安藤 洋平 院長の独自取材記事
椿ファミリー歯科診療所
(広島市中区/舟入幸町駅)
最終更新日:2025/07/02

舟入本町駅から徒歩圏内にある「椿ファミリー歯科診療所」。2025年4月に安藤洋平院長が開業した同診療所は、朝8時から診療を開始し、学校や仕事に行く前にも立ち寄りやすい。安藤院長は、2011年東京医科歯科大学を卒業後、倉敷中央病院などで歯科口腔外科やインプラント、有病者歯科治療に携わった経験を持つ。その中でも予防歯科に特に力点を置いてきたそうだ。「患者さんの話をしっかり聞き、治療に対する不安をなるべく和らげるために丁寧に伝えることを大切にしています」と話す安藤院長に、治療で大切にしていることや得意分野について話を聞いた。
(取材日2025年6月4日)
患者との丁寧な関わりを大切にした診療を提供する
開業までの経緯を教えてください。

高校生の頃に、医療系の仕事に携わりたいと思うようになったのがきっかけです。その後、友人などの影響もあって歯科医師を志すようになりました。どうせ学ぶなら先端の技術を学びたかったため、歯学部の中でもカリキュラムが魅力的だった東京医科歯科大学に入学しました。付属病院は患者数が非常に多いこともあって、実地で専門的な技術を学ぶことができ、とても勉強になりましたね。ゆくゆくは地元広島市で開業したいという思いがあり、卒業後は東京医科歯科大学に関連する病院の中で一番西に位置する倉敷中央病院で経験を積みました。「椿ファミリー歯科診療所」という名前には、ご家族皆さんで通っていただきたいという思いと、院長である私が責任を持って診療しますという思いを込めました。椿を診療所の名前に入れたのは、妻の実家に咲く椿がとてもきれいで、名前に取り入れたいと思ったからなんです。
開業にあたって、この場所を選ばれたきっかけを教えてください。
広島市内で生まれ育ちましたので、いずれは広島市内で開業したいと考えていました。開業となると、30年くらいは毎日同じ場所に通うことになるので、通いたいと思える街がいいなと思い、10軒くらい見て回りましたね。学生の頃は、舟入は通り過ぎる程度であまり知らなかったのですが、土地探しであらためて訪れたとき、電車通り沿いでとても明るい街だという印象を受けました。この辺りは新しく住まわれ始めた方もいますが、通りから一本奥に入れば古くからお住まいの方も大勢いらっしゃいます。平日の朝には、たくさんのボランティアの方々が子どもたちの通学路を見守られていて、非常に雰囲気の良い街だなと感じています。
患者さんと接する際に大切にされていることは何ですか。

当診療所では特に2つのことを大切にしています。1つ目は、患者さんにしっかりと説明を行うことです。治療を丁寧に行うことは当然のことですが、技術面ばかり追うのではなく気持ちの面でもサポートし、患者さんとの信頼関係の構築を大切にしています。2つ目は、待合室での待ち時間をできるだけ少なくすることです。何回通えば治療が終わるのかがわからなかったり、待合室でとても待たされたりといったことが、患者さんが歯科医院を受診するハードルになっているそうなんです。それは、治療中の痛みの心配よりも割合としては大きいのだとか。こういった点は、私たちの心がけで大部分を解消できるものだと思います。スタッフにも私の思いを共有し、患者さんの待ち時間が少なくなるようにそれぞれの立場で工夫してもらっています。
年齢に合わせた予防歯科に注力し、地域に貢献
朝8時からの診療や、予約方法も画期的ですね。

