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大久保 和樹 院長の独自取材記事

新富ひむかクリニック

(児湯郡新富町/日向新富駅)

最終更新日:2025/07/11

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック main

JR日豊本線・日向新富駅から車で5分の国道沿いにある、三角屋根が印象的な黒い建物。2025年5月に開業した「新富ひむかクリニック」だ。院内の壁はアンティークグリーンとオフホワイトで彩られ、南側にある大きなガラス戸からは田園風景が見渡せる。同院の院長を務めるのは、大久保和樹先生。泌尿器科を専門としながら、さまざまな病院で研鑽を積み、ジェネラルな視点での診療を得意とする。「この地域の医療のハードルを下げたい」と優しく話す大久保院長に、話を聞いた。

(取材日2025年4月17日)

地域の相談窓口として包括的に診療するジェネラリスト

まず、先生のこれまでの経歴を教えてください。

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック1

防衛医科大学校を卒業後、防衛省医官として航空自衛隊の基地で勤務する傍ら、焼津市立総合病院や聖隷浜松病院などで泌尿器科を専門とする研鑽を積みました。私の専門は泌尿器科ですが、総合病院では専門の診療科にかかわらず、さまざまな患者さんを診療してきたので、医師としては早い段階で適応能力が身についたと感じています。おかげで幅広い患者さんをジェネラルに診られるようになりましたし、さまざまな先生と出会う機会にも恵まれましたね。その後、2021年に防衛医科大学校医学研究科を卒業し、ご縁があって新富町に開業する運びとなりました。

なぜ開業しようと思われたのですか?

医療というもの自体のハードルが高くなっている危機感があったからでしょうか。特にこういう田舎は、ちょっとした症状の相談や自費診療、在宅医療など、本来はそんなに高くないはずの医療のハードルが、すごく高くなっている印象があったんです。例えば、この地域ではまだ在宅医療があまり行われていませんが、通院が難しくなっている患者さんに、家族に仕事を休ませてまでわざわざ受診させるのは非常に不便だと感じます。そんな手間をかけさせるのなら、私が動いたほうがよっぽど早いし合理的なのではないか。そういった障壁をなるべくなくして医療が提供できないかと考えた時、「だったら自分がやればいい」という結論に至り、泌尿器科や内科、小児科といった外来診療と、訪問診療をともに提供するクリニックの開業を思い立ちました。自費診療やオンライン診療にも取り組み、プライマリケアから終末期医療まで提供していきます。

医療のハードルを下げるためにも、幅広い診療を行いたいという思いをお持ちなのですね。

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック2

断片的な医療ではなく、その人の体にとって何が良いのかを診られる場所でありたいと思っています。例えば泌尿器科の疾患である頻尿は、高血圧症や糖尿病といった生活習慣病をお持ちの方がほとんどです。そういった患者さんの中には服用している薬がすごく多い場合もあり、それを整理して助言してあげないと、良くならないどころか薬が増えるだけになってしまいます。逆に言うと、いらない薬を省いたりすることで症状の改善が期待できる場合もあるんです。そういったジェネラルな視点で包括的に診療できれば、患者さんは診療科ごとに異なるクリニックに行く必要がなくなり、医療に対するハードルも下がると思うんです。もちろん専門科じゃないと診られない疾患もありますが、専門的な医療が必要な場合は然るべきところに紹介します。どこに行けばいいかわからないときに相談できる、地域医療の窓口になれればうれしいですね。

患者の立場に立ち、シンプルな言葉で治療につなげる

泌尿器科の道に進んだのはなぜですか?

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック3

いろいろな面でゆかりを感じたからですね。実は、学生時代はあまり真面目に実習を受けるタイプの人間ではなかったのですが、泌尿器科の実習は、なぜかすごく真面目に受けていたんです。学生実習で恩師に出会ったことも大きかったですね。当時から局所を診る診療科にはあまり興味がなく、診療できる範囲が広いほうが良いなと考えていました。「この診療科ではこれしか診られない」というのはちょっと寂しいなと思ったんです。手術もやりたかったですし、今自費診療で扱っているAGA(男性型脱毛症)に私自身が悩んでいたことも、泌尿器科を選んだ理由の一つです(笑)。AGAの薬は、もともと泌尿器科の薬の副作用から見つかったんですよ。自分のやりたいことや悩みと合致したのが泌尿器科だったのだと思います。

印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか?

