山内 聡 院長の独自取材記事
やまうち歯科 second stage
(宇都宮市/東武宇都宮駅)
最終更新日:2025/07/18

東武宇都宮駅から徒歩10分の「やまうち歯科 second stage」。1997年の開業以来、山内聡院長は「患者さんへの説明に何より力を入れる」という信念のもと、地域住民の口腔の健康を支えてきた。虫歯の原因を姿勢や呼吸、食べ方まで含めて全身から考えるという独自のアプローチで、根本的な解決をめざしている。こうした妥協のない治療への姿勢と、患者目線に立った真摯な対応を大事にする山内院長は、自身を「職人気質」と語る。歯科医師として最良の治療を提供するため、今もなお学びを続ける山内院長に、診療への想いと患者への向き合い方について話を聞いた。
(取材日2025年6月24日)
東京から宇都宮へ、患者を第一に考えたこだわりの診療
東京から宇都宮に移って開業された経緯を教えてください。

僕は東京の実家が歯科医院で、祖父も歯科医師、いとこも歯科医師という環境で育ちました。東京にいれば守られる立場でしたが、それに甘えたくなかったんです。だから東京を離れて自分の力で勝負したいと思い、栃木での開業を決意しました。実を言うと若い頃はサーフィンで生きていきたいと思ったこともあったんです。でも、せっかく大学に受かったのだし、親孝行しなければと歯科医師の道を選びました。そうして、自分で決めたからにはこの道を全うしようと腹をくくり、1997年に開業。2018年から現在の場所に移転し、ひたすら目の前の患者さんと向き合ってきました。自分の選択は間違っていなかったと思いますね。
患者さんにとってより良い通院環境を整えていると伺いました。
まず、診療時間をしっかりと確保するようにしています。保険診療は45分、自費診療は1~2時間の枠を確保しています。これは消毒・滅菌の時間確保することと、何より患者さんへの説明をしっかりと行うためです。また忙しい方でも通えるよう、火曜日から金曜日までは夜22時まで診療することもあります。土日も診療しており、ありがたいことに日曜日もたくさんの方に来ていただいていますね。患者さんの時間を大切にしたいからこそ、予約制であることにもこだわっており、遅れる場合は必ずご連絡をいただくようにしています。それは、レストランのコース料理と同じで、じっくりとその方に合わせた治療をしたいからにほかなりませんね。先端の治療を提供するため顕微鏡を導入するなど、設備面においてもこだわっています。
先生の診療の軸となる考えを教えてください。

「全身を診る」ことです。例えば、虫歯があって痛いという患者さんでも、実は痛みの原因は虫歯だけではないことが多いんですよ。就寝時や仕事中のストレスによる食いしばり、料理中に包丁を持つ手にグッと力が入り噛みしめてしまう、車の運転で噛みしめてしまう……といったいろいろな原因があります。下顎は筋肉にぶら下がっているので、筋肉の緊張によって噛み合わせが変わることがありますし、舌の位置が変わって低位舌の方もいらっしゃいます。そのため口の中だけでなく、姿勢や呼吸、全身のバランスまで見ないと何が痛みを引き起こしているかはわかりません。そこで、僕は20年以上前から歩行分析をしたり、靴の減り方を見たりもして、その人自身が気づいてない癖にも着目しながら本当の原因を探るようにしています。口腔内の問題はただ治療すれば解消されるものではないので、歯科医師は歯だけではなく、全身のことも勉強したほうがいいと思っています。
「全身を診る」視点で根本原因にアプローチ
治療にあたって、心がけていることはありますか?

