粉瘤や脂肪腫などのできものは
日帰り手術で早期解決をめざす
かたおか内科外科クリニック
(京都市上京区/出町柳駅)
最終更新日:2025/07/18


- 保険診療
知らぬ間に皮膚に小さなしこりが現れ、痛みはないものの、なんとなく気になって落ち着かない。日常生活の中でありがちなトラブルだが、最大の悩みはそれが何なのか、このまま放っておいて良いのかどうかという不安に違いない。こうしたできものの診断から治療まで、豊富な知識や経験をもとに対応してくれるのが「かたおか内科外科クリニック」だ。片岡佳樹院長は、日帰りで行う切開手術や摘出手術を視野に入れ、トータルな診療で患者の悩みに応えている。今回は特に粉瘤(アテローム)や脂肪腫(リポーマ)にテーマを絞り、その傾向と対策について詳しく解説してもらい、また他にもさまざまな症例に対応する同院の多彩な診療スタンスにも迫ってみた。
(取材日2025年7月2日)
目次
大きな傷痕を残さないためにも、腫れや痛みが出る前に専門家の診断を
- Q皮膚にできものがあります。受診する必要はありますか?
-
A
▲気になる症状があれば早めに専門家のもとへ受診を
皮膚や皮下にできるできものには、ニキビやイボ、足にできるたこやうおのめなど、さまざまなものがあります。中でも原因がよくわからず、初期には症状がないため気づきにくいのが粉瘤と脂肪腫です。粉瘤は表皮にできた袋状の組織内に垢や皮脂などの老廃物がたまってできる腫瘤で、細菌感染などで炎症を起こすと腫れや痛みを生じます。一方の脂肪腫は皮下組織内にできた脂肪の塊で、多くは良性ですが、中には悪性の脂肪肉腫もあるので注意が必要です。粉瘤か脂肪腫かは一般の方にはわかりづらく、治療法もそれぞれ異なります。大きくなるほど治療は厄介になりますから、早めに専門家の診断を受けることをお勧めします。
- Qどのような治療法があるのか、具体的に教えてください。
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A
▲治療法について、詳しく話している片岡院長
粉瘤も脂肪腫も、局所麻酔下で行う日帰り摘出手術が一般的です。まず粉瘤に関しては、再発リスクは低く抑えるため、切開して袋ごと摘出する方法を取ります。ただし炎症がある場合は切開して膿を出し、傷が収まってから再処置を行う必要があります。また、くり抜き法と呼ばれる手術もあり、小さなものであれば切開や縫合の必要はなく傷痕も目立ちにくいです。脂肪腫は切開して摘出するのが一般的ですが、切除した組織は病理検査に回し、悪性でないかを必ず確認します。ちなみに背中など、できものの場所によっては自分では確認しづらいため、当院では術前と術後に写真を撮り、患者さんにお見せしながら説明時にも活用するようにしています。
- Q手術と聞くと、保険の適用を含めて費用が心配なのですが。
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A
▲費用なども含め、しっかりと患者に説明した上で手術を実施する
治療が必要と診断した場合は健康保険が適用されるため、さほど大きな出費とはなりません。手術費用は場所や切除部分の直径によって異なり、顔や首、肘や膝から先といった露出部を例に取れば、3割負担で2cm未満が5000円〜、2〜4cm未満が1万1000円〜、4cm以上が1万3000円〜。露出部以外に関しては3割負担で3cm未満が4000円〜、3〜6cm未満が1万円〜、6〜12cm未満が1万2000円〜となります。また、検査費用1000円と診察料・処方料1000円、病理検査に出した場合は3000円が別途必要です。こうした費用面を含め、きちんとご説明した上で治療を行いますので安心してください。
- Q先生は外科手術の経験が豊富だと伺いました。
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A
▲患者のその後の生活も考え、傷痕に対しても最大限の配慮を行う
私はもともと消化管外科が専門で、出身である島根医科大学(現・島根大学医学部)やその関連病院、京都大学医学部などで、胃がんや盲腸といった開腹手術を多数手がけました。病院で行う大規模な手術からクリニックでの日帰り手術まで、さまざまな外科手術を経験しているので、粉瘤