井上 美由起 院長の独自取材記事
メディカルパークセンター北
(横浜市都筑区/センター北駅)
最終更新日:2026/03/26
横浜市都筑区、センター北駅近くで開業してから、今年で1周年を迎えた「メディカルパークセンター北」。院長を務める井上美由起先生は、産科・婦人科を両輪に豊富な経験を積んできたスペシャリストだ。「病院らしくない、居心地の良い空間」をコンセプトに、井上院長自らが細部までこだわって院内を設計。婦人科特有の受診への心理的ハードルを下げたいという願いが、至るところに反映されている。また「患者に受診を後悔させないこと」をポリシーに、目の前の患者に最善を尽くし、笑顔で帰ってもらうことを何よりも大切にしているという。柔和な笑顔が印象的な井上院長に、これまでのキャリアやクリニックの特徴、めざす医療などを聞いてみた。
(取材日2026年2月19日)
全世代の女性たちを支える「生涯のパートナー」に
まずはクリニックのコンセプトを教えてください。

「思春期から老年期まで」をテーマに、乳幼児から90代の方まで幅広い世代の女性を対象にご相談をお受けしています。最近は初経が早まる傾向もあり、陰部の悩みを持つ10歳前後の小学生とお母さんが一緒に来院されることも少なくありません。主な症状としては、生理痛やPMS(月経前症候群)に悩む若い世代、不妊に悩む世代、そして更年期障害の症状を抱える世代、骨盤臓器脱や尿失禁に悩む世代など多岐にわたります。「こんなことで相談しても良いのかな」と迷うような些細な悩みでも、女性の一生をトータルで見守る場所として、決して拒否することなく受け入れる体制を整えています。どのような悩みであっても、まずは入り口として当院を頼っていただければと考えています。
これまでのご経歴について教えてください。
山口大学医学部を卒業後、都内の病院で産婦人科医として研鑽を積んできました。市中病院で多くのお産に立ち会う傍ら、婦人科診療にも深く携わりたいと考え、他のレディースクリニックで院長を務めた経験もあります。当院を運営するメディカルパークグループは、神奈川県内を中心に多数の拠点を設けて産婦人科医療を展開しています。グループとの関わりは、当院の開業にあたって「院長として力を貸してほしい」と声をかけていただいたのがきっかけです。開業に先駆けて横浜駅至近のクリニックで、不妊治療を中心に改めて経験を積ませていただきました。現在は当院での診療に加え、都内のクリニックで今もなお、お産に携わっています。新しい命の誕生に立ち会うことは医師としての私の原点であり、その経験は婦人科診療における女性たちの人生への共感にもつながっています。
内装や空間づくりに対するこだわりがあればお聞かせください。

婦人科は、内科など他の診療科に比べて受診のハードルが高いと感じる方が多い場所です。その抵抗感を少しでも和らげたいと考え、内装の細部に至るまで私自身が決定しました。「病院らしくない、リビングのような温かな空間」をイメージし、プラスチック素材を極力排除。天然の木材を多く採用しました。カウンターや待合室の椅子、キッズスペースの設計まで、すべてに意図があります。例えばキッズスペースは、お母さんが見守れるよう近くに円形ソファーを配置し、ベビーカーのままスムーズに移動できるよう広めの動線も確保しました。窓からの景色も開放感たっぷりですし、リラックスして過ごしていただけるのではないでしょうか。「またここに来たい」と思っていただけるような、心地良さに包まれる環境を提供することも、質の高い診療への第一歩だと信じています。
思春期・更年期のQOL向上から不妊治療まで広く対応
診療を行う上で心がけていることはありますか?