新米医師だった頃、聖隷浜松病院で診療した患者さんから匿名で感謝状をいただいたことが印象に残っています。その患者さんは膀胱がんで、私が手術を担当し、術後もいろいろなお話をさせていただきました。膀胱がんは経過を長く診なければならないため、私がいた1年間だけで完結させることはできませんでしたが、後日、「先生に診てもらって良かった」というお声を投函してくださいました。治療後の患者さんの声が医師に届くことってなかなかないんです。だからこそ新鮮でしたし、当時は平日のうち3日間は自衛隊の基地で勤務し、2~3日は聖隷浜松病院で診療するというスタイル。週の半分しか病院にいなかったにもかかわらず、そういった評価をいただけたのはうれしかったですね。

診療にあたって大切にしていることを教えてください。

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック4

一言で言うと、「シンプルに」ということですね。理解もシンプルにできなければなりませんし、治療内容もシンプルにしないといけないなと思っています。恩師に常々言われていたのが、「幼稚園の子どもにもわかる内容で説明しなさい」。いくら専門家に専門的な用語で説明できたとしても、平易な言葉で理解されないと意味がないんだと教えられてきました。相手の立場を考えて、なるべく平易な言葉で伝えることを今も常に心がけています。患者さんに理解されないと、治療には結びつかないと思っています。

市民目線でめざす、地域で一番便利なクリニック

先生ご自身が健康のために気をつけていることはありますか?

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック5

週3日ジムに通って運動しています。自衛隊の基地で勤務していた時は走ったりもしていましたね。今はなかなか走る時間が取れませんが、有酸素運動よりもジムのほうがバルクアップにつながるので、ジム通いは欠かさないようにしています。私は生活習慣病の患者さんを診る機会も多く、患者さんに指導しないといけない立場でもありますから、少なくとも「自分は健康に留意している」とアピールできるようにしないといけないなと思っています。「この人がやっているのであれば、何も文句は言えないな」という体制をつくらないと、指導しづらいじゃないですか。指導する側の人間が何も運動していなかったら、「お前はどうなんだ」と思われてしまいますから(笑)。

患者さんと同じ目線で話せるように、先生自身も運動を実践していらっしゃるのですね。

生活習慣だけでなく生活スタイルもそうだと思いますが、患者さんと同じ土俵に立つことが大事だと考えています。私は医師家系の出身ではなく、父も工事現場で働いていたので、そういった方の生活習慣がある程度わかるんです。例えば定期的な服薬が難しい患者さんの場合、なぜ薬が飲めないのかがわからなければ対処できませんよね。その患者さんがトラック運転手で、夜中もずっと運転する不規則な生活だと、それは確かに服薬できないでしょう。そういった生活を知っていれば、1日3回の服薬をなるべく避けて、服薬の仕方を1日1回に変えるといった対応ができます。ちょっとしたことかもしれませんが、いわゆる市民目線を持っているかどうかって、私たち医師にとっては大事なのだと思います。同じ目線で話してくれる医師なら、患者さんも相談しやすいですよね。つまりは、疾患ではなく、その人を見てあげることが大事なのだと思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

大久保和樹院長 新富ひむかクリニック6

地域で一番便利なクリニックをめざしたいですね。ちょっと具合が悪いときにも受診できて、薬の整理や管理を任せることができて、看取りなどにも対応できる「ここがあって良かった」と思われるクリニックにしていきたいと思っています。また、AGA治療をはじめ、避妊用低用量ピル、緊急避妊用ピル、ニンニク注射などの自費診療も行っています。当院では、予約システムを取り入れるなどインフラ整備を進める一方で、インターネットを使えないお年寄りも安心して受診できるよう電話での予約受付や窓口での対応に配慮しています。また、平日の午前中は訪問診療に充てていますので、在宅医療もぜひご相談いただきたいですね。患者さん一人ひとりのニーズに応じた臨機応変な対応で、誰もが受診しやすいクリニックづくりに努めていますので、何かあれば気軽に相談してください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

AGA(男性型脱毛症)治療/4000円~、経口避妊薬/1ヵ月2000円、レボノルゲストレル(緊急避妊薬)/1回5000円、ニンニク注射/1回2000円

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