足立 浩幸 院長の独自取材記事
城東鶴見腎・泌尿器科クリニック
(大阪市城東区/今福鶴見駅)
最終更新日:2025/07/15

2025年6月に開業した「城東鶴見腎・泌尿器科クリニック」は、大阪メトロ長堀鶴見緑地線・今福鶴見駅2番出口からすぐ。「鶴見3」交差点の南西角に立つ医療ビル2階のクリニックには、エレベーターでスムーズにアクセスできる。優しい印象の木目を基調にした院内はゆったりとした造りで、バリアフリー設計が採用されているので、足腰に自信がない人や車いすの人も快適に受診できる。院長の足立浩幸先生は、各地の病院で泌尿器科、人工透析、総合内科、救急科の領域の診療経験を積んだ後、「地域に恩返しをしたい」という思いから同院を開業した。生活の質を低下させる疾患をメインに泌尿生殖器癌まで、丁寧な対応、専門性の高い診療の提供をめざしている。足立先生に同院の診療姿勢や力を入れている診療などについて話を聞いた。
(取材日2025年6月20日)
患者が悩みを話しやすい雰囲気づくりを心がける
先生が医師を志したきっかけを教えてください。

5歳の時に父が病に倒れて、それ以降は寝たきりになってしまったんです。父の世話をしながら僕たち兄弟を育ててくれる母の苦労する姿を見て、これ以上こんな思いをする人をつくりたくないと考えたのが、医師をめざしたそもそもの始まりです。高校生の時に親族が首にカテーテルを入れて週3回の透析療法を受けている姿を見ました。水分の制限や食事の制限をしながら、つらいからもうやめたい、といつも苦しんでいる姿を見ていたので、腎臓や泌尿器科の疾患に興味があり、腎臓病や泌尿器疾患に対してしっかりとした治療を提供したいという思いがあったので、泌尿器科に進みました。
開業までのご経歴を教えてください。
母校で2年間の研修を受け、大学院の1年目からは東京の癌研究会癌研究所の実験病理部で、遺伝性腎がんモデルを用いて発がん機序の解明をテーマに研究に取り組みました。その後、母校に戻って泌尿器科医として勤務し、埼玉県の病院では腎移植や泌尿器科疾患のみならず、外科の先生とも一緒に手術をさせていただきました。奈良の病院では透析療法や慢性腎臓病患者さんの管理について多くを学べ、泌尿器科の医師としてとても良い経験になったと思います。さらに、慢性腎臓病患者さんを診療するために、内科的な疾患を学びたいと考えて総合内科の医師としても勤務しました。また、さまざまな症状を抱えて来院される患者さんを診断する力を養うために救急診療も経験しました。
勤務医として充実した日々の中で開業を決意されたのはなぜですか?

母が病気になり、地元の地域の方々に本当にお世話になったんです。それで、地域の方々に恩返しをしたいという思いがあり、地元に近い現在の場所で開業することを決意しました。院内はバリアフリー設計にして、患者さんにわかりやすいように、またあまり移動しなくて済むように動線を考えて設計しました。患者さんの動線とスタッフの動線をしっかりと分けることで、患者さんのプライバシーを保護できるようにいたしました。設備では、尿流量測定ができるトイレ、膀胱鏡と呼ばれる泌尿器用の内視鏡などを導入しています。
どのような患者さんが来られているのか教えてください。また、診察の際に心がけていることはありますか?
現在は20歳代から40歳代の患者さんが中心で、膀胱炎や性感染症などの訴えが多いですね。一般的な泌尿器科の患者さんの年齢層としては若いという印象ですが、少しずつ尿のことでお困りの患者さんも増えてきています。また、患者さんと接する際には、「はい、いいえ」でお答えいただく質問をするのではなく、患者さんにご自身のつらい気持ちやお悩みをできるだけお話ししていただけるように心がけています。また患者さんは、それぞれつらい思いを抱えて来院されるので、スタッフにも患者さんのお話をきちんと聞くこと、目を見てお話しすることをお願いしています。
生活の質を低下させる疾患の治療に力を入れる
特に注力している診療について教えてください。