「患者さんに、ここへ来たことを後悔させない」ということです。勇気を出して受診してくださった方が、嫌な思いをして帰るようなことがあっては絶対にいけません。たとえその方の悩みが婦人科の専門外だったとしても、お話を丁寧に伺い、次にどの診療科を受診すべきか適切なアドバイスをすることで、少しでも心を軽くして差し上げたいと考えています。医師として出会える患者さんは、膨大な数の中のほんの一握りです。出会えた「ご縁」を大切にし、笑顔で過ごしてほしい、納得して一歩を踏み出してほしいと願っています。特に婦人科の悩みはセンシティブですから、配慮を欠かさず、常に「来てくれてありがとう」という感謝の気持ちを持って診察にあたっています。この姿勢は医師になってから一度も揺らぐことのない、私の根幹にある信念です。
特に力を入れている治療はありますか?
漢方治療には特に力を入れています。ホルモン療法に抵抗がある方や、検査では異常がないものの不調が続く、いわゆる不定愁訴を抱える方にとって、漢方は非常に有用な選択肢となります。また、更年期障害の治療の一つとして、プラセンタ注射も行っています。これはホットフラッシュの改善に加え、睡眠の質の向上や疲労感軽減をめざした治療法で、保険診療の対象です。予約なしでも、診療時間内であればいつでもすぐに注射ができる体制を整え、仕事の合間や思い立った時に気軽に立ち寄れる環境をつくることで、治療の継続をサポートしています。さらに、妊娠・出産のダメージや加齢により緩みがちな骨盤底筋の強化にも取り組み、加齢による尿漏れや臓器脱の予防をめざしています。薬による治療だけでなく、生活の質(QOL)を底上げするための工夫を取り入れているのが当院の特徴です。
グループ内の連携体制についても教えてください。

当院はグループの一員として、強固な連携体制を築いています。私自身、院長に就任する前の約半年間、グループの不妊治療専門施設で臨床を経験し、知識をアップデートしてきました。当院では人工授精までの不妊治療が可能ですが、体外受精や顕微授精が必要と判断された場合は、速やかに専門施設をご紹介します。同じグループ内であれば診療データの共有もスムーズで、患者さんが再び一から説明する負担を軽減できます。また、手術が必要な場合もグループ内の適切な施設へご紹介できるため、クリニックの規模を超えた安心感を提供できるのが強みです。紹介先の先生方の知識と技術の高さを自分自身の目で見て、納得しているからこそ、自信を持って「安心してお任せください」とお伝えすることができます。
ライフステージごとに変化する女性の体をサポート
ブライダルチェックも受けられるそうですね。

はい。現在は晩婚化が進んでいますが、妊娠・出産にはどうしてもタイムリミットが存在するという事実は、いまだ十分に意識されているとはいえません。今すぐの妊娠を考えていなくても、将来の妊娠・出産をイメージする女性たちが、自分の体の状態を知っておくことは非常に重要です。例えば、妊娠を妨げる疾患が見つかった場合、早期に治療を開始することで将来の選択肢を広げることができます。当院では女性だけでなく、男性の不妊検査も実施しており、ご夫婦そろっての受診も可能です。不妊は決して女性だけの問題ではありません。お二人で未来を考えるきっかけとして、まずは現状を把握するために活用していただきたいです。「いつか」と思った時に後悔しないよう、ライフプランニングをサポートしたいと考えています。
医師を志し、産婦人科を専門とされたきっかけは何ですか?
医師をめざしたのは、小学生の時、国境なき医師団の本を読んで感動したのがきっかけです。初期研修で各科を回った際に、お産に立ち会い感動したことから、産婦人科を専門に選びました。女性の体はライフステージごとに大きく変化しますが、産婦人科はどの段階においても女性たちを一貫してサポートできる診療科。私自身も女性であり、女性たちを応援できる産婦人科診療に大きなやりがいを感じています。
今後の展望と、読者の方へのメッセージをお願いします。

現在は妊娠12週頃までとなっている妊婦健診を、32週頃まで対応できるようにしたいと考えています。里帰り出産を希望される方が、ギリギリまで住み慣れた地域で健診を受けられる体制を構築するのが目標です。また、休診日を減らすなど、より通いやすい環境づくりにも取り組んでいきます。患者さんと対話し、笑顔になって帰っていただけるように日々努めています。この仕事が大好きで、私のほうが元気をいただいています。婦人科系の痛みや不調は、我慢する必要はありません。一人で抱え込まず、気軽におしゃべりをするような感覚でいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはブライダルチェック/2万5000円~

