックにしていきたいです。また脳神経外科に行くことをためらっている方の不安を少しでも払拭する一助になれたらと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脳ドック/2万円~

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