管野 博之 院長の独自取材記事
やわら歯科医院 六町・南花畑
(足立区/六町駅)
最終更新日:2025/08/04

「患者さんを主体に」という理念のもと、患者一人ひとりの気持ちに寄り添った診療を心がけるのは、「やわら歯科医院 六町・南花畑」の管野博之院長。日本大学松戸歯学部卒業後、複数の歯科医院で経験を積んだ管野院長は、自身が患者として感じた不便さを解消すべく、バリアフリー設計やおむつ替えスペースの設置など、細部にまでこだわった環境を整えた。祖父が営んでいた柔道場の場所に開業した同院は、木目調の温かな内装が印象的。「歯科医院への苦手意識をなくしたい」と穏やかに語る管野院長に、子どもから高齢者まで幅広い世代が安心して通える地域に根差したクリニックづくりに対する思いを聞いた。
(取材日2025年7月5日)
慣れ親しんだ地で心和らぐ歯科医院をめざして開業
こちらのクリニックを開業されたきっかけを教えてください。

もともといつか開業したいと思っていたのですが、それを知る祖父から、営んでいた柔道場を閉めるから、「この地で歯科医院を開いたら?」と言ってもらったんです。孫の僕にとってももちろん思い入れのある場所でしたから、これはやるしかないと。最終的に、工事の途中で祖父が「やっぱり道場を続ける」と言い出して(笑)、現在は2階で柔道場を開いています。親が接骨院を営んでいたからか、歯科医師になったからには開業するのが自然なことだと思っていたので、このタイミングで地元に貢献できるチャンスをもらえて、ありがたいなと思っています。
「やわら歯科医院」という院名の由来を教えてください。
元・柔道場ということで、「やわら」という名前にしました。また、いかにも歯科医院という感じにしたくなかったので、「心が和らぐ空間」という意味も込めているんですよ。実際、内装には木材をふんだんに使い、木の香りがする温かな雰囲気にこだわるとともに、誰でも通えるようにとバリアフリーにしたのも特徴です。ほかにも、自分が患者さんだったらという視点で工夫を凝らしています。スリッパを使い回すことに抵抗があったので、靴のまま上がれるようにしたのもその一つ。また、僕自身1歳の子どもがいて子育て真っ最中なので、親の目線からおむつ替えスペースも設置するなど、幅広い世代の方が快適に過ごせる空間づくりを心がけています。
どのような患者さんが多く来院されますか?

お子さんと高齢の方が多いですね。20~30代は少なめですが、トータルで見ると幅広い年齢層の方に来ていただいています。子連れでいらっしゃる方も多いので、お子さんが待てるように椅子を用意したり、絵本を読めるスペースも設けたりしています。無線LANも整備しているので、待ち時間にタブレットなどを使用することもできます。実は、この辺りは虫歯の方が比較的多く、定期的に歯科医院に通う習慣があまりない方もいらっしゃいます。そういった地域の皆さんのお口に対する意識を変え、歯の健康を守るお手伝いがしたいと思っています。そのためには、まず通いやすい環境を整えることが、通院のハードルを下げることになると考えています。
患者主体をモットーに専門家と連携した質の高い治療を
こちらで受けられる診療内容を教えてください。

患者さんのあらゆるニーズに応えられる、総合的な歯科医院をめざしていますので、虫歯や歯周病の治療をはじめ、根管治療、かぶせ物や入れ歯の治療など、幅広く対応しています。インプラント治療や矯正治療に関しては、その道の専門家にお願いするのが患者さんにとって一番と考え、それぞれの分野に精通する同期や先輩に来てもらっています。また、必要に応じて麻酔専門の歯科医師による静脈鎮静法も行うことが可能です。僕一人では限界があることも、信頼のおける専門家と連携することで包括的に質の高い治療を提供できる体制を整えているつもりです。ホワイトニングにも対応していますので、気になる方はご相談ください。こうしたさまざまな診療を行うため、院内にはエックス線撮影装置やCT、マイクロスコープ、レーザー機器などの機器もそろえています。
先生はどんな治療を得意とされているのですか?
形成、つまり歯を削ってかぶせ物や詰め物をする治療が好きで精力的に取り組んできたので、得意といえるかもしれません。こだわっているのは、削り方や型の採り方、装着の仕方といった一つ一つの作業を丁寧に行うこと。以前、先輩に入れ歯の型採りを褒められたことがあるのですが、何か特別なことをしているわけではなく教科書に忠実に行うことが大事なのかなと。ここをしっかりしないと、入れ歯がフィットしないということにもなりかねないので、慎重に行っています。当院は高齢の方も多いので、フルマウスの治療、つまり噛み合わせの調整から、入れ歯を含めて補綴物を全体的に作り直す治療にも多く対応していますが、いずれも患者さんと相談しながら進めることを大事にしています。
患者さんと相談しながら進めるという、先生の方針について詳しく聞かせてもらえますか?

常に意識しているのは、「患者さんを主体に」ということです。例えば、自費の治療がいくら良いものだと思っても、押しつけるのではなく患者さんのニーズに合わせることが大切だと考えています。まずは見た目だけ良くしたいということなら、それに合わせた治療をしますし、とにかく質にこだわるならその希望にとことん応えます。納得してもらうことが大事だと思うので、とにかく説明をしっかりしていますね。デメリットも含めて説明し、今後どうなるかも伝えます。特に高齢の方に対しては現状を正直に伝え、歯の限界を考慮してどうするのがいいかを、最終的には患者さんに判断してもらえるように持っている情報をすべてお伝えしています。また、高齢者に限らず、治療前には今日はこういう流れでこんな治療をしてということを丁寧にお話ししています。ある程度イメージができたほうが安心して治療に臨めると思うんですよね。
メンテナンスによる口腔管理で地域の健康を守りたい
高齢者の話が出ましたが、子どもの診療についてはいかがですか?

お子さんに対しても大人と同じように、小さくても一人の人間として接するよう心がけています。上から目線にならないよう、適度な距離感でその子に合わせた対応ができたらいいなと思います。もちろん、最初から嫌がらずに治療を受けられる子ばかりではありませんが、できなくても無理強いせず、でも諦めずに向き合うことが大事なのではないかなと。時間がかかってもいいので、一つずつできることを増やしていけるよう根気良く関わっていけたらと思います。例えば、泣いてしまって口を開けるのも難しい子は、まず診察台に座ってもらうことから始めて、それができたらその日はおしまいにしようという感じです。たくさん褒めて、歯科医院が「楽しい場所」だと思ってもらえたらうれしいですね。
予防やメンテナンスにも力を入れていると伺いました。
治療した後が大事なので、メンテナンスには特に力を入れています。歯磨き指導にあたっては、歯科衛生士が口腔内の汚れの付着具合を見た上で、その方に合った歯ブラシを選び、磨き方のアドバイスも行っています。その際は、青紫色の専用の染め出し液で磨き残しを目で確認してもらうようにしています。ちなみに、指導用の歯ブラシは新しいものを使ってもらい、差し上げています。家でも使っていただくことで、患者さんが自己管理できるようになることが大切だと思いますので。自分で磨けないという方は頻繁に通っていただくしかありませんが、最終的には自己管理できるようサポートしていきます。何より、治療が終わった後もメンテナンスで通い続けてもらえるような関係性を築いていきたいですね。
今後の展望と地域の方へメッセージをお願いします。

地域全体のお口の健康を支えるという意味で、将来的には訪問歯科診療にも取り組んでいけたらと思います。以前の勤務先で経験があるので、そこで学んだことを生かせたら。また、歯科検診の内容も充実させたいです。最初からメンテナンスや検診を目的に来ていただければ、じっくりと口腔内の状態を調べて丁寧に説明することができますから、患者さんの意識を高められるような工夫をしていきたいですね。一方で、歯科医院に苦手意識のある方に対しては、「行ってみたらイメージと違った」と思ってもらえるよう、まずは困ったことがあれば些細なことでもご相談いただきたいです。例えば魚の骨が刺さったとか、どこに行けばいいかわからないというお悩みも、必要に応じて適切な医療機関をご紹介します。地域の皆さんが気軽に通える、そんな歯科医院でありたいと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、ワイヤー矯正/88万円~、小児矯正/33万円~、ホームホワイトニング/2万7500円~、オフィスホワイトニング3万3000円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。