大木 誠 院長の独自取材記事
しろくま歯科クリニック
(鹿児島市/騎射場駅)
最終更新日:2025/06/27

鹿児島県民に多く親しまれているシロクマのように、地域に根差し、親しまれる歯科医院になりたい。そんな想いを込めて名づけられた「しろくま歯科クリニック」。白をベースに淡い青色をアクセントとした院内には、クリニックのために調合されたオリジナルのアロマがほのかに漂い、ここが歯科医院であることを忘れそうになる。2025年5月に同院を開業した大木誠院長は、味覚のメカニズムに関する研究に10年間携わった後、臨床の現場へと転じた。診療では、主訴だけでなく口腔全体の健康を見据え、患者に寄り添った治療を心がけている。「お口の健康を通じて地域の発展に貢献したい」と穏やかな笑顔で語る大木院長に、クリニックの特徴や今後の展望について語ってもらった。
(取材日2025年5月28日)
誰もが通いやすい歯科医院をめざして開業
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

クリニック名を「しろくま歯科クリニック」にしたのは、私がもともとシロクマが好きだったことがきっかけです。鹿児島では、かき氷の商品名に使われていたり、動物園で親しまれていたりする存在でもあります。当院も、地域の方から身近に感じてもらえるクリニックになりたいという想いで名づけました。院内の内装も、シロクマがいる北極の空や海、氷をイメージした、白や青を基調とした配色にしています。エックス線検査室にはシロクマ柄の壁紙を取り入れ、少しでも緊張を和らげられるよう工夫しました。キッズスペースのパーティションにもシロクマがデザインされているんですよ。また、オリジナルのアロマやBGMによって、患者さんには五感でリラックスしてもらえる空間づくりを心がけています。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?
小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い年齢層の方にご来院いただいています。近隣に鹿児島大学があるので、学生の患者さんもいらっしゃいます。意外と多く感じるのが「歯がしみる」といった知覚過敏の症状です。話を聞いてみると、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりが原因になっているケースも多く、年代を問わず皆さんが頑張って日々を過ごされているのだと感じます。
クリニックの診療方針を教えてください。

「お口の健康を通じて地域の発展に貢献する」という理念を大切にしています。まずは主訴にしっかり向き合いながらお口全体の環境を整え、患者さんが健康に食べて話せる暮らしをサポートする治療をめざしています。特に意識しているのは、患者さんの声を丁寧に聞くことです。患者さんがリラックスして話せるよう、院内は開放的で明るい雰囲気にし、スタッフにも話しかけやすい対応を心がけてもらっています。また、お子さんには「歯科医院は怖くない場所」と思ってもらえるよう、遊びに行く感覚で通っていただき、慣れてきたら少しずつ診療を進めています。
予防や小児矯正など幅広い診療に対応
診療の特徴を教えてください。

当院が主に診療の柱としているのは、歯科、小児歯科、矯正歯科の3つです。入れ歯の作製や修理にも対応しています。特に重視しているのは、虫歯や歯周病の治療後に予防へとつなげることです。最近では、お子さんの歯並びを心配される保護者の方も多く、今後は小児矯正にもさらに力を入れていきたいと考えています。また、審美面ではホワイトニングも行っており、見た目の部分でもサポートしていきたいと思っています。
予防歯科の診療では、どのような点を意識していますか?
まずは、定期的なメンテナンスに通う習慣をつくっていただくことが大切です。来院される方の中には、予防の大切さを理解されている方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。後者の方には、歯周病や虫歯の予防が将来的な健康につながることを、私や歯科衛生士から丁寧に説明しています。メンテナンスの頻度は患者さんのお口の状態によって異なりますが、基本的には3ヵ月に1回を目安に来ていただくのが理想です。メンテナンスの際には、お口の中を清潔にするため歯石を除去して、歯磨きの仕方についてもアドバイスしています。
小児矯正について詳しく教えてください。

