津田 泰任 院長の独自取材記事
百合ヶ丘つだ内科心臓不整脈クリニック
(川崎市麻生区/百合ヶ丘駅)
最終更新日:2025/07/29

祖母の闘病経験から医師を志し、「患者さんの話をよく聞いて、一方的な医療にならないようにしたい」と語る津田泰任院長。その言葉の背景には、患者に寄り添う医療への強い思いがある。2025年に百合ヶ丘駅からすぐの好立地に開業した「百合ヶ丘つだ内科心臓不整脈クリニック」で、日本内科学会総合内科専門医として幅広い診療を行いながら、不整脈の専門家として高度な専門治療も提供する。白を基調とした院内は、まるでカフェのような落ち着いた雰囲気。地域のかかりつけ医として内科全般に対応しながら、AIを搭載した心電図検査装置などの先進機器を駆使した精密な不整脈診断も行う。開業への思いや診療にかける情熱について、じっくりと話を聞いた。
(取材日2025年7月2日)
内科の医師として幅広く、不整脈の専門家として深く
まず、これまでのご経歴を教えてください。

大学を卒業後は福岡の和白病院に勤務し、総合診療や救急まで「医師は何でも診られないといけない」という指導を受けました。その後、川崎幸病院で循環器、特に虚血性心疾患のカテーテル治療を学び、不整脈のカテーテルアブレーション治療も始めました。また、ご縁があり、東京医科歯科大学の教授に声をかけていただいて、AOI国際病院の循環器立ち上げに携わらせていただき、横浜新都市脳神経外科では、不整脈チーム立ち上げに携わらせていただいた経験もあります。和白病院時代には、総合診療部や救急部の医長も務め、内視鏡検査や脱臼の整復、外傷の縫合など専門外の処置も経験しているため、どんな症状でも、まずは幅広く対応できることが私の一つの強みかなと思っています。
診療において大切にされていることは何でしょうか。
「患者さんの話をよく聞くこと」です。医師として正しいことを言うのは当然ですが、患者さんとの信頼関係が成り立っていないと、正しいことでも受け入れてもらえません。まずはお互いに話を聞いて、患者さんが何を望まれているのかを理解し、それに対して適切な治療を提案できればと考えています。実は私の祖母が病気で亡くなった際、当時の医師とのやりとりの中で、十分なお話が聞けなかったように感じて不安が残ってしまいました。そういった経験から、より患者さんに近い立場で医療を提供したいと思うようになりました。どんなことでも少なからず患者さんに回答や方針を立てられるよう心がけています。
先生は、不整脈の専門家でもありますね。

不整脈を専門にしている医師はあまり多くなく、また治療も難しい分野になります。お薬の使い方やカテーテル治療をどのタイミングで進めていくかなど、同じ循環器の先生でも悩まれるケースが多いんです。虚血性心疾患の治療と不整脈のカテーテルアブレーション治療をしっかり学んだ経験と、さまざまな病院で不整脈チームの立ち上げに参加させていただいた経験を生かし、当院ではクリニックレベルでも幅広い疾患に対応できる体制を整えています。
心不全を防ぐための予防医療と先進機器による精密診断
開業にあたって、どのような思いがあったのでしょうか。

心不全は一度起こしてしまうと心臓の機能が落ちて、それを繰り返すことで徐々に治療にも応じなくなる病気です。つまり、最初の1回目を起こさないことが非常に重要なんです。大きな病院だと、その1回目を起こした後の方を診ることが多く、起こさせないような予防的治療は勤務医ではなかなか難しいという状況でした。そこで、私がクリニックを開業することで、心不全にならなくするための治療や、なりづらくする治療を提供したい、心不全になった方も2回目、3回目の入院にしないように専門家として役に立てればと思いました。血圧、コレステロール、糖尿病などの生活習慣病の管理が心臓と血管の病気の予防には重要です。専門的な目でしっかり治療していくことで、心臓を中心とした臓器を守るための治療を提供していきたいと考えています。
導入されている検査機器のこだわりを教えてください。
特にこだわったのは、AI機能つきの心電図検査装置です。これは一般的な不整脈の診断だけでなく、正常な脈の時でも過去に心房細動を起こしたことがあるか、将来起こす可能性があるかというリスク評価もでる機械です。不整脈の診断は来院時に不整脈が出ていないと難しいのですが、このAI心電図だと「こういった可能性がありますよ」と予測できるんです。さらに、通常のクリニックでは1日だけのホルター心電図が多いですが、当院では1週間記録できるものを採用しています。より長く記録することで適切な診断ができます。心房細動を早期に見つけて、合併症を起こす前に治療することをめざしています。
この場所を選んだ理由と院内環境のこだわりはありますか?

立地に関しては、駅に近くてアクセスしやすいことと、ドラッグストアさんと同じビルという利便性を重視しました。体調が悪くて受診した後、スポーツドリンクなど必要なものをその足で買い物できますし、薬局も建物内にあるので完結できます。院内は白を基調として清潔感のある印象を与えるようにし、落ち着いた雰囲気でリラックスできる空間づくりを意識しました。若い人でも長時間苦痛にならないよう、カフェのようなカウンターゾーンも設けています。クリニック名に「心臓不整脈」と入れたのは、循環器内科が何を診てくれるのか一般の方にわかりやすくするためです。ロゴには私の出身地の福岡県の花である梅をモチーフにし、花言葉の「忠実」「忍耐」「気品」に込めた、患者さんに誠実に対応し、じっくり向き合う思いを表現しています。
地域のかかりつけ医として幅広い相談に応える
どのような患者さんに来てほしいとお考えですか?

まずは地域住民の方々ですね。開業医は地域のインフラでもありますから、近くに住んでいる方に来ていただいて、相談しやすい存在になることが一番大切だと思っています。専門領域の循環器、特に不整脈に関しては、不整脈を専門にしている医師が少ないので、地域住民だけでなくもう少し広域からもご相談に来ていただければと考えています。まずは一回足を運んでいただいたところから関係性が始まりますので、信頼される存在になりたいですね。
内科についても診療の特徴などあれば教えてください。
私はずっと民間病院で働いてきたので専門知識以外のところにも幅広く対応できます。研修医時代から「医師は何でも診られないといけない」という教育を受け、内視鏡検査もできますし、脱臼の整復や外傷の縫合など、専門の医師ではないですが経験してきました。また、日本内科学会総合内科専門医として内科全般の相談に乗れますし、内科以外のことでも何かご相談があれば方針を立てて、他の科を受診したほうがいいかなどのお話もできます。クリニックレベルで「こうしたほうがいいんじゃないか」という提案や「これはまだ大きな病院に行かなくていいよ」という判断もできるので、まずは気軽にご相談いただければと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

地域のクリニックとして、ちょっとしたことでも来ていただけるような、一番身近な存在をめざしています。新規の患者さんでも、なるべく近い日程で予約をお受けするようにしていますので、何か困ったことや気になる症状があれば、気軽にお電話いただけたらと思います。私たちの提供する医療を患者さんに実感していただき、「ここに来て良かった」と思っていただけるよう、これからも邁進していく所存です。どのような症状でもまずは気軽に相談できる体制を整えていますので、お気軽にご相談ください。