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齊藤 雅享 院長の独自取材記事

訪問クリニックM’s

(千代田区/大手町駅)

最終更新日:2025/08/08

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s main

「なるべく話しやすい環境をつくって、患者さんに寄り添いたい」そう穏やかに語るのは、2025年5月に大手町で開業した「訪問クリニックM's」の齊藤雅享院長だ。東邦大学病院などで日本泌尿器科学会泌尿器科専門医として前立腺がん治療などに携わってきた齊藤院長は、訪問診療との出会いをきっかけに、新たな医療のかたちに魅力を感じるようになった。「病院での診察より日常の生活に近い環境に接することができ、より患者さんの生活や価値観に沿った医療が提供できることに魅力を感じました」と、6年間の訪問診療経験を振り返る。専門の泌尿器科の知識を生かしながら、患者一人ひとりの価値観に寄り添い、住み慣れた家で自分らしく過ごすための医療を提供する齊藤院長に、開業に至った道のりや訪問診療にかける想いを聞いた。

(取材日2025年7月10日)

泌尿器科専門医が訪問診療に見いだした新たなやりがい

泌尿器科専門医として活躍されていた先生が、訪問診療の道に進まれたきっかけは?

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s1

大学病院での経験の中で施設への訪問診療を手伝う機会がありました。訪問診療がよくわからない中、実際に施設に伺って診療をしてみると、病院での診察とは違ったリラックスした雰囲気でした。そこで普段病院での診察では相談しにくい話や日常の話題などを通して患者さんの考え方や価値観を深く理解し、それに添える新たな医療のかたちとしての魅力を感じました。在宅医療に興味を持ち2018年より巣鴨ホームクリニックに勤務し経験を積みました。大学病院、市中病院、在宅クリニックとそれぞれの場所で経験を積んだことで、さまざまな症例や価値観、考え方に出会い、その中で「その人らしい生き方を支える医療を提供したい」と考えるようになりました。

大手町というオフィス街に訪問診療クリニックを開業された理由を教えてください。

いろいろな場所を検討していたのですが、訪問診療クリニックは必ずしも住宅街にある必要はないと考えました。私たちが車で患者さんのお宅へ伺うので、むしろスタッフが通いやすい場所を意識して、この場所を選びました。また、千代田区という立地は、訪問診療のエリア的にもいろいろな所に行きやすく、当院の車で30分以内であればほかの区でもどこでも行くというスタンスに合っているというのもありました。実際、千代田区の患者さんだけではなく、現在は墨田区の患者さんも診ています。スタッフも通いやすく、患者さんのところへも行きやすい、そんな場所としてこの場所を選びました。

医師をめざされたきっかけと、泌尿器科を専門に選ばれた理由についても伺えますか?

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s2

子どもの頃、体が弱くて入院することが多かったことが影響していると思います。私は医師の家系ではありませんが、そういった状況から看護師さんやドクターがすごく身近な存在でした。入院してつらい時に寄り添ってもらった経験から、僕も人を助けられるような仕事に携われればと思い医師をめざしました。専門については、内科と泌尿器科で迷っていました。泌尿器科を選んだのは、外来で内科的な治療もしますし、内視鏡や手術などの手技もできて、自分に合っていると思ったからです。大学病院では先輩にも恵まれ泌尿器科だけではなく全身管理も学ぶことができたので、そこで培った知識と経験が今の訪問診療でも生かされればと思います。

専門性を生かした在宅医療で患者の生活を支える

訪問診療でも泌尿器科診療で培った知識や経験が役立っているのですね。

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s3

当院の訪問診療では内科全般を診ていますが、やはり泌尿器科の知識や技術は大きな強みになっています。特に高齢になると排尿トラブルが多くなる傾向にあります。排尿トラブルは多くの人が抱えていますが、実際に受診する人は多くないといわれています。その理由として、泌尿器特有の話しにくさや相談しにくい内容ということが影響していると思います。在宅診療では、患者さんがリラックスできるご自宅という環境で診療を受けられるため、病院では話しづらかった悩みも自然と打ち明けてくださることが多くあります。在宅だからこそ相談しやすい環境を整え、そういった悩みも解決し生活の質を高めるための医療を提供できればと思います。

訪問診療ならではの診療スタイルで心がけていることは?

