西橋 純 院長の独自取材記事
日野にしばし歯科
(日野市/日野駅)
最終更新日:2025/09/05

日野駅から徒歩2分の「日野にしばし歯科」は、2025年6月に開業したばかりの新しい歯科医院だ。木目調の温かな内装が印象的な院内で迎えてくれたのは、西橋純院長。「歯科医院の白い空間に恐怖心を感じる人も多いようなので、木目調でおしゃれな雰囲気にしました」と語る西橋院長は、立川にある災害医療センターの口腔外科での経験を持ちながら、歯を残す治療にもこだわる。保育士常勤のキッズルームを設置という環境は、ファミリー層の多い日野市の地域性を踏まえた配慮だ。「虫歯になる前に来たほうがいい」という予防重視の考えや、患者ファーストを貫く診療姿勢について話を聞いた。
(取材日2025年8月12日)
木目調の癒やし空間に込めた開業への想い
日野市で開業されたきっかけを教えてください。

実家が小金井市にあり、立川の災害医療センターや八王子の歯科医院で働いていたこともあって、西東京エリアにはなじみがありました。開業するならこのエリアでと考えていたところ、日野駅前の新築ビルにテナント募集があったんです。駅から徒歩2分という立地の良さも魅力的でした。実際に開業してみると、家族ぐるみで通ってくださる方が多い印象ですね。旦那さんが来院されて、次に奥さん、そしてお子さんという具合に、家族の紹介で広がっていくケースが多いです。会社帰りにも立ち寄りやすい立地なので、働く世代の方にも便利に使っていただけていると思います。
内装へのこだわりが印象的ですが、どんな想いが込められていますか?
歯科医院の白い空間に恐怖心を感じる方は多いんですよね。そのため、できるだけ白をなくしたくて、壁もクリーム色にしたり、本物の木を使うなどして、温かみのある雰囲気づくりにこだわりました。例えば、受付横のカウンセリングテーブルには、名古屋から取り寄せた古材を使用していたり、観葉植物は自宅で育てている約50種類の中から厳選し、配置しています。「歯科医院らしくない」と言われることが多いのですが、それも私たちの工夫の一つです。実際に「歯科医院っぽくないから来やすい」とおっしゃる患者さんも多く、中には、長い間歯科医院から足が遠のいていた方が来てくださることもあります。インテリアショップのような雰囲気で、治療を受ける際もできるだけ歯科医院特有の緊張感を感じさせない環境づくりを心がけています。
口腔外科と歯周病、両方の専門性をお持ちなのですね。

災害医療センターでは口腔外科を専門にしており、親知らずの抜歯など外科的な処置を多く経験しました。ただ一方で、患者さんの歯をできるだけ残したいという思いも常に抱いていました。そのため、歯科医師になってからは、歯周病専門の学習施設にも通い、歯周病について体系的に学びました。口腔外科を専門としながら歯を残すことにこだわるのは、少し意外に思われるかもしれません。ですが、「なるべく自分たちができることをきちんと行いたい」という思いがあります。外科では親知らずの抜歯やインプラント治療に対応できますし、歯周病の知識があれば歯を残すための治療も可能です。それでも難しい場合には、歯の移植という選択肢を提案することもできます。患者さんに幅広い選択肢を提供できることを大切にしています。
予防重視の診療と専門性の生かし方
予防歯科への取り組みについて教えてください。

「虫歯になってからではなく、その前に来ていただきたい」というのが私の考えです。1〜2歳くらいから検診をして、歯科医院に通う習慣をつけてもらえたらうれしいですね。小さい頃から歯科医院に慣れていれば、将来的に恐怖心を持たずに通えるようになると思います。定期検診は3ヵ月に1回を推奨していて、歯石がつきやすいと言われる2〜3ヵ月の間隔でクリーニングすることで、口腔内を清潔に保てます。クリーニングには超音波ではなくエアフローというパウダータイプの機器を導入しています。予防は習慣化が何より大切だと考えています。
口腔外科の専門性を生かした治療について聞かせてください。
親知らずの抜歯については、CTで神経の位置を確認しながら丁寧に行っています。近隣の歯科医院からも親知らず抜歯のご紹介をいただき、処置後は元の歯科医院にお返しするといった連携も行っています。また、保険適用で歯の移植も行っています。治療が難しくなった歯を抜いて、親知らずで移植を図る治療です。その他、インプラント治療にも対応しています。当院では、自費診療を無理にお勧めすることはせず、保険でできることは保険で対応することを基本としています。専門性を生かしながら、患者さんにとって何が必要かを第一に考え、状況に合わせて選択肢を提案することを心がけています。
診療において大切にしていることは何ですか?

「患者さん第一」という理念を大切にしています。初診の際は60分ほど時間を確保し、患者さんのお話を丁寧に伺いながら、私たちの診療方針についてもご理解いただけるよう努めています。治療中は一眼レフカメラで写真を撮るのですが、そちらをご覧いただきながら、状態を細かくご説明したり、カウンセリングルームでタブレット端末を使うなどして、見えにくい部分を視覚的にお伝えすることでご納得いただけるようにしています。説明の時間をしっかり取ることも大切にしており、ご相談だけでお越しいただくのも歓迎しています。こうした取り組みの背景には、「予防の大切さを理解し、ともに取り組んでくださる方に来ていただきたい」という思いがあります。
家族全員が通いやすい環境づくり
保育士常勤というのは珍しいのではないでしょうか。

開院当初から、保育士が常勤でいてくれることで、お子さんも保護者の方も通いやすい環境にしたいなと思っていたんです。受付横にはキッズルームを作って、子ども専用の空間にしました。初診のお子さんは、まずここで遊んでから診療室に入ってもらいます。白い空間がないので、まるで迷路のような感覚になり、それも楽しく入ってもらう工夫の一つです。お母さんが治療中は託児もできます。診療室とキッズルームをあえて離して配置することで、お母さんも治療に集中できる環境にしています。また、お子さんの治療時には、成長の記録として将来アルバムのような思い出になればと思い、保育記録ノートも作っています。
スタッフ体制やチーム医療への取り組みは?
歯科衛生士は常勤2人とパート2人の体制で、月1回歯周病を専門としている歯科衛生士の方にも来てもらっています。症例を一緒に診るだけでなく、歯科衛生士同士で指導し合える環境を作りたいと思っていて……。歯科医師と歯科衛生士では立場が違うので、歯科衛生士同士の方が話しやすいこともあると考えています。将来的には、歯周病を専門的に学びたいというスタッフが出てきた時に、アドバイスできる人がいる環境が大切だなと感じています。矯正に関しては矯正を専門とする先生を呼んでいますし、今後は麻酔科や入れ歯専門の先生など、専門性を持った歯科医師を増やしていきたいですね。チーム全体で患者さんをサポートできる体制をめざしており、一人ひとりの専門性を生かすことが重要だと思っています。
地域の歯科医療に対する想いをお聞かせください。

日野の皆さんに、歯の健康の大切さを伝えていきたいと思っています。単に治療するだけでなく、将来を見据えた人生設計のサポートもしていきたいですね。3ヵ月に1回の定期検診を通じて、歯科医院に通う習慣を地域全体に根づかせたいと考えています。開業して数ヵ月ですが、すでに家族ぐるみで通ってくださる方も増えてきました。「通いやすいクリニックにしたい」という思いで始めましたが、これからも患者さんに「また来たい」と思ってもらえるように邁進していきます。地域の皆さんの歯の健康を守る、身近で頼れる存在になれたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万円~、エアフロー/4400円、歯列矯正/93万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。