「患者さんの気持ちに寄り添うこと」でしょうか。前提として、患者さんは「削りたくない」「神経を取りたくない」と考えておられると理解しています。とはいえ、虫歯があれば削らないと治療ができませんから、そういった場合は治療法の選択や治療時の工夫を通じて、できるだけ患者さんの気持ちに応えられるようにしています。「単に削る」というだけでなく削り方も含めて工夫すること、そしてそれをきちんと説明し、患者さんに納得してもらうことが大事だと考えています。そのためにも、治療の引き出しをたくさん用意し、患者さんの希望に合わせて選択肢を提示することを心がけています。大切なのは納得して選んでもらうことですから、そのために、僕自身も納得した上で治療ができるよう、職人のようにこだわりを持ってやっているつもりです。
その他大切にしていることはありますか?
患者さんが安心して治療を受けられるように、何よりも「患者さんの立場に立つこと」を大切にしています。例えばインプラントや治療機器などは、必ず自分自身で体験してから使用を決めています。どのくらいの振動や痛みがあるのか、麻酔によって腫れ方がどう変わるのか――実際に体感した上で、患者さんにもわかりやすく、丁寧にお伝えするよう心がけています。痛みの感じ方や不安の大きさは人それぞれですよね。だからこそ、その方の感じ方に寄り添いながら、安心につながるご提案ができたらと思っています。
妊産婦や子どもへの対応について教えてください。

妊産婦さんには母乳育児の相談から始めます。というのも、赤ちゃんの母乳の吸い方は将来の口腔発達に影響するからです。離乳食の与え方も重要で、僕は草食系・肉食系と動物の食べ方を例に挙げて説明しています。きちんと段階を踏んで離乳食を進めた子は草食系で、すりつぶして食べるのですが、途中で硬いものを与えてしまうと肉食系になり、数回噛んで飲み込むという食べ方になりやすいんです。これが将来の歯並びにも影響を及ぼすと考えられます。また、肉食系の場合は三叉神経を使ってガツガツ噛む。草食系は顔面神経を使って表情筋全体で噛むので、顔の表情の豊かさにもつながると考えています。こういった知識を患者さんに伝えることで、子どもの健やかな成長もサポートしていけたらいいですね。
患者の気持ちに寄り添いながら、理想の治療を追求
スタッフさんについて教えてください。

スタッフには普段僕自身が意識しているように、「患者さんがどう思っているかを考えてほしい」と伝えています。一方的に説明しても右から左に抜けてしまうので、その人に合わせた説明の仕方を考えることが大切です。また、労働環境にも配慮していて、スタッフは基本的に夜18時45分までとし、それ以降の診療は僕一人で行っています。他にも女性スタッフが多いので誕生日やクリスマスは公休にするなど、患者さんのためにもスタッフが働きやすい環境を整えることを重視しています。
今後、取り組んでいきたいことはありますか?
いろいろあるのですが、一つはセカンドオピニオンにも対応していけたら。患者さんとお話していると、「実は今まで聞けなかったのだけど」と、受診時の悩みを打ち明けてくれることが多くあります。歯医者は患者さんが安心して自分で選択できるよう、正しい知識を患者さんにしっかりとお伝えするのも仕事だと考えています。「こんなこと聞いても良いのかな」と思わずに、不安や疑問は遠慮なくお尋ねください。また、今後歯科に関する知識や技術はもちろん、「全身を診る」という観点もさらに強化し、健康を支える「睡眠の質」を向上させるための後押しもしていきたいと思っています。歯科医師としてベストの治療を提供し続けるには、勉強し続けるのが当たり前ですから、これからも勉強会やセミナーにも積極的に通い、立ち止まらずに自分を更新し続けたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院選びで一番大切なのは、歯科医師としっかり話すことです。僕の場合、時には1時間の予約枠をほぼ説明に使うこともあるほどですが、それくらい対話は大切だと思っています。今は歯科医院がたくさんありますから、自分に合う先生を見つけることが重要です。治療にあたっては必ず選択肢があります。保険か自費か、抜くか抜かないかといったそれぞれのメリット・デメリットを理解し納得した上で選んでいただきたい。歯科医師がしっかりと説明すれば、それは患者さんの知識になります。その知識があれば、将来どこの歯科医院に行っても適切な判断ができるはずです。どんな悩みでも構いませんので、まずは相談に来てください。一緒にあなたに合った治療法を見つけていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~