村上 直季 院長の独自取材記事
むらかみ歯科クリニック
(長久手市/長久手古戦場駅)
最終更新日:2025/08/29
 
            長久手古戦場駅から徒歩圏内、緑豊かな住宅街に2025年5月に開業した「むらかみ歯科クリニック」。村上直季院長は、長久手の「緑と街が調和している」環境に魅力を感じ、4〜5年の準備期間を経てこの地での開業を決意した。「豊田の歯科医院で10年間、補綴治療をはじめとする幅広い診療に携わり、丁寧で精密な治療を追求してきた村上院長。「これからも学び続けたい」と語るその姿勢には、誠実な人柄がにじむ。カフェのような内装で歯科への恐怖心を和らげ、マイクロスコープによる精密治療にもこだわる。何より印象的なのは、一つ一つ言葉を選びながら患者への想いを語る誠実な姿勢。「患者さんと長くお付き合いしたい」という村上院長に、開業への想いや診療にかける思いを聞いた。
(取材日2025年7月14日)
長久手の地に根差し、全世代が通いやすい歯科医院を
まずは開業に至るまでの経緯を教えてください。

実家が歯科医院ということもあり、大学入学時から開業は目標にしていました。ただ、まずは修業してからと考えていたんです。実家での開業も一度は考えましたが、より自分の理想とする診療環境に合う場所を探したいと思い、場所選びは慎重にしましたね。そんな中、豊田の勤務先へ名古屋から通勤していた時、下道を使っていたので、長久手は毎日通っていたんです。長久手のことはもともとよく知っていましたが、そこで改めて街の様子を見て、緑と街が調和している環境に改めて魅力を感じたんですね。結婚してからは、家族でこの地域に出かける機会が多く、買い物や週末のお出かけなどでもよく訪れていました。子どもと一緒に楽しめるスポットも多く、住みやすい街だなと、ますますこの地に惹かれていきました。今回ご縁があってお話をいただき、ようやく理想の場所で開業できました。
これまでのご経歴について詳しくお聞かせください。
朝日大学卒業後、愛知学院大学病院で1年間勤務しました。実際に患者さんを担当し、自分で治療計画を立てて診療する経験を積みました。その後、名古屋の歯科医院で2年間、往診を中心に診療しながら、歯周病や根管治療に関する知識や技術も深めることができました。また当時は、名古屋から四日市の歯科医院にも通っていたのですが、1日100人くらいの患者さんが来られるようなところで多くの患者さんの治療をする中で、限られた時間の中でも適切に対応する力や、技術的な引き出しが自然と広がっていったように思います。その後、豊田の歯科医院で約10年間勤務しましたが、インプラント、入れ歯、かぶせ物など全顎的に診ながら治療をし、多くの経験値を積むことができました。
クリニックの設計でこだわった点を教えてください。

長久手は幅広い世代の方が住む地域です。どんな方に対しても歯科医院に対して緊張感を持たずに来ていただけるよう、カフェのような内装にこだわりました。特にこだわったのが床の演出です。診療室に緑を入れたかったのですが、スペースの問題で難しく、それなら「下に入れてしまおう」と。廊下の床の一部をガラス張りにして、その下にグリーンを配置しました。完成後、どんな反応があるか少し心配もありましたが、内覧会ではお子さんたちが楽しそうに眺めていて安心しました。また、ユニットは車いすの方でもスムーズに入れるよう広めに設計。5番チェアは完全個室で、キッズコーナーも併設しているので、保護者の方が治療中にお子さんが遊びながら待てる空間になっています。
全体を診る補綴治療とマイクロスコープによる精密診療
全体を診る補綴治療も多く経験されてきたと伺いました。

