鈴木 康平 院長の独自取材記事
あとり歯科クリニック
(豊橋市/愛知大学前駅)
最終更新日:2025/07/15

緑豊かな龍ヶ池公園のすぐそば、れんがを取り入れた美しい建物が目を引く「あとり歯科クリニック」。院長の鈴木康平先生は大学卒業後、愛知県や三重県の歯科医院で幅広い歯科技術を習得。「歯を失うと、いかに人生に大きな損失があるかを痛感した」ことから、歯周病治療に注力するようになった。そうして培った歯周病の専門家としての経験を、生まれ育った豊橋市に還元したいという思いから、2025年5月に同院を新規開業。「患者さんの思いにしっかりと耳を傾け、心と健康を支えるパートナーでありたい」と語る鈴木院長に、クリニックの特徴や今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2025年6月9日)
再発を防ぎ口の健康を守るため、個々に適した治療を
開業された経緯を教えてください。

前職では、名古屋市の歯科医院に約10年間勤務させていただきました。そこでは、医療人としてのあり方をはじめ、本当に多くのことを学ぶことができました。特に歯周病治療に力を入れているクリニックで、多くの歯周病に悩む患者さんを担当させていただいた経験は、私にとってかけがえのない財産です。その貴重な経験を、地元である豊橋の皆さんに地域医療という形でしっかりと還元していきたい。そんな思いが次第に強くなり開業を決意しました。クリニック名は「花鶏(あとり)」という鳥から名づけました。秋から冬にかけて日本に飛来する渡り鳥で、その姿がまるでオレンジ色の花が咲いたように見えることから「花鶏」と書きます。またオレンジ色は、温かさや幸せを象徴するような色。「患者さんが口の健康を通じて心と体の健康を育み、幸せな人生を彩るお手伝いをしたい」という思いを込めています。
とてもすてきな建物ですね。
患者さんにホッとしてもらえるような過ごしやすい空間にこだわりました。外観のオレンジ色のレンガは花鶏をイメージしています。院内も温かい雰囲気にしたいと思い、自然の草木を意識して木目や緑色を採用し、間接照明で演出しました。プライバシーも考慮し、個室・半個室の診療スペース、カウンセリングルームもご用意しています。歯周病の方はお口を気にされる方が多いので、他の患者さんから見えず、会話も聞こえないよう十分に配慮した設計となっています。「個室なのに解放感がすごい」と言ってくださる方もいます。そして私は安心安全な治療、再発リスクを考えた治療をめざしています。長期にわたり、お口のトラブルを再発させないためには、治療の精密さが求められますので、歯科用CTや口腔内スキャナー、レーザー治療器など先進的な機器も導入しています。
診療方針を教えてください。

お口の健康は「長く維持していく」ことが重要です。お口の病気は生活習慣病ともいわれ、治療が終わったからといって安心はできません。再発を防ぐためにも、単に歯科医院に通うだけではなく、患者さんご自身にトラブルの原因や背景を知ってもらいたいと思っています。ただし私のお話を聞いていただくためには、まずはお悩みや不安、希望をじっくり伺うなど、しっかりと患者さんのお声に耳を傾けることが大切です。それが信頼関係の第一歩だと考えていますので、私はカウンセリングを重視しています。そして、一人ひとりの価値観やパーソナリティーを考慮しながら、その方にとって適した治療計画を一緒に考えていきます。このようにして築いた信頼関係をもとに、歯の健康を維持するために大切な情報をしっかりお伝えしていきます。
患者の声に耳を傾け二人三脚で口の健康を守る
歯周病の治療に注力する理由はなんですか?

