武井 新吾 院長の独自取材記事
ほしいろ歯科こども歯科クリニック
(尼崎市/立花駅)
最終更新日:2025/08/05

尼崎市立立花南小学校のすぐ北側、住宅街の角地に立つ「ほしいろ歯科こども歯科クリニック」。カフェのような優しい雰囲気の院内は、6歳と4歳の男の子の父親でもある武井新吾院長が、自身の子育て経験から「歯科医師としてお母さんと子どもの力になりたい」という想いで設計した。愛知県を中心に歯科口腔外科で豊富な手術経験を積んできた武井院長は、大人になってからの外科手術の大変さを目の当たりにし、予防歯科と小児矯正の重要性を痛感。保育士資格を持つスタッフによる託児サービスや、家族そろって診察できるファミリールームなど、子育て世代の負担を軽減する工夫を随所に施している。院名「ほしいろ」に込めた想いや、母親のストレスを減らし気軽に通える環境づくりについて、武井院長に話を聞いた。
(取材日2025年7月15日)
子育て経験から生まれた母親目線のクリニック
開業にあたって、どのような想いがあったのでしょうか?

私自身、6歳と4歳の男の子の父親として子育てをする中で、妻を見ていて母親の大変さがよくわかりました。子どもを歯科医院に連れて行くにも条件があって、何事も子どもと一緒にするのは本当に労力がいることなんです。でも口の中をほったらかしにしておくのも良くないですから、できるだけお母さんの負担を減らし、ストレスなく定期的に通えるような環境をつくりたいと考えました。そうすることで地域の子どもたちの口腔の健康を守り、地域に貢献できるのではないかと。自分が家族を持ってから、より強く感じるようになったことが、「こども歯科」という名前をつけた理由でもあります。車でお越しいただけるよう駐車場つきの物件を神戸から大阪にかけて探していたところ、この土地の視認性の良さと駐車場9台分という条件に巡り合えました。
「ほしいろ」という院名に込められた想いを教えてください。
「ほしいろ」は造語なんです。イメージとしては夕暮れ時にうっすらと輝く星のような感じで。星にはいろんな光り方、色がありますよね、地域にはいろんな個性を持ったお子さんがいらっしゃると思うので、そういったさまざまなお子さんを私たちが診ていけたらなという思いで「ほしいろ」という名前にしました。実はこの場所、昨年5月まで小児科さんがあったところなんです。小児科の跡地ということもあって、この地域にはお子さんが多いんだなと。裏手には立花南小学校もありますし、少し北に行くとまた別の小学校もあります。住宅街でファミリー層が多い地域なので、地域の子どもたちの成長を見守っていけたらと思っています。
院内の設計で特にこだわった点はありますか?

設計にあたっては、お子さんを連れてこられるお母さんの目線でつくることを重視しました。妻の意見も取り入れながら、子育て中の女性が過ごしやすい空間を、女性設計士の方に設計していただきました。おしゃれなカフェのような雰囲気で、来られるお母さんが心地良く過ごせる空間になったと思います。もちろん子どもの安全性も考慮して、車いすやベビーカーでもスムーズに通れるようにしています。完全個室の診療室を3つ用意し、そのうち2つはファミリールームとして、家族そろって診察を受けられるようにしました。親子トイレやおむつ替え用のベッド、チェアも完備しています。
予防歯科と小児矯正で子どもの将来を守る
予防歯科に力を入れている理由を教えてください。

歯は一度削ってしまうと、どんどん寿命が近づいてきます。歯周病も症状なく進行していく病気なので、症状がなくても定期的な歯科医院でのクリーニングが重要なんです。極力自分の歯で長く食べられるのが一番じゃないかと考えています。そのためには小さいうちから歯科医院に通う習慣をつけることが大切で、実際に1歳2歳のお子さんも来られています。それには虫歯予防だけでなく、歯科医院に慣れてもらう、口の中を触られることに慣れてもらうという意味もあります。物心ついた時にはちゃんとクリーニングや歯磨きができるお子さんになっていくと思いますし、人生100年時代、歯が大切になってくるので、小さいうちからの習慣づけが重要だと考えています。
先生は歯科口腔外科の経験を多く積んでこられていますが、それが小児歯科にどのように生かされていますか?
愛知県を中心に歯科口腔外科で親知らずの抜歯や口腔がんなどの手術を多く経験してきました。その中で、大人になってから骨格的に食べづらいという方の外科手術も診てきたんです。顎の骨を切って形を整えるための大がかりな手術です。でもこれが、もし発育段階の6歳から10歳の間に適切な矯正ができれば、将来こういった手術を回避できる可能性も生まれますし、ご本人の負担も少なく済みます。小児矯正は顎の成長の力を使い、良い位置や大きさになるようコントロールを図っていく方法です。矯正をするしないに関わらず、この年齢でしかできないことがあるという情報を「知らなかった」ということにならないように、必要な方にはきちんとお伝えするようにしています。
カウンセリングではどのような工夫をされていますか?

初診では最初の10分で、なぜ予防型歯科が大切なのか、私たちの想いを説明させていただきます。いきなり何もわからず治療を受けて「次回3ヵ月後に来て」と言われるよりも、なぜ通う必要があるのか納得していただいてから来てもらったほうが、日々の歯磨きへの意欲も変わってきます。検査の後、終わりの10分でしっかり患者さんのお話を伺い、何を求めていらっしゃるか、その方に合った治療法をご提案します。また、診察券アプリで口腔内の写真をご家族で共有できるシステムも導入しました。例えば土曜日にお父さんがお子さんを連れてきて、お家に帰ってからお母さんに画像を見せて相談できる。家族みんなで口腔内の状況がわかるようにしています。
地域の子育て世代を支える充実のサポート体制
託児サービスについても教えてください。

受付スタッフ2人が保育士の資格を持っていて、事前予約制で託児サービスの対応をしています。お母さんが一人で治療を受けたいという時に、「こども待合室」でお子さんをお預かりして、けがをしないように見守らせていただきます。その間、お母さんは一人でゆっくり治療を受けていただけるんです。なるべくお母さんに負担なく歯科医院へお子さんを連れて来ていただけるよう考えた結果です。また、土曜日などはお父さんがお子さんを何人か連れてこられて、家族3人、4人で一緒に予約される方もいます。順番に診察室を回りながら診ることで、何回も通院する負担を減らせます。
妊婦さんも来院されているとお聞きしました。
はい。当院には妊婦さんも多く来院されています。妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周炎になりやすいんです。ですが、症状が出てからだと妊娠中はお薬も使いにくいので、そうならないように、事前の予防として体調の良い時に来ていただいてクリーニングなどのケアをお勧めしています。
今後の展望をお聞かせください。

まずはお子さんに来ていただいて、その次はお母さん、ゆくゆくはおじいちゃん、おばあちゃんまで、地域の幅広い世代の方に対応できたらと考えています。また、地域の保健医療にも貢献していきたいです。将来的には学校医なども担当していきたいですし、児童館や公民館で地域のお母さん向けの歯科講習会なども実施できたらと思っています。小さい歯が生え始めた頃から通っていただければ、お口の中のトラブルも少なくなっていきます。当院では、お子さんが怖がらないよう、診療室は広いスペースにおもちゃも置いて、治療だけが怖いところじゃないという印象を持ってもらえるような工夫をしています。初めは遊んで帰ってもらって「またあそこに行きたいな」と思ってもらえればうれしいです。まずはきっかけとして、雰囲気だけでもぜひ味わいに来てください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/48万円~