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松原 徹夫 院長の独自取材記事

まつばら循環器クリニック

(名古屋市中川区/八田駅)

最終更新日:2025/08/06

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック main

ショッピングセンターの一角に立つ「まつばら循環器クリニック」は、2025年に開業したばかりの真新しいクリニックだ。院長を務める松原徹夫先生は、昼食を取らないストイックな生活を送りながら「患者さんに食事指導をしておいて自分が太っていられない」と語る。65歳で開業を決意した背景には、長年培ってきた循環器内科の専門知識と、息子への継承という将来への展望があった。64列マルチスライスCTを導入し、従来のカテーテル検査では確認が困難だった血管内の「汚れの質」まで診断できる体制を整えた。「治療じゃなくて予防が大事」と力説する松原院長に、先進の機器を活用した診療への思いや、患者に寄り添う医療について聞いた。

(取材日2025年7月2日)

狭心症や心筋梗塞など多様な治療経験を経て開業

こちらに開業された経緯を教えてください。

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック1

長年、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の診断・治療をしてきた私にとって、患者さんの状態を正確に把握するためにはマルチスライスCTを導入したいと考えていました。通常のクリニックスペースではどうしても手狭になってしまうため、広めのスペースが確保できるこの場所を探し、選びました。他にも候補地はあったのですが、2階だと重量のあるCTを設置するための床補強が必要になる。その点、ここは1階で広さも十分というのもあり、こちらにしました。65歳という年齢での開業は遅いかもしれませんが、息子も循環器内科医になり「後を継いでもいい」と言ってくれたこともあり、開業を決意しました。

先生が循環器内科を専門にされた理由はなんでしょうか?

実は最初は心臓血管外科の医師になろうと思っていました。響きがかっこよくて……(笑)。でも医師になった頃にちょうどカテーテル治療が発展してきて、これが面白かったんです。血管の中に細い針金を通して、枝分かれした血管の中を自在に操作する。ちょっと外科的な要素もあって楽しくて、気がついたらずっと循環器内科でした。県立岐阜病院から始まり、名古屋共立病院では透析患者さんの石灰化した血管をドリルで削っていく治療を本当に数多く経験させてもらいました。その技術を指導するために北海道から九州、さらには海外まで行きました。入国審査で軍服を着た人に虫眼鏡でパスポートを調べられたのも今では良い思い出です。

院内の内装や設備でこだわった点は?

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック2

内装の色は妻が決めました。妻は精神科の医師で「真っ白だと汚れが目立つし、キラキラしてると落ち着かない」という意見もあり、オフホワイトとグレージュを基調にした落ち着いた雰囲気にしました。待合室の椅子を壁沿いに作りつけにしたのも妻のアイデアです。「真ん中に椅子を並べると掃除が大変」と言われて。実は私が掃除することになってるんですけどね(笑)。点滴室にはリクライニングソファーを置きました。心臓が悪い方は横になるより上半身を起こしたほうが楽なので採用しました。ロゴマークの赤いハートマークにMの文字は、実は自分でデザインしたんですよ。

先進のCTを導入。精密な画像診断で質の高い治療を

64列CTを導入された理由と、その診断の特徴を教えてください。

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック3

心臓は動いているので、普通に写真を撮るとブレてしまいます。最低でも64列のシャッタースピードがないと冠動脈は撮影が難しいんです。また、64列CTになると、従来のカテーテル検査では確認が難しかった「汚れの質」も見えてきます。白く写る石灰化といった硬い汚れや黒く写る油の汚れです。特に黒く写る油の汚れは問題で、この汚れは不安定なので、土砂崩れのように突然血管を詰まらせることがあるんです。こういう人こそ積極的にコレステロールを下げる必要があります。逆にコレステロールが高くても血管がツルツルな場合もあり、数字だけでは見えてこないことがあるんです。そのため、実際の状態を詳しく見ないと適切な治療方針は立てられません。

生活習慣病と心血管疾患の関係について、どうお考えですか?

心筋梗塞や狭心症の原因は、やはり生活習慣です。血圧が高くても、コレステロールが高くても、軽い糖尿病でも、症状は何もない。だから皆さん病識がないんです。でも知らない間に冠動脈に汚れがたまって、ある日突然詰まる。動くと苦しいという症状があっても、今は車社会で歩かないから気づかない。詰まってから初めてわかるんです。日本人は「病気になったら病院で薬をもらえば治る」と思っている人が多いと感じています。でもアメリカ人は医療費が高いから病気にならないよう予防に努める。そこで私自身「おなかが減ったら食べる」を実践しています。おなかが空いてないのに時間だから食べるということには意味がないと考えているからです。患者さんに食事指導をしておいて自分が太っていたら説得力がないと思うんです。

患者さんへの接し方で心がけていることは?

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック4

以前、ある患者さんが「私は病気になっても病人にはなりたくない」と言ったんです。その言葉から多くを学びました。私が心がけているのは「笑って帰ってもらう」こと。深刻な顔で「大変ですよ」と言うのではなく、「大丈夫ですよ」という雰囲気で接します。親父ギャグを言ったり、冗談を交えたり。笑うことは健康にもいいですからね。また、患者さんの手間を減らすことも大切にしています。病診連携で紹介する際も、患者さんが自分で予約を取るのではなく、私から直接病院に連絡して日時まで決めてお伝えします。直接の専門外でも、できることはやります。

幅広い診療と専門的な検査で地域のかかりつけ医を担う

循環器以外の診療についても教えてください。

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック5

「内科はやらないんですか?」とよく聞かれますが、もちろん診ています。私は循環器が専門ですが、一般的な風邪や胃腸炎なども診察します。検査体制も充実させています。頸動脈エコーで首の血管の状態を見たり、手足の血圧を測定して血流を評価したり。心電図、エックス線、血液検査はもちろん、CTでは心臓だけでなく皮下脂肪や内臓脂肪の測定もできます。スタッフは看護師、臨床検査技師、診療放射線技師の5人体制。特に臨床検査技師と診療放射線技師は常駐していますので、予約が空いていればいつでも検査可能です。

今後の展望について聞かせてください。

私の影響もあったようで、息子も循環器内科医になりました。現在は市民病院に勤務していますが、将来的にはここを継いでもいいと言ってくれています。気持ちが変わるかもしれませんが、取りあえず始めてみようということで開業しました。院内には将来を見据えて、2つ目の診察室も用意してあります。今は健康診断の視力・聴力測定に使っていますが、息子が来たら一緒に診療してもいいかなと。ただ、まだ開業して1ヵ月。地域の皆さんに必要とされるクリニックになれるよう頑張ります。

地域の方々へメッセージをお願いします。

松原徹夫院長 まつばら循環器クリニック6

循環器内科と聞いてもピンとこない方も多いと思います。動悸がする、息切れがする、そんな症状でも構いません。20代、30代の若い女性も来院されています。男性なら40代でもコレステロールが高い方は要注意です。女性は閉経前なら、血液検査で異常がなければそれほど心配いりません。大切なのは、症状がなくても予防すること。CTを使った精密検査で、あなたの血管の状態を「見える化」します。数字ではなく、実際の状態を見て、一緒に健康管理を考えていきましょう。まずは気軽にご相談ください。

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