石田 悠人 院長の独自取材記事
中央林間駅前いしだ内科
(大和市/中央林間駅)
最終更新日:2025/08/07

2025年5月、小田急江ノ島線・東急田園都市線の中央林間駅から徒歩1分のビル3階に開業した「中央林間駅前いしだ内科」。院内は落ち着いた色調で統一され、通いやすい雰囲気を演出している。院長の石田悠人先生は、横浜市立大学内分泌・糖尿病内科学教室や神奈川県内の基幹病院で、糖尿病・内分泌疾患の診療経験を積み、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を持つ。同院では、風邪や発熱などの身近な症状から、糖尿病、甲状腺・副腎疾患といった専門的治療まで幅広く対応。即日検査に対応し、迅速かつ正確な診断と治療を可能とする体制を整備している。糖尿病治療では、患者の生活の質を保ちながら無理なく継続できる治療法を提案。そんな石田院長に、診療方針や専門性へのこだわりについて詳細に語ってもらった。
(取材日2025年7月18日)
糖尿病・内分泌の専門家がいる、かかりつけクリニック
最初に、クリニックのコンセプトからお聞きします。

当院は、安心して気軽に通える「かかりつけ医」をめざしています。風邪や発熱などの一般内科から、糖尿病や甲状腺・副腎などの内分泌疾患まで幅広く対応し、特に専門性が求められる糖尿病や内分泌疾患では、クリニックレベルで最大限の医療を提供できるよう努めています。高次医療機関とも密に連携し、必要に応じた紹介やフォローアップが可能な体制を整えています。また、ホルモンの数値などを即日確認できる検査体制により、迅速かつ適切な診断・治療を実現。治療では数値の改善や合併症予防に加え、生活の質を保つことも重視し、一人ひとりの生活背景に寄り添った無理のない治療をともに考え、地域の健康維持に貢献しています。
これまでのご経験と開業に至る背景を教えてください。
これまで内科・糖尿病内科・内分泌代謝内科の診療に携わってきました。大和市立病院での初期研修の際、神奈川県央地域には糖尿病や内分泌疾患を専門的に診られる医師や紹介先が少なく、課題を感じました。実際、検診結果を放置して症状が悪化した方や、ホルモン疾患の診断がつかず長年悩まれている方にも多く出会い、地元に専門的な相談窓口をつくりたいという思いが芽生えました。その後、横浜労災病院の内分泌・糖尿病センターで、原発性アルドステロン症などの副腎疾患やインスリンポンプ療法を含む糖尿病の専門診療に従事。こうした知見を糖尿病専門医の少ない地域に還元したいとの思いから、2025年5月、中央林間にて開業いたしました。
クリニックの強みはどのようなことでしょうか。

当院の強みは、私が糖尿病・内分泌代謝疾患の専門家であることと、その専門性を生かした迅速かつ柔軟な診療体制にあります。当院では主要な検査であれば外注することなく、即日で結果を確認でき、速やかな診断と治療につなげることが可能です。糖尿病診療では、数値だけにとらわれず、生活に寄り添った無理のない治療を重視しています。糖尿病療養の専門知識を持つスタッフや管理栄養士と連携し、個別対応が可能です。甲状腺疾患は外来でエコー検査を行い、迅速な診断と治療に対応しています。副腎疾患など専門性の高い領域にも注力し、高血圧に隠れたホルモン異常の評価・診断も行っています。土曜午後の診療や発熱症状に対応する外来も含め、地域に根差した医療を提供しています。
症状の陰にあるホルモン異常を見逃さない医療体制
先生は、なぜこの領域を専門分野として選択されたのですか?

