専門的なサポートで健やかな成長をめざそう
小児の低身長について
白金高輪やまと整形外科
(港区/白金高輪駅)
最終更新日:2025/10/09


- 保険診療
- 自由診療
子どもの身長が一定の基準を下回っている。あるいは、1年間に伸びる身長が著しく少ないのが、「低身長」だ。実際に、「うちの子の身長は低すぎるのではないか」と悩む親もいるかもしれない。「低身長には、病気を含むさまざまな原因が関わっていることがありますので、専門的な評価を受けることが大切です」と話すのが、「白金高輪やまと整形外科」の大和志匡院長だ。同院では、低身長の診療に携わってきた大和院長が、その豊富な知識と経験を生かし、低身長に悩む子どもや保護者をサポートしている。低身長そのものが健康上の大きな問題になることはほとんどないが、「大人になってからの低身長によるストレスを、少しでも和らげるお手伝いをしたいと思っています」と語る大和院長に、低身長の基本や診療について教えてもらった。
(取材日2025年9月22日)
目次
専門的な診断や診療を、適切な時期に受けるのが重要な低身長。気になることがあれば、早めに相談を
- Q低身長の概要について教えてください。
-
A
▲成長の遅れの背景には、目に見えない原因が隠れていることも
まず、低身長とは病気そのものではなく、「身長が低い状態」を指します。その背景には、病気を含むさまざまな原因が関わっていることがあります。例えば、成長ホルモンの分泌異常、遺伝的な要因、慢性的な病気、栄養状態などがあり、複数の要因が隠れていたり、重なり合っていたりすることもあります。原因がはっきり特定できる場合もあれば、「特発性」といって特定できない場合もあります。また、単に背が低いということだけでなく、成長のスピードが遅れていることも大切なサインです。例えば、同級生と比べて急に身長差が広がってきた、思春期の始まりが遅れているといった場合には、専門的な評価を受けることが望まれます。
- Q具体的には、どのような状態が低身長なのでしょうか?
-
A
▲身長だけでなく、成長のスピードも診断のポイント
子どもの身長が一定の基準を下回っている、または1年間に伸びる身長が著しく少ない場合、「低身長」と診断されることがあります。医学的な定義には大きく分けて2つあります。1つ目は、「同じ年齢・性別の平均身長と比べて標準偏差(SD)で-2SD未満の場合」です。これは、同じ年齢・性別の子どもが100人いたとすると、身長が低いほうから数えておよそ2〜3人にあたります。2つ目は、「年間の成長率が同性・同年齢の子どもの平均値の-1.5SD以下で、その状態が2年以上続く場合」です。
- Q日常生活の中で親が気づくきっかけなどはありますか?
-
A
▲不安に寄り添った診療とわかりやすい説明を大切にする
厚生労働省や製薬会社をはじめ、さまざまなホームページに一般的な日本人の成長曲線が掲載されています。お子さんは、小学校などで定期的に身長測定を受けていると思いますので、その結果と成長曲線のお子さんの年齢のところを照らし合わせて、明らかに身長が小さい場合には低身長が強く疑われます。できるだけ早めに受診していただくことをお勧めします。当院の場合は、そのような明確な根拠がなくても、例えば学校で背の順に並んだときに、周囲の子どもと比べて明らかに背が低いと感じるような場合や、周りの子どもと身長差がどんどん開いていくような気がするというような場合でも、ご相談いただいてまったく構いません。
- Q低身長の検査はどのように行うのですか?
-
A
▲成長曲線や血液検査、画像検査などにより、多角的に分析
まず、母子手帳やこれまでに保育園や幼稚園、小学校などで測定した身長の記録をもとに成長曲線を作成し、変化の推移を確認します。同時に、食生活や生活環境、家族の身長、病歴などについても詳しくお伺いします。さらに、骨年齢と実際の年齢との差を確認するために左手のエックス線撮影、骨代謝や成長ホルモン、性ホルモン、ミネラルの状態、低身長に関連する病気の有無などを調べる血液検査を行います。これらの結果を総合的に判断して、治療の必要性を見極めます。低身長は、「体質的な範囲内」なのか、「治療を要する病的なもの」なのかを正しく判別するのが大切で、そのためにも専門的な診療が可能な医療機関への相談をお勧めします。
- Q治療についても教えてください。
-
A
▲「低身長について悩みがあれば気軽に相談してほしい」と話す院長
成長ホルモンの不足が原因の場合には、「成長ホルモン補充療法」を行います。同時に、亜鉛をはじめとした骨に関わる栄養素の補給のため、サプリメントの服用をお勧めすることもあります。加えて、身長の伸びには運動や睡眠が大きく関係しますので、日中は積極的に体を動かし、夜は十分な睡眠を取ることも重要です。また、思春期が早く訪れると、その時点で背の伸びが止まってしまいます。そのため、必要に応じて思春期の到来を調整するための薬を処方することもあります。最低でも1年以上、できれば2年以上は継続したほうが、効果が期待できます。
自由診療費用の目安
自由診療とは低身長についての検査/2万7500円~、低身長の治療/6万円~