不安に寄り添う内視鏡検査で
大腸がんから身を守る一歩を
大久保メディカルクリニック
(印西市/千葉ニュータウン中央駅)
最終更新日:2025/07/15


- 保険診療
毎年、多くの日本人が命を落とす原因となっている大腸がん。特に女性は40代以降に罹患率が急上昇するので注意が必要だ。もし早期発見できれば治療につなげることができるがんでもある。だからこそ「症状や大腸がん検診異常があれば内視鏡検査を受けてください。ポリープができやすい方は、内視鏡検査を定期的に受けるようにしてください」と「大久保メディカルクリニック」院長の大久保知美先生は呼びかける。大久保院長は長年大学病院で診療にあたり、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格も持つ。「これまで内視鏡検査を受けたことがない人にも興味を持ってほしい」と、地域医療の前線で奮闘している。そもそもなぜ内視鏡検査が必要なのか。患者の不安や痛みを取り除くために同院が取り組んでいることは何か。併せて、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年6月28日)
目次
女性医師による痛みや恥ずかしさに配慮した内視鏡検査で、大腸がんの予防を
- Q大腸がんが気になりながら内視鏡検査を受けたことがありません。
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A
▲40歳を過ぎたら症状がなくても検査を受けてほしいと話す院長
大腸がんは内視鏡による早期発見で治療につなげられるがんだからこそ、検査を検討してみてはいかがでしょうか。大腸がんは日本人の死因ランキングでも常に上位で、特に女性では部位別がん死亡原因でもトップ。もし、40歳を過ぎて一度も大腸内視鏡検査を経験していない方で不安なことがあれば相談してほしいところです。基本的に大腸がんは、大腸腺腫というポリープが徐々に大きくなってがん化することで発生します。小さなポリープのうちならば、がん予防のために検査と同時に切除することも可能です。ただし、ポリープが再発しやすい方もいますし「一度、ポリープを取ればもう安心」というのは間違っています。
- Q一度だけではなく定期的な検査が必要なのですね。
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A
▲進行するまで気づきにくい。だからこそ定期的な内視鏡検査を
大腸がんには自覚症状がほとんどないので、早期発見のためには大腸内視鏡検査が欠かせません。結果に何も問題がなければ、次は5〜6年後に検査を受けるので構わないでしょう。がん化する前のポリープを切除した場合は、2〜3年後の検査が推奨されています。すでにがん化が見られたときは、治療後も必ず検査を受けるようにしてください。前述したように患者さんの状況によって適切なペースは異なりますが、必ず守っていただければと思います。大腸がんはある程度進行しないと出血や便秘などの明らかな症状は出ません。家族歴があるなど少しでも気になることがあるならば、早めに定期的な内視鏡検査を習慣化してはいかがでしょうか。
- Q便秘も大腸がんを知らせるサインの一つなのでしょうか。
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A
▲女性医師・女性看護師によるチームで内視鏡検査を行う
便秘に悩んでいる女性も少なくないと思いますが、大腸がんが原因となっている可能性もゼロではありません。「便に粘液や血液が混ざるようになった」「細い便ばかりが出る」といったことが急に続くようになったときは注意してください。一方、そのような特殊な症状が必ず出るとは限らず、一般的な便秘とそう変わらない場合もあります。もし、内視鏡検査の結果ただの便秘だったとしても、消化器内科ならより専門的な治療が可能です。便秘解消をめざすのに市販薬だけでは限界もあるので、内視鏡検査をきっかけに医師の指導による服薬や生活改善を始めるのも良いでしょう。
- Q内視鏡検査を受けたいとは思いますが、勇気が出ません……。
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A
▲痛みや負担を減らすため、安心して検査できる環境を整えている
特に若い女性にとって内視鏡検査はハードルが高いと思います。実際、女性医師を希望する女性も多いのですが、当院ではすべての検査を私が担当しているのでご安心ください。患者さんの不安と苦痛はできるだけ取り除くのがモットーで、痛みが出やすい方には鎮静剤も使用可能です。下剤も飲みやすいタイプのものを用意いたしました。下剤は自宅で服用し、慣れたトイレを使っていただくようにしています。検査中は、患者さんの検査中の様子に配慮しながら適宜声かけをし、なるべくリラックスして検査を受けられるように配慮しています。必ず女性看護師もサポートに入り、検査がスムーズに進むように体位を変えるなどしています。
- Q内視鏡検査の流れを教えていただけますか。
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A
▲検査後はストレッチャーに乗ったままリカバリールームへ
まず事前診察を行い、必要と判断される場合内視鏡検査に進みます。検査前日は消化に良い食事か検査食で過ごすようにしてください。当院では昼12時頃から大腸の内視鏡検査を開始するので、朝の7時頃から自宅で下剤服用を開始。受付は検査10分前までに済ませ、検査着に着替えます。患者さんの基礎疾患を確認して、大腸の動きを抑えるためのお薬を投与。必要に応じて鎮痛剤も使用します。検査所要時間は約15分、ポリープを切除した場合でもだいたい40分以内です。鎮静剤を使った場合はストレッチャーのまま半個室のリカバリールームに移動。血圧、心拍数などに問題がないことを確認し、着替えてから診察室で結果説明をします。