河合 昭浩 院長の独自取材記事
かわい泌尿器・腎臓内科クリニック
(みよし市/日進駅)
最終更新日:2025/10/07
県道54号沿いに立つ「かわい泌尿器・腎臓内科クリニック」。2025年5月、みよし市に誕生した泌尿器科専門クリニックだ。河合昭浩院長は、大学病院で助教や講師を務め、ハーバード大学での研究経験も持つ腎臓移植のエキスパート。「より近い距離で患者さんに寄り添いたい」と、輝かしいキャリアから地域医療への転身を決意した。工学部から医学部へ転身した異色の経歴を持ち、「壊れたものは取り替える」という工学的発想から腎移植に魅力を感じたという。「患者さんのQOLを上げる治療を心がけています」と穏やかに語る河合院長に、開業への思いや診療方針について聞いた。
(取材日2025年8月18日)
大学病院から地域医療へ、患者のQOL向上を最優先に
大学病院での輝かしいキャリアから開業を決意された経緯を教えてください。

45歳になって、大きな転機が訪れました。藤田医科大学病院や藤田医科大学岡崎医療センターで助教や講師として後輩の指導にも携わってきましたが、「地域医療で貢献したい」という思いが強くなったんです。大学では主にがんや腎移植などの患者さんを診ることが多く、外来も「午後から手術があるから」と30分の枠に複数人の予約が入るような状況でした。一人ひとりにじっくり向き合う時間が取れない、そんなジレンマを感じていたんです。医師として最期を全うするにはどちらがいいか。考えた末、より近い距離で患者さんと向き合える開業という道を選びました。
開業の地としてなぜみよし市を選ばれたのですか?
私が知る限り、みよし市には泌尿器科のクリニックが見当たらなかったんです。大きな基幹病院はありますが、泌尿器科を専門とするクリニックが見当たらない。医療が不足している地域で貢献したいと考えました。この場所は、幹線道路沿いで車でのアクセスも良いので、認知度も高まっていると感じています。泌尿器科の専門として、デリケートな問題を抱える患者さんに適切な診療を提供する。そうすることで地域医療に貢献できると確信しています。
建物や院内へのこだわりについて教えてください。

「患者さんにリラックスしてもらいたい」という思いから、外観も内装も隅々までこだわりました。外観からクリニックらしくなりすぎない雰囲気を心がけ、院内は白と茶をベースに紺色の椅子をアクセントにして、清潔感と開放感を大切にしています。「クリニックに来たという感覚をなくしたい」という思いで、壁紙一つにもこだわって作りました。実際、女性の患者さんやお子さんが非常に多く来院されていて、「おしゃれ」と好評です。診察室は防音仕様になっており、デリケートな相談でもプライバシーに配慮した環境を整えています。現在は、3歳から90歳まで幅広い年齢層の患者さんが来院され、ファミリークリニックのような存在になりつつあります。
腎移植の経験を生かし、専門性の高い医療を提供
腎臓移植後のフォローアップについて教えてください。

私は長年、腎移植に携わってきました。腎臓移植後のサポートができるクリニックは愛知県内でも非常に少ないのが現状です。移植患者さんの高齢化が進み、移植した病院にいつまでも通えるわけではありません。移植患者さんの場合、風邪といった日常的な病気であっても、服用している薬の関係で、一般のクリニックでは対応が難しい場合があります。でも移植を専門としてきた私は、日常的な体調不良から血圧や糖尿病といった全身管理まで、移植患者さん特有の病気も対応することができます。これまでの経験を生かし、地域へ貢献したいと思っています。大きな病院に行くほどでもない症状でも安心して相談できるクリニックをめざしています。
泌尿器科診療で特に力を入れている点はなんでしょうか?
前立腺がんは今男性で一番多いがんです。手術も放射線治療もやってきた経験を生かし、患者さんに適した治療を提案しています。藤田医科大学病院だけでなく、名古屋大学医学部附属病院、豊田厚生病院、トヨタ記念病院など多くの関連施設と連携。患者さんに適切な治療を提供できるよう体制を整えています。夜間頻尿で悩む高齢者の方も多いですが、「年のせいだ」と諦めている方がほとんどです。実は治療法があることを知らない潜在的な患者さんがたくさんいるので、気になることがあればまずは相談していただきたいですね。また、女性の膀胱炎や残尿感といった症状にも対応し、泌尿器科受診のハードルを下げる努力をしています。
自由診療も含めた総合的なQOL向上への取り組みについて教えてください。

「QOLを向上させるための治療」は私のキーワードです。腎移植も透析からの解放が期待でき、それによって自由な生活を手に入れるためのQOL向上の治療だと思っています。同じ考えで自由診療にも力を入れています。AGAやEDの治療では、飲み薬や塗り薬などの処方をしています。地域住民のQOLを高めるため、ブライダルチェックなども行っています。5年以上筋力トレーニングも続けていて、食事制限のアドバイスもできます。将来的には2階にジムを作って、メンズコンプレックスに関する外来として中高年男性の見た目の悩みも含めてトータルでサポートしたいと考えています。
常に学び続け、患者に寄り添う地域のかかりつけ医へ
診療で心がけていることを教えてください。

「常に医者が勉強することによって患者さんに適切な治療を提供できる」というのが私のモットーです。医師は今までの知識をもとに、自分に都合のいい治療ではなく、本当にその患者さんに適した治療を提供することが重要だと考えています。患者さんに怒らないこと、親身になってあげることももちろん大切です。診療では「どうしたの?」とフレンドリーに話しかけ、話しやすい環境を作るように心がけています。それもあってか、若い患者さんは笑って帰られることが多いように感じます。基本的に若い患者さんには薬を出さず、まず生活習慣の改善から始めるようにしています。
スタッフ教育で大切にしていることはありますか?
まず「優しさを感じられる人を採用する」というのが私の方針です。実際にどんなに忙しくても慌てず、怒らず、笑顔で対応することを大切にしています。日頃から「資格があるから上位ではなく、みんな平等」という考えを伝えているので、みんなが対等に協力し合って、仕事をしてくれていますね。
今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

患者さんの希望があればクリニックでの手術も検討していきたいと考えています。AGAやEDなどで「誰にも会いたくない」という方のために、午後の時間を使ったメンズコンプレックスに関する外来も構想中です。一対一でじっくり話を聞き、「こういう自分になりたい」という思いに寄り添いたいですね。将来的には2階にジムのような運動機器を導入し、筋トレを通じた尿漏れ予防など、運動と医療を組み合わせた新しいアプローチも考えています。地域の皆さんには、ちょっとでも気になることがあれば気軽に相談していただきたいです。みよし市の泌尿器科クリニックとして、おねしょの相談から腎移植後のフォローまで、あらゆる泌尿器・腎臓の悩みに対応していきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはAGA治療/4000円~、ED治療/1100円~、ブライダルチェック/6000円~

