なかなか治らない副鼻腔炎
慢性化の原因や治療法を医師が解説
神田駅前もんでん耳鼻咽喉科
(千代田区/神田駅)
最終更新日:2025/10/30
- 保険診療
鼻の奥に鼻水や膿がたまってしまう副鼻腔炎は、発症を繰り返す人も多い身近な病気だ。大人の場合、症状が3ヵ月以上続く慢性副鼻腔炎であることも多く、黄色い鼻水が出たり、喉の奥に鼻水が流れて咳き込んだり、頭痛を訴えたりする人も。「神田駅前もんでん耳鼻咽喉科」の門田哲弥院長によると、副鼻腔炎と喘息には深いつながりがあり、喘息を患っている人の副鼻腔炎は治療が難しいとのこと。ただ、できるだけ発症を繰り返さないための予防策もあり、その第一歩は、耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受けること、そして自分の体質を知るということだという。今回は門田院長に、好酸球性副鼻腔炎を含めた副鼻腔炎の特徴や、治りづらいといわれる原因、繰り返さないためにできることなど、さまざまな情報を教えてもらった。
(取材日2025年10月2日)
目次
規則正しい生活習慣も重要。副鼻腔炎を繰り返さないために、まずは耳鼻咽喉科で適切な検査と治療を
- Q副鼻腔炎にもいくつか種類があるのですね。
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A
▲味覚障害も副鼻腔炎の症状の一つ。放置せず早めに受診しよう
副鼻腔炎には急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎の3つがあります。まず急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎ですが、黄色い鼻水や、喉の奥に鼻水が流れることによる咳込み、頭痛、味覚障害などの症状が現れます。どちらも抗生物質で治療を行い、急性副鼻腔炎は1週間ほど、慢性副鼻腔炎は2~3ヵ月ほど服用し、症状の改善をめざします。一方で好酸球性副鼻腔炎は、ベトベトとしたスライム状の鼻水が出たり、鼻の中に鼻茸と呼ばれるポリープができたりするのが特徴です。抗生物質での治療は難しく、手術や定期的なフォローアップが必要であるため、国の指定難病となっています。
- Q副鼻腔炎が治りづらいといわれるのはなぜですか?
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A
▲副鼻腔炎を繰り返すことで治りにくくなることもあるという
例えば、一生のうちに何度もかかる風邪のようなものだと思えば理解しやすいかもしれません。副鼻腔炎になる要因は多様で、ダニや花粉などのアレルゲン、カビ、また歯根から副鼻腔に入り込んだ菌によるものもあるのです。また、副鼻腔炎を繰り返すと鼻の中の粘膜が正常な状態に戻りにくくなります。それによって鼻の中の繊毛運動も低下し、鼻水などの分泌物を外に運ぶ機能が弱まるために治療に時間がかかってしまうのです。特に喘息と副鼻腔炎は関係性が強く、喘息による鼻水や鼻詰まりによって副鼻腔炎を繰り返してしまうこともあれば、副鼻腔炎による鼻水によって喘息の咳症状が悪化してしまうこともあるので、注意が必要です。
- Q副鼻腔炎は、どのようなタイミングで受診すべきですか?
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A
▲副鼻腔炎に似た症状でも、別の病気が隠れていることも
副鼻腔炎を放置すると、頭痛や嗅覚障害、頬の周りの痛み、目の周りの重苦しさといった症状が悪化していき、集中力や睡眠の質の低下、食欲不振などにつながります。副鼻腔炎自体が命を脅かすことはありませんが、まれに目や脳に膿が進んでしまうこともあるので放置は危険です。黄色い鼻水が出る、匂いがしづらくなったなどの自覚症状が続くのであれば、遅くとも1~2週間のうちに耳鼻咽喉科を受診しましょう。また、患者さん自身が慢性副鼻腔炎だと思い込んでいたら、好酸球性副鼻腔炎や腫瘍などほかの病気が原因だったというパターンもあり、これはCTや内視鏡で検査をしなくてはわかりません。
- Qこちらでの副鼻腔炎の検査・治療の特徴を教えてください。
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A
▲痛みや不快感の少ない機器で、副鼻腔炎の原因を丁寧に調べる
当院では被ばく量の少ない耳鼻咽喉科用CTや、鼻と喉の状態を確認できる細い内視鏡を備え、副鼻腔炎などの診断をその日のうちに行える環境を整えています。耳鼻咽喉科用CTも内視鏡も、お子さんも受けやすいように体への負担の少ない機器を導入していますのでご安心ください。もし好酸球性副鼻腔炎だった場合、当院では日帰りでの鼻茸の検査や、手術後の再発を防ぐための生物学的製剤の注射治療が可能です。副鼻腔炎と喘息には関連性があり、特に好酸球性副鼻腔炎ではその傾向が強まります。そのため、呼吸器内科の先生と連携して治療を進めることもありますね。
- Q副鼻腔炎を繰り返さないためにできる予防策はありますか?
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A
▲耳鼻咽喉科用CTと内視鏡を完備。スムーズな診断が可能
発症要因を減らすことが再発リスクの低減につながります。その第一歩は、耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受け、ご自身の体質を知るということ。アレルギーがあるのならばそのコントロールを欠かさず、喘息のある方は、定期的に耳鼻咽喉科や呼吸器内科で検診を受けましょう。十分な睡眠に加えて、食品添加物は喘息の誘発につながりますので、なるべく避け、栄養のある食事を心がけることも大切です。免疫力を高めるために、いびきや寝苦しさがあるようならば睡眠時無呼吸症候群の検査も受けてみてください。また、喫煙は厳禁です。お酒もほどほどに。毎日の鼻うがいを習慣にして、鼻水や膿を朝晩に洗い流してしまうのも良いですね。