子育て世代のスタッフにも働きやすい診療所にしたかったため、朝は8時から夕方は17時までの診療としています。土曜日は1時間早い16時まで。患者さんにより良い診療をお届けするためには、スタッフが笑顔で働ける環境であることは大切です。開業してからは、仕事や学校に行く前に治療を受けたい方に好評で、早い時間から予約が埋まりやすいですね。また、日中の電話予約が難しい方にも配慮し、ウェブ予約やメッセージアプリケーションからの予約を取り入れました。隙間時間や仕事が終わったタイミングで予約したい場合などに、ぜひご活用いただきたいです。
専門の分野について教えてください。
東京医科歯科大学卒業後、その付属病院で研修医として総合的な歯科医療を学びました。その後、倉敷中央病院に移り、歯科口腔外科・インプラント・有病者歯科治療に携わってきました。この病院には長く勤めていたのですが、後半は、専門分野がガラッと変わり、予防歯科について取り組んできたんです。というのも、当時の院長が「これからは病気になる前の予防に力を入れていく」と打ち出し、私も院長の考え方に感銘を受けたからです。倉敷中央病院で予防医療部門を新設する際には、歯科も入れてほしいと直談判し、その後6年間予防歯科に注力してきました。当診療所では幅広く治療をさせていただきながら、特に予防歯科について取り組んでいます。気になることがありましたら、お気軽にご相談いただきたいですね。
診療所にはどのような患者さんが多いですか。

現在、当診療所にいらっしゃる患者さんは、近隣にお住まいの方が多いですね。この地域の方は、予防に対して意識の高い方が多いと感じています。一概に予防歯科といっても年齢によって必要なことは変わります。そのため、お子さんであればフッ素の塗布を、成人してからは歯周病予防のために定期的なメンテナンスをお勧めしています。妊娠中はホルモンバランスの変化により、お口のケアの頻度も増やしたほうがいいでしょう。高齢の方の場合には、なるべく歯を抜かないで済むようにご提案しています。「ファミリー歯科診療所」という名前のとおり、世代を越えて一緒に来ていただいて、ご家族皆さんをまるっと見守らせていただけるとたいへんうれしいですね。年を重ねるにつれてライフスタイルも変わっていきますので、その時その時に合わせた予防方法が大切です。
患者とスタッフが安心して通える診療所をめざす
診療所のロゴマークには、どのような思いが込められていますか。

せっかく作るのであれば特徴的なロゴマークにしたいと思って、ロゴマークのデザイナーではなく、アニメーションを仕事にしている友人に作ってもらいました。当診療所では予防歯科に力点を置いていますので、虫歯菌や歯周病菌から歯を守るヒーローをイメージしています。使い勝手は良くて、ホームページ上でも動きを出せるのでとても気に入っていますね。
今まで出会った患者さんで印象的な方はいらっしゃいますか。
倉敷中央病院で担当させていただいた患者さんの中で、総入れ歯の方がいらっしゃいました。健康意識の高い方で、ジムに通い水泳もされていたのですが、水泳中の息継ぎの際に入れ歯が外れてしまうのでなんとかならないかと相談を受けました。通常でしたら、無理と断ってしまうような相談かと思いますが、その方から丁寧にお話を聞き、ダイナミック印象という方法で息継ぎの際の口の動きや入れ歯が触れる位置などを捉え、改良を重ねました。数ヵ月と時間はかかりましたが、最終的には患者さんに納得していただけるものになり、喜んでいただけましたね。私もうれしかったですし、患者さんと一緒に治療を突き詰めていくことの大切さを感じることができました。すぐにできないと決めつけず、患者さんの話をしっかり聞き工夫していく姿勢は、今でも大切にしています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

当診療所で特に大切にしているのは、地域医療や地域社会への貢献と、スタッフの幸福実現です。地域の皆さんから家族単位で頼っていただけるような診療所をめざしています。スタッフについては、診療時間を働きやすい時間にするなどの取り組みで、今後も当診療所を選んでくれたスタッフが安心して働けるような場所でありたいと思います。私自身も子どもがいる一人の親として、子育て世代が働きやすい環境について、率先して考えていきたいですね。患者さんもスタッフも笑顔になることで、地域全体が少しでも明るくなるような診療所であり続けられるように、これからも一歩ずつ進化し続けたいと思っています。