長引く咳の原因が見つかることも
呼吸器内科のCT検査の流れ
池田呼吸器アレルギー内科クリニック
(宇都宮市/鶴田駅)
最終更新日:2025/10/15


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風邪が治ったのに、あるいは風邪をひいたわけでもないのに、咳が長引き「喘息とか、気管支炎なのかな」と不安になることはないだろうか。喫煙者であれば、肺がんや慢性閉塞性肺疾患(COPD)が心配になることも多いだろう。そこで、CT検査を導入して、長引く咳の原因を速やかに見極め、適切な治療につなげている「池田呼吸器アレルギー内科クリニック」池田直哉院長に取材した。池田院長は、勤務医時代、CT検査を受けるためにわざわざ大学病院を受診する患者の負担を痛感。クリニックでCT検査を行い速やかに診断することで、患者の負担や診断までの不安感を軽減したいと開業したという。最近では重喫煙者に対する肺がん検診に推奨されるなど、その有用性が注目されるCT検査について、その意義や流れを知ってほしい。
(取材日2025年9月30日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q長引く咳にはどのような病気が隠れている可能性がありますか?
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A
一般的な風邪の症状でも2、3週間ぐらい咳が続くことは多いのですが、咳が長く続く場合は、百日咳や気管支喘息、気管支拡張症、肺がん、肺結核、間質性肺炎などの病気が原因となっていることも考えられます。タバコを多く吸う方の場合は慢性閉塞性肺疾患(COPD)ということもあります。また呼吸器の病気ではなく、逆流性食道炎にかかっていて咳が続くこともあります。風邪が治ったのに、あるいは風邪をひいてもいないのに、2週間以上咳が続く場合は、風邪以外の病気が隠れている可能性が高いと考えて、呼吸器内科など専門家による診察を受けていただきたいと思います。
- Qクリニックとして、CTを導入している理由を教えてください。
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A
CT検査は、エックス線では見えにくい部分を含めて詳細に観察することができ、小さな肺がんの発見にも役立つことです。エックス線では心臓と肺が重なる場所や、腹部と肺が重なる場所など全体の3分の1は見えにくく、この部分の病変は発見できないのです。CT検査では無症状でも肺がんが見つかることが多いため、最近では肺がん検診にも活用されています。またCT検査で異常が見つからなければ、該当する病気を絞り込むことができます。私は、日本呼吸器学会呼吸器専門医に加え、日本内科学会総合内科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医としての専門性も生かし、CTを活用して多様な疾患の診療に役立てたいと考えています。
- Q検査の上で気をつけていることなどを教えてください。
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A
CT検査は、絶食などの準備も不要で低侵襲な検査です。検査が初めての方や閉所が苦手な方は不安に感じるかもしれませんが、必要なのは10秒ぐらい息止めをすることだけで、検査自体はすぐに終わります。一方で、肺がんなど微小な病変も見つけやすく、病気の早期発見にとても役立ちます。当院では、エックス線検査で異常が疑われる場合など、必要に応じてすぐにCT検査を行い、診断することもあります。受診から検査までの待機時間を短縮することで、患者さんが「何の病気かな」と不安に思われる時間をできるだけ短くするとともに、CT検査を身近に感じていただき、肺がんなどの病気の予防にも役立てていきたいと考えています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診で現在の症状や既往歴などを確認
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長引く咳には、さまざまな病気の可能性があるので、問診で現在の症状や既往歴などの情報を伝えることも重要。同院ではウェブ問診に加え、診察の場で患者の生活背景を含めて丁寧に話を聞くことを心がけている。
- 2必要な検査の説明と検査への同意
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問診内容などから、エックス線検査やCT検査など、必要と考えられる検査をピックアップして、検査内容を患者に詳しく説明する。患者の同意が得られたら、検査へと進む。
- 3エックス線検査
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多くの場合、まずエックス線検査を行い、異常が疑われる場合はCT検査に進む。
- 4CT検査
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絶食など特に準備する必要はない。柄物や大きなボタンなどがない衣類が好ましいが検査着が用意されているのであまり気にしなくて良いとのこと。同院では、医師やスタッフが声をかけて患者の緊張をほぐすことも心がけている。
- 5検査結果と今後の治療方針などの説明
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CT検査の結果は、一般の人には見慣れない画像なので、どの場所かをわかりやすく示しながら説明する。病気が見つかった場合などは、必要に応じて専門の医療機関に紹介。その場で診断がつかなかった場合は、少し時間を置いて再びCT検査を実施し、経過を観察する。
自由診療費用の目安
自由診療とはCTによる肺がん検診/1万2000円~