前勤務先では全顎的な補綴治療、つまり噛み合わせを含めたお口全体を診る治療が多かったんです。痛い歯だけを治療するような部分的な治療ではなく、全体を診る治療となると治療計画も複雑になります。例えば、痛みのある場所は下の歯でも、原因は上の歯が伸びていることにある、という場合もあります。部分的に診るだけでは解決しきれない部分があり、全体の噛み合わせを見ながら原因を突き詰めて治療する必要があるんです。そのため、初めに患者さんには他の歯のリスクなども伝えながら先々の治療計画を立て、お伝えするようにしています。
マイクロスコープを導入された理由をお聞かせください。
開業前の勤め先でも自由診療の割合が多く、患者さん一人ひとりにじっくりと向き合う機会も多かったため、より丁寧な診療やこまやかな対応を心がける姿勢を学びました。拡大鏡もありますが、根管治療などで再治療になった場合、肉眼では見えない部分もマイクロスコープなら確認でき、質のいい治療に繋がります。また、モニターで拡大画像をご覧いただけるため、患者さんにも現在のお口の状態を視覚的に把握していただきやすく、説明もよりスムーズになります。精密な治療へのこだわりは、豊田での10年間で培った「質を高める」という考え方が基盤になっています。
現在はどのような患者さんが多く来院されていますか?

問診票を見ると、ご近所の方が多く来てくださっています。開院前の内覧会を通じて、地域の皆さまに存在を知っていただけたことも、きっかけの一つかもしれません。年齢層は幅広く、平日はご年配の方、土曜日はファミリー層が多いですね。症状としては歯の痛みはもちろん、歯周病で悩まれている方が多い印象です。症状に気づいていない方でも、エックス線で確認すると歯周病が進んでいることもあるので、早期のケアが大切だと感じています。歯周病については、これまでの診療でも多くの症例に携わってきました。進行具合や原因を丁寧に見極めながら、一人ひとりに合った対応を心がけています。どんなに些細なことでも構いませんし、メンテナンスだけでもお気軽にお越しいただけたらと思います。症状がない時こそ、定期的なケアが大切です。お口の健康とは長く付き合っていくものですので、今の状態を良好に保つお手伝いができればと考えています。
患者に寄り添い、長い付き合いができる歯科医院づくり
歯科に対して不安を感じる方も少なくありませんが、診療で心がけていることはありますか?

歯科治療では、口を開けている間に何が行われているのかわからず、不安を感じる方も少なくありません。現在のお口の状態をモニターでお見せしながら、今後の治療内容を丁寧にご説明することで、少しでも恐怖心が和らぐようにしています。そのため、すぐに治療をするのではなく、状況を伝え、まずは患者さんの訴えを聞くように心がけています。麻酔は大人の方でも不安を感じるものだと思います。見えないところに注射を行うため、恐怖心につながることもあります。当院では、できる限り痛みを抑えるよう工夫を重ねていますが、部位や状態によっては完全に痛みをなくすことが難しい場合もあります。その分、事前にご説明し、安心して治療に臨んでいただけるよう心がけています。
スタッフさんとの連携で心がけていることはありますか?
あいさつは本当に大事だと思っています。第一印象はとても大切だと考えているので、その点はスタッフにも徹底するようお願いしています。あとは見えるところの消毒や掃除もきちんとして、患者さんに気持ち良く来ていただいて、気持ち良く帰っていただけるような環境づくりを心がけています。スタッフ同士のコミュニケーションも重要です。チーム内での連携が不十分だと、患者さんへの対応にも支障が出ることがあるため、普段から情報共有を大切にしています。清潔感とあいさつ、そしてチーム医療。この3つを大切にすることで、患者さんに安心して通っていただける歯科医院になると考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

まだ開業して間もない歯科医院ですが、気軽に患者さんが入れるような環境をもっとつくっていきたいですね。長くお付き合いしたいという思いがあるので、患者さんのお口の健康を守るために、当院としての体制も今後さらに充実させていきたいと考えています。小さなお子さま連れの方でも安心して通っていただけるよう、個室診療室やキッズスペースを整えています。地域の皆さまのかかりつけ医として、気軽に足を運んでいただければうれしく思います。お口の健康を通じて貢献していければと思っていますので、どんなに些細なことでも遠慮なくご相談ください。

 
             
             
             
             
            
 
                 
                 
                