できるだけ話しやすい雰囲気をつくるよう心がけています。私自身も経験があるのですが、いざ診察となると言えない、話しにくいなと感じる場面もあると思います。ですので、なるべく話しやすい環境や雰囲気をつくり、患者さんの状況を深く理解していい方法で加療できればと思っています。また、ご家族の状況も意識するようにしています。一緒に住んで患者さんを介護しているご家族は、介護疲れの状態にあることも多くあります。そういったご家族に適切なサービスの提案やサポートができるように、患者さんの治療だけでなくご家族の状況にも応じて適切なアドバイスができるよう心がけています。

先生は「生き方に正解はない」というお考えだそうですが、これはどのようなことでしょう。

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s4

これまでの訪問診療でたくさんの患者さんの診療に携わらせていただき、その中で生活や生き方等へのいろいろな考え方、価値観にふれることができました。そういった経験をすることにより、それぞれの患者さんの求める生活、生き方を理解し、それを実現できるようサポートするための医療を提供できればと考えるようになりました。もちろん患者さんを支えるご家族の考え方も大切ですので、できる限り患者さんもご家族も納得いただける生活、生き方ができるようサポートできればと思っています。

住み慣れた家で自分らしく過ごすための医療を

開業して間もないですが、どのような診療体制を整えていらっしゃいますか?

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s5

24時間365日対応できるようにしています。スタッフは看護師が2人と事務が1人、医師は僕1人で今のところ対応をしています。看護師は以前一緒に働いていたことがあり、今回開業するという話をしたところ、一緒に手伝ってくれることになりました。訪問診療の経験も豊富でとても患者さん思いな看護師で一緒に働いていてとても頼りになる看護師ですので、開業後もいろいろ相談に乗ってもらっています。訪問診療はケアマネジャー、訪問看護師、薬剤師等、病院とは違って、皆さん別々の所で働いていますから、それぞれのやり方を無理に崩さずに、患者さんはもちろん、介護や医療に携わる人たち皆がスムーズに連携できるような関係性をつくることを意識しています。

訪問診療を検討されている方に向けて、メッセージやアドバイスがあればお願いします。

訪問診療というのは、経験したことがないとわからないことも多くて、中には抵抗があると感じている方もいると思います。最近はSNSが発展しクリニックや訪問看護ステーションなどが情報を発信していますので調べてみてみるのもいいかもしれません。もしケアマネジャーさんがついていれば相談してみるのもいいですし、区も相談窓口を設置しているところが多いですので利用してみるのもいい方法だと思います。訪問診療は病院に比べできることは制限されますが、自宅で診察を待つことができ、住み慣れた環境で診察を受けることができるため、時間の面や患者さんやご家族の負担の面でも魅力はあると思います。もちろん訪問診療では対応困難な場合、病院受診もできます。そもそも病院受診したほうがいいか、どの科に受診すればいいかなども相談できますので気になりましたらお気軽にお問合せください。ぜひ訪問診療を選択肢の一つとして考えていただきたいです。

今後の展望についてお聞かせください。

齊藤雅享院長 訪問クリニックM’s6

患者さんが満足できるということは大切ですが、その為にはスタッフも満足できる環境にいることが大切だと思っています。いい職場環境をつくっていい医療を提供できるよう試行錯誤していきたいと思っています。また、開業してから「外来診療は行っていますか?」という問い合わせを多くいただいています。働く世代の方々の応援、サポートもしたいと考えていますので今後、訪問診療に影響を来さない範囲で外来も考えています。一般内科から泌尿器、EDやAGA等いろいろ経験してきたので、それらの知識、経験を生かし一人でも多くの方の生活のサポートをできればと考えていますのでよろしくお願いします。まだ開業したばかりで地域の方々にもまだほとんど周知されていない状態ですが、これからじっくりと、でも着実に、一人ひとりの患者さんの生き方を支える医療を提供していきたいと思います。

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