地域のクリニックとして、排尿障害や尿失禁など生活の質を低下させるような疾患にしっかりと対応することが大切だと考えています。尿漏れや頻尿が心配で、外出できない、旅行にも行けないと困っておられる方が多く、そうした方々が気軽に外出でき、お友達などと遊びに行ったり旅行に行けるようになっていただきたいと思っています。診療の際は、まずは問診票に基づいてお話を聞き、原因を調べるために尿検査やエコーを用いた診察を行い、その結果をお伝えした上で治療法の選択肢を提示しています。患者さんと相談しながら、最終的には患者さんに治療法を選んでいただきたいと思っています。
どのような治療法があるのですか?
生活習慣の改善や薬物療法、手術療法が一般的な治療法です。生活習慣の改善のお話をさせていただき、まずはお薬を開始することを提案させていただくことが多いです。お薬の服用に抵抗がある患者さんもおられるので、当院では漢方薬も積極的に取り入れています。一方で、できればお薬を飲みたくない、手術を受けるのは怖いという患者さんのご相談も受けつけています。患者さんそれぞれに合わせた治療法の提案を心がけているので、お気軽にご相談ください。
膀胱鏡はどのような診療に使うのですか?

膀胱鏡は膀胱の内部を直接観察できる装置です。血尿が出たという患者さんの膀胱にがんがないか調べたり、特殊な膀胱炎や尿管の形態異常を診療する際などに使用しております。かつては金属製の内視鏡であったため痛みを伴いましたが、現在の内視鏡は細く、やわらかい上、麻酔を行うので、検査時の痛みが不安という方でも安心して受けていただけると思います。
今後、注力したい診療はありますか?
男性の更年期障害ですね。やる気が出ない、仕事に意欲が湧かない、イライラする、性機能が低下したと悩んでおられる働き盛りの方が増えていますが、年齢のせいだと諦めている方や、男性には更年期障害はないと考えている方が少なくありません。そうした方々に検査をして、男性ホルモンを補充することで症状が改善し、元気になっていただける方がいらっしゃいます。こうした治療を提供することは、地域のクリニックの役割だと思いますし、元気がなくなってしまった方のお役に立てればと。この疾患には精巣が関わっており、またホルモンを補充すると前立腺に悪影響を与えることもあるので、問題が起こっていないかチェックしながら治療を提供できるのは泌尿器科の特徴です。
働き盛りも受診しやすいよう土日も診療
土日にも診療しておられますね。

休日に発熱してつらいけど受診する病院が見つからずに困っている、という方を助けてあげたいという思いから、土曜日は午前、午後、日曜日は午前の診療を行っています。また、休日でないと受診できないという働き盛りの方も多く、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病にもしっかり対応しています。腎臓の機能が低下する主な原因は、こうした生活習慣病ですので。さらに、土日に診療行っているもう一つの理由が、性感染症への対応です。パートナーの方への感染を防ぐためには、異常を感じた時点ですぐに診療を受けていただくことが大切です。
患者さんとの思い出深いエピソードがあれば教えてください。
研修医時代に、末期がんの患者さんのリハビリテーションを一緒に行った経験があります。臓器の摘出手術を受け、1ヵ月以上集中治療室に入院されたのですが、生きる気力をなくしておられました。しかしリハビリテーションを続けるうちに、自宅に戻りたいという思いが芽生えてきた姿は今でも鮮明に覚えています。最終的にはご本人の希望どおり自宅に戻ることができ、住み慣れた場所で最期を迎えられました。
お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのように過ごされますか?
トイプードルを飼っており、休日は一緒に散歩を楽しみます。歩くことは健康に良いですし、リフレッシュにもなります。
読者や地域の方にメッセージをお願いします。

地域のクリニックとして、日常生活に支障を来す疾患や、子孫にまで影響が及ぶ恐れがある性行為感染症などを中心に診療を提供しています。また、当院が地域の患者さんたちの憩いの場になればいいなと考えており、老人会などでの講演会なども模索しているところです。プライバシーにも配慮した快適に受診いただける環境を整え、一人ひとりの患者さんに丁寧な対応、「来て良かった」と思っていただける診療の提供を心がけております。困っていることがあるときはお気軽にご相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはED治療/1000円~、男性更年期障害治療/8000円~