たくさんの歯周病の患者さんを診てきた中で、「歯を失うことが人生に与える影響の大きさ」を痛感してきたからです。歯周病は自覚症状が乏しく、進行しても見た目に変化が出にくいため、気づかぬうちに病気が進んでしまう怖さがあります。実際、成人の8割が歯周病にかかっているとされ、歯を失う原因の1位でもあります。だからこそ、1本でも多くの歯を残すために歯周病治療に注力しています。先日、日本歯周病学会歯周病専門医の専門医資格試験にも合格し、より専門的な治療がご提供できるようになりました。進行した歯周病に対しては、再生療法などの高度な治療も取り入れ、従来なら抜歯とされていたケースでも、できる限り歯を残すよう努力をします。歯周病を専門とする歯科医師は豊橋市内には数少ないので、歯を残す専門家として、皆さんの歯を守るお手伝いをしていきたいです。
幅広い診療にも対応されています。
患者さんが抱えるお悩みは実にさまざまです。地域のかかりつけ歯科クリニックとして、小児歯科や口腔外科、審美歯科など、あらゆるお口の悩みに対応していきたいと考えています。その中でも特に力を入れているのが矯正です。歯並びが悪いと汚れが残りやすくなり、歯周病のリスクが高まるからです。当院の矯正は妻の鈴木芙由美先生が担当しています。彼女は10年以上、矯正を専門に研鑽してきましたので、皆さんのお役に立てると思います。単に見た目をきれいにするためだけではなく、しっかりと機能する口もとをつくるための診療を通して、「お口の健康をトータル的にサポートさせていただきたい」と夫婦で話しています。また、女性の歯科医師が在籍していることで、特にお子さんや女性の患者さんにも通っていただきやすいのではないでしょうか。
診療の際に心がけていることはありますか?

「その方にとっての最良の治療」を一緒に考えることです。すべての患者さんに同じ治療法が最適とは限りません。医師である私の一方的な考えを押しつけるのではなく、かといって患者さんの希望だけに応じることも、その方の将来を考えたとき、必ずしも良い結果にはならないケースがあります。だからこそ、患者さんの思いと私の考えを丁寧にすり合わせて、お互いに納得のいく形で治療を進めることを重視しています。カウンセリングや日々のコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、二人三脚でお口の健康を守るため尽力する。そうした積み重ねが、自然と良好な口腔環境をつくり上げると思います。一人ひとりのお声にしっかり耳を傾けること。それが、私の基本姿勢です。
生まれ育った豊橋で理想の歯科医療を実現したい
どのような患者さんが来院されていますか?

お子さん連れやファミリー層、ご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんにお越しいただいています。以前、名古屋で診ていた歯周病の患者さんが、わざわざ豊橋まで足を運んでくださっていることに本当に感謝しています。当地で開業して感じるのは、地域の皆さんの温かさと話しやすさです。私が大切にしている「治療方針や将来のことを丁寧に話し合う」という姿勢。それにしっかり応えてくださる方が多く、理想とする診療が実現できていると感じています。豊橋に開業して本当に良かったです。
スタッフさんについて教えてください。
歯科衛生士が4人在籍しています。私が常に伝えているのは「患者さんの不安や悩みをしっかり聞き出すこと」です。治療中の患者さんはお口を開けて話しにくい状況にあるため、表情を見ながら説明し、難しそうであれば追加でお声がけするなど、丁寧なコミュニケーションを取ってくれています。そして、単に言われたことをこなすのではなく、自ら考えて行動してくれる姿勢が素晴らしいと思っています。「こうしてみては?」と積極的に提案してくれることも多いです。4人とも温かい人柄で、思いやりを持って患者さんに接しているのも当院の大きな強み。新人院長である私も、彼女たちとともに、より良いクリニックづくりに励んでいきたいと思っています。開業して間もない大変な時期を支えてくれたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

お口のトラブルで悩んでいる方に、歯科の情報をわかりやすく伝えていきたいと考えています。患者さんご自身の歯科知識が深まると、将来の健康を守ることにもつながると考えているからです。そのため、待合室の動画や説明資料、掲示物なども見やすく工夫し、理解しやすい形でお届けできるように取り組んでいきます。私自身はもちろん、スタッフも日々学びを重ねながら診療にあたっています。気になることがあれば、どんな些細なことでも気軽にご相談ください。生まれ育ったここ豊橋の地で、お口の専門家として、皆さんと二人三脚で歩んでいけたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/46万3000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/33万円〜(精密検査3万8500円別途)、セラミックインレー/7万7000円〜、オールセラミッククラウン/13万2000円〜、ジルコニアクラウン/7万1500円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。