私はもともと手先が器用ではなく、手技が多い外科系や内視鏡・カテーテルを扱う診療科は自分に合わないと感じていました。その中で、丁寧な問診や診察、検査結果から病気を見極める「考える医療」に魅力を感じ、糖尿病・内分泌内科を選びました。見逃されがちな病気に気づける点にやりがいがあり、実際に長年診断がつかなかった患者さんの病気を見つけられた経験は、大きな自信になっています。迅速な検査と正確な診断が求められる点も、自分の性格に合っており、この分野を選んで本当に良かったと感じています。
どのような症状のときに相談すれば良いですか?
糖尿病や内分泌の病気は、「これがあったら必ずそう」と断言できるような、わかりやすい症状が少ないのが特徴です。実際には、倦怠感やむくみ、動悸、手足のしびれ、体重の急な増減、月経異常、首の腫れなど、多様な症状が現れることがありますが、患者さんご自身がそれをホルモンの異常と結びつけるのは難しいと思います。一般の内科で原因がわからなかった方や、「ホルモンの病気かも」とどこかで言われた方も、ぜひ一度ご相談ください。当院は、糖尿病や甲状腺・副腎といったホルモンの病気を専門的に診られるクリニックですので、インターネットで情報を調べて気になった方、あるいは内科的な不調で受診先に迷われている方の「最初の相談窓口」としてもご利用いただけます。もちろん、どんな小さな体調の変化でも、気軽にご相談いただけるクリニックでありたいと思っています。
こちらのクリニックの糖尿病治療における特徴は何ですか?

当院では、一般的な2型糖尿病だけでなく、1型糖尿病や膵性糖尿病といった専門的な治療が必要な方にも対応しており、特にインスリンポンプ療法を導入している点が大きな特徴です。インスリンポンプは、体内に持続的にインスリンを注入する小型機器で、注射の負担を減らし、自然なインスリン分泌に近い形で血糖コントロールを行うことができます。血糖測定器と連動して自動調整が可能な機種もあり、特に血糖変動の大きい1型糖尿病の方に適した治療です。この療法をクリニックで行っている施設は全国でもまだ数が少なく、当院は、専門性の高い治療を身近に受けられる数少ない医療機関の一つです。
丁寧な対話と即日検査で、生活に寄り添う医療拠点
患者さんにとって、糖尿病専門医に診てもらうことのメリットは何だと思いますか?

内分泌疾患は、専門的な知識がなければ、そもそも診断の候補として想起されないケースがあります。例えば、糖尿病や橋本病などは一般の内科クリニックでも対応しているところが多いですが、専門でない場合には、新しい治療法に対応していなかったり、副作用に十分配慮されていなかったりするケースもあります。糖尿病治療でも、単に血糖値を下げるだけではなく、臓器を保護するための薬を選ぶなど、治療の選択肢は多岐にわたります。そうした判断は、専門的な知識と経験があってこそ可能です。血糖値がある程度下がっていれば良いという考えで治療が止まってしまっている方も見受けられますが、より質の高い医療を受けるためには、専門家の視点が欠かせません。適切な診断と、その方に合った適切な治療が受けられる。それが糖尿病専門医に診てもらう大きなメリットだと考えています。
先生が診療で心がけていることは何ですか?
診察では、患者さんの目を見て話すことを大切にしています。パソコンの画面ばかり見てしまうと、話をきちんと聞いてもらえないという印象を与えてしまうことがあるからです。また、検査結果については「この数値を目標にしましょう」と具体的に伝え、状態を一緒に確認するようにしています。さらに、「他に気になることはありませんか?」と必ずお聞きします。こちらの説明が十分に思えても、患者さんには伝わっていないことがあるかもしれないからです。糖尿病や内分泌の病気は長く付き合っていく必要がある慢性疾患です。だからこそ、患者さんの生活や通院のしやすさを考慮し、モチベーションを保てるよう心がけています。即日で結果が出る検査機器を活用し、変化をその場で伝えることで、治療の手応えを感じていただけるよう努めています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院では、糖尿病や内分泌疾患に専門的に対応することで、地域の皆さまの健康を支えていきたいと考えています。内分泌疾患は、婦人科など他科と連携が必要な場面も多く、「この分野はここに相談すれば安心」と思っていただけるクリニックをめざしています。診察では一人ひとりと丁寧に向き合う時間を確保し、どんな症状でも気軽に相談していただけるようにしています。風邪や微熱、どこの科に行けば良いかわからないといったお悩みも、遠慮なくご相談ください。当院の強みは、迅速な検査と適切な診断、そして早期に治療を始められる体制です。これは今後も変わらず大切にしていきます。高血圧、慢性的な疲れ、食欲不振、甲状腺の異常、糖尿病のコントロールに不安がある方など、ぜひ一度ご相談ください。皆さまの「最初の相談先」として、お役に立てるよう精進してまいります。