佐藤 淳 院長の独自取材記事
新小岩たつみばし歯科
(葛飾区/新小岩駅)
最終更新日:2025/08/01

新小岩駅から徒歩3分、白と木目を基調としたやわらかな雰囲気が印象的な「新小岩たつみばし歯科」。2025年6月、佐藤淳院長が祖父と父が営んでいた歯科医院の跡地に開業した。新小岩で生まれ育ち、「この町のかかりつけ医になりたい」と語る佐藤院長。父の時代から通う患者も多く、代替わりを温かく迎えられているという。歯周病治療に精通する一方、「予防としてのインプラント」という独自の視点で治療にあたる。インプラントが他の歯を守ることにつながるという考えから、長期的な口腔健康を見据えた診療を展開。「理想の歯科医療は治療しないこと」と語る佐藤院長に、地域への想い、予防歯科にかける思い、インプラント治療の真の価値について聞いた。
(取材日2025年7月17日)
なじみある新小岩で家族の歴史を継承し開業
新小岩という地で開業された経緯を教えてください。

私は新小岩で生まれ育ちました。祖父がこの場所で歯科医院を開業し、その後父も一緒に診療していたんです。十数年前にビルに建て替わり、父が4階で診療を続けていましたが、今年2月に引退。ほとんど間を空けることなく、6月に私が同じ場所で開業しました。小さい頃から歯科医院が身近にあり、祖父や父の働く姿を見て育ったので、自然と歯科医師をめざすようになりました。新小岩は下町の優しい雰囲気があり、親しみやすいおじいちゃんおばあちゃんが多い街。そんな生まれ育った街で、地域の方々の健康を支えたいという思いが強くありました。「街のかかりつけ医になりたい」という気持ちで、この場所での開業を決めました。
父の時代から通っている患者さんも多いそうですね。
はい。父の時代から通ってくださっている患者さんにも多く来院していただいております。代替わりという形で温かく迎えていただき、本当にありがたく思っています。中には祖父が開業した一軒家の歯科医院の頃から知っている方もいらっしゃって、何十年という長いお付き合いになります。開業してまだ間もないですが、「息子さんが継いでくれて安心した」という声をかけていただくこともあります。祖父も父も信頼されていたんだなと改めて感じていますし、その信頼を引き継ぎながら、さらに発展させていきたいという責任も感じています。長年通ってくださる患者さんとの継続的な関係は、私にとって大きな財産であり、モチベーションにもなっています。
院内のデザインにはどのようなこだわりがありますか?

歯科医院というと怖いイメージを持つ方が多いので、なるべくやわらかい雰囲気にしたいと考えました。白と木目を基調にしたナチュラルなデザインで、緊張を和らげる空間づくりを心がけています。以前は「昭和の歯科医院」という感じの、いかにも病院らしい雰囲気だったんですが、全面的に改装しました。ユニットも2台から3台に増やし、将来的には5台まで増設できる設計にしています。特にこだわったのは、インプラント手術用の個室オペ室の設置。プライバシーに配慮した環境で、落ち着いて治療を受けていただけるようになりました。バリアフリー設計は以前から継承し、車いすやベビーカーでも安心して通院できる環境を整えています。
予防としてのインプラントという考え方
「予防としてのインプラント」とはどのような考え方ですか?

多くの方はインプラントと予防を反対のものと捉えられていますが、私は違うと思っています。例えば、ブリッジだと両隣の健康な歯を削る必要がありますし、入れ歯だと噛む力が天然歯よりも低くなります。そのため入れ歯ではない歯ばかりで噛むようになると、今度はその歯に負担がかかるということもあります。その点、インプラントは他の欠損した場所に単独で埋め込むため、周りの歯に負担をかけることが少なく、天然歯に近い噛み心地ちをめざせます。左右均等に奥歯で噛める環境を整えられれば、結果的に他の歯への負担軽減にもつながります。歯への負担を軽減させることで他の歯を守ることにもつながる、これが私の考える「予防としてのインプラント」なんです。
インプラント材料にもこだわりがあるそうですね。
私が信頼のおけるメーカ―のインプラントのみ使用しています。インプラントメーカーは世界に200社以上ありますが、メーカーによってさまざまなので、その中でも世界的シェアが高く、長期的なエビデンスが豊富にあるメーカーを選びました。削った歯は元には戻りませんし、セメントで付けたとしても劣化して隙間ができ、細菌が入り込んでしまいます。だからこそ、なるべく削らない治療を心がけ、どうしても必要な場合は信頼性の高い材料を使う。それが患者さんの将来を考えた選択だと思っています。
予防歯科についてはどのような取り組みをされていますか?

理想は3〜4ヵ月に1回の定期健診とクリーニングです。これにはエビデンスがあって、歯磨きが上手な方でも3ヵ月たつと口腔内細菌が増えるというデータがあるんです。クリーニングで細菌数を落とし、また徐々に増えてきたところで再びクリーニングする。この繰り返しで、虫歯や歯周病の閾値を超えないように管理していきます。歯科衛生士は担当制にして、患者さん一人ひとりの口腔内の状態を継続的に把握できるようにしています。また、歯磨き指導も必ず行うよう歯科衛生士に伝えています。普段の歯磨きが最も大事ですから、その方に合った器具を選び、使い方を丁寧に説明することを心がけています。
理想の歯科医療をめざし街のかかりつけ医に
先生にとって理想の歯科医療とは何でしょうか?

正直に言うと、手を加えないこと、治療しないことが理想です。歯は削れば削るほど寿命が短くなりますから、なるべく私が手を加えずに、定期健診とクリーニングだけでずっと見ていけるのが一番いいなと。初診の際は必ず「今後歯に困ってほしくない」という思いを伝え、予防の大切さを説明します。歯科恐怖症の方も多いので、最初から重い処置はせず、まずはクリーニングなど簡単な処置から始めて、歯医者に慣れていただくようにしています。CTやスキャンのデータを使って、視覚的にわかりやすく説明することも心がけています。患者さんが何を求めているのかを感じ取り、わかりやすく説明することが大切だと思っています。
今後どのようなクリニックをめざしていきますか?
街のかかりつけ医として、「ここに行っていれば大丈夫」と思ってもらえる存在になりたいですね。祖父と父が築いてきた信頼を引き継ぎながら、さらに発展させていきたい。将来的には歯科衛生士を増員して、より多くの方の定期健診に対応できる体制を整える予定です。私は検診の数を増やしたいんです。治療ではなく、予防で通ってくださる患者さんを増やしていきたい。高齢の方も多いので、全身疾患にも配慮しながら、例えば骨粗しょう症の薬を飲んでいる方は整形外科の先生と連携を取るなど、安全性にも配慮した治療を心がけています。地域に住む方々が、生涯を通じて健康な歯を維持できるよう支援していきたいと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

歯のことで困ったら、気軽に相談していただければと思います。何かしら解決策を一緒に考えていきたいですね。インプラント以外でも、費用面で入れ歯を選択される方もいらっしゃいます。その場合も、どうすれば次に悪くならないようにできるか、患者さんと一緒に考えていきます。私たちは明るく元気なスタッフとともに、皆さんをお待ちしています。リラックスして通っていただける雰囲気づくりを心がけています。新小岩という街で、皆さんの「歯の健康を守る伴走者」として、長くお付き合いさせていただければ幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~