小児矯正は、予防にもつながると考え、力を入れています。歯並びが悪いと将来的な噛み合わせに影響が出るだけでなく、磨き残しが増えて、虫歯や歯周病のリスクが高まるためです。以前の勤務先でも、お子さんの歯並びを気にされる保護者の方が多く、実際に診てみると噛む力が弱かったり、口が開きがちだったりするお子さんが多い印象を受けました。私にも子どもがいますが、やはり噛む力の弱さは気になっています。小児矯正のスタート時期は、上下の前歯が永久歯に生え替わる頃が目安です。ただし、指しゃぶりや、口を開けたままにする癖がある場合は、もう少し早い段階から、お口の機能を高めるためのトレーニングを始めます。また、姿勢の悪さから口が開いてしまうこともあり、そのような場合は体を動かす遊びを通じて姿勢の改善を図ります。
導入している設備の特徴についてはいかがでしょうか?
当院では、エックス線検査装置のほか、半導体レーザーや口腔内スキャナーを導入しています。半導体レーザーは、歯周病治療や根管治療、口内炎の処置、顎関節症の痛みの治療などに活用しています。口腔内スキャナーは、歯並びの状態を3Dデータで確認できるため、矯正のシミュレーションやかぶせ物の型採りの際に使っています。患者さんにわかりやすい説明を行う際にも欠かせない機器ですね。またクリニックでは衛生管理にも力を入れており、滅菌レベルが極めて高いクラスBの滅菌器や、オゾン水生成器も設置しました。オゾン水には殺菌作用が見込めるため、感染症防止に役立てています。普段は患者さんが目にしない部分だからこそ、開院にあたり妥協したくなかった設備の一つです。
患者のあらゆるニーズに応え、地域に貢献したい
先生のご経歴を教えてください。

2008年に鹿児島大学歯学部を卒業し、大学病院で1年間勤務しました。もともと生理学に興味があり、在学中から基礎研究の道に進むことを決めていたため、その後は鹿児島大学大学院に助教として10年間勤務し、味覚のメカニズムに関する研究に従事しました。助教としての任期満了後も研究職を続ける選択肢はありましたが、患者さんと直接向き合う診療のほうに魅力を感じるようになったんです。そこで、2020年から鹿児島市内の歯科医院に勤務して臨床経験を積み、クリニック開業に至りました。
ところで、先生は茶道が趣味だそうですね。
そうなんです。学生時代、サークルの先輩に声をかけてもらったのがきっかけで始めました。もう20年以上続けています。お稽古には程良い緊張感があり、気持ちが引き締まる一方で、先生や仲間たちはとても明るくて穏やかな方ばかりなので、場の雰囲気がとても居心地が良いんです。今は開業したばかりで少しお稽古から離れていますが、落ち着いたらまた再開したいと思っています。茶道の所作は一見形式ばっているようでいて、実はとても合理的で無駄がないんです。仕事とは違う世界にふれることで、気持ちもリフレッシュされますね。年に1度、小学校の総合学習の時間に、茶道を紹介する出張授業にも参加しています。医療とは別の形で地域とつながれることにもやりがいを感じています。
どのような歯科医院をめざしていますか?

今後は、訪問診療にも取り組んでいきたいと考えています。以前の勤務先で訪問診療に携わる中、外出がままならないために歯科医院に通院できず、困っている人を数多く見てきました。この辺りの地域には高齢の方も多くいらっしゃいます。今現在、通院が難しい方はもちろん、今来院されている患者さんが将来外出しにくくなったときに「ここで診てほしい」と思っていただけるような歯科診療を提供していきたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。
当院では、「お口の健康を通じて地域の発展に貢献する」ことをめざし、日々の診療に取り組んでいます。歯に関するお悩みはどんなに小さなことでも構いませんので、まずは気軽にご相談ください。しっかり食べて、よく話し、たくさん笑う。そんな健康的な毎日を送るお手伝いができればうれしく思います。健康になった患者さんが地域で元気に過ごし、勉強や仕事に前向きに取り組むことによって、街全体も活気づいていくはずです。そのために、当院もほんの少しでもお役に立てたらという気持ちで、これからも日々の診療に向き合っていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児全顎矯正/27万5000円~、成人全顎矯正/44万円~、オフィスホワイトニング/1回1万4880円~、ホームホワイトニング/2万9980円、