麻酔と内視鏡の専門家による
負担の少ない大腸内視鏡検査
よしはら内科・内視鏡クリニック
(箕面市/石橋阪大前駅)
最終更新日:2025/07/10


- 保険診療
日本で最も罹患率の高い大腸がん。男女とも40代から罹患者が増え始めるため、大腸内視鏡検査は40歳以上になったら受けることが推奨されている。しかしながら、大腸内視鏡検査に対しては検査に対しては「痛そう」「つらそう」と、まだまだネガティブなイメージを持っている人も多い。大阪府箕面市にある「よしはら内科・内視鏡クリニック」では、院長の吉原友篤先生が「苦痛の少ない、安心できる内視鏡検査」を追究。麻酔科医として幅広い麻酔技術を持ち、これまでたくさんの内視鏡検査の経験を積んできた。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医としても多くの消化器のがん治療を行ってきた吉原院長が、検査の精度と患者の快適さを両立した検査に努めている。同院で行っている大腸内視鏡検査の流れを追った。
(取材日2025年6月18日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査はどのような疾患の早期発見に役立ちますか?
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A
大腸内視鏡検査では、大腸がんやポリープ、大腸の粘膜に異常が生じる潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、腸閉塞、大腸憩室炎、痔などの発見に有用です。特に将来がんになる可能性のあるポリープは早期に発見し切除することが予防につながります。潰瘍性大腸炎や大腸憩室炎は無症状ですので検査時に偶然発見されることがほとんどです。血便がある、便潜血検査で陽性が出た場合は必ず検査を受けましょう。また腹痛や下痢などの症状が続く場合も疾患が隠れている可能性があります。ポリープの発生率は40歳から上がってきますので、40歳を過ぎたら大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
- Q過去に痛い思いをして内視鏡検査を嫌厭している人も多いのでは?
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A
そうですね。なので、当院では「痛そう」「怖い」と感じる方にも安心してもらえるような検査に努めています。麻酔科の専門的な知識を持った医師が事前にしっかり体調、併存疾患、薬の状況を確認し、一人ひとりの体の状態に合わせた安全な麻酔を計画し、安全に最大限配慮しながら麻酔を実施。ウトウト眠っているような状態をめざし、検査中の苦痛や不快感を大きく和らげることを図ります。希望によっては完全に眠った状態にすることも望めます。また内視鏡の挿入時には、腸への負担を減らす「軸保持短縮法」を採用。痛みを感じさせないようできるだけ腸を押し広げず自然な形を保ちながら挿入し、痛みや違和感を最小限に抑えた検査に努めています。
- Qどれくらいの頻度で通うことが大事なのでしょうか?
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A
大腸内視鏡検査では、腸内を空っぽにするための下剤の服用が必要です。この過程が「つらい」と感じる要因の一つでもあります。一般的に2リットルの下剤を服用しますが、当院では少ない量で済む下剤も選択可能です。また下剤を服用する場所は、ご自宅かクリニックのどちらかを選べます。「家からクリニックに向かう途中にトイレに行きたくなったら?」と不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。当院では院内に快適に事前準備を進めるための専用トイレつきのスペースを用意していますのでご安心ください。検査頻度に関しては、何も異常がない場合は3年に1回のペースで、ポリープを切除した場合は、1年に1回検査をするのが理想的です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・事前説明
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問診では、いつからどんな症状が起きて、今どんな状態なのか、病気はあるか、肝臓や腎臓など臓器に障害がないか、内服薬の状況を確認。血液検査を行い、腸閉塞の疑いがある場合は下剤を服用することで腸管破裂を引き起こす可能性があるためCT検査を行う。その後、検査日を決定し、検査に関する事前説明は看護師が行う。鎮静剤を使用するため、安全のため検査日の車・バイク・自転車の運転は控えること。
- 2下剤の服用などの前準備
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検査前日はキノコ類や海藻類など、胃で消化されず大腸まで到達する食材は、検査の妨げになるため前日の食事では避け、消化の良い食事を心がける。下剤を服用する場所は自宅またはクリニックを選べる。自宅で服用する場合、指示された時間から下剤を飲み始める。下剤を飲んでから、3時間ほどで排便が落ち着いてくる。その後予約時間に来院する。クリニックで服用する場合は水のペットボトルを持参し、前処置室で飲み始める。
- 3内視鏡検査を実施
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検査着に着替え、検査室に入る。血圧を測定後、点滴から鎮静剤を入れていく。検査にかかる時間は、挿入と観察を含めて、トータルで15分程度。ポリープを切除する場合はもう少し時間がかかる。同院では2種類のスコープを併用。腸管に炎症や癒着がある場合や過去の検査で痛みが強く感じた人には細径スコープを使用する。見逃しがないよう、しっかり丁寧に観察する。
- 4リカバリールームで休憩
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検査後、リカバリールームに移動し、30分程度休憩する。リカバリールームはカーテンで仕切ることができるため落ち着いて休むことができる。
- 5検査結果の説明
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意識が回復後、撮影した画像を見せながら検査結果の説明を行う。ポリープを切除した場合は、数日はアルコールの摂取は控え、消化のいい食事を心がけよう。また、出血リスクを考え、1週間ぐらいは遠出を控える。異常がなかった場合は、その日から日常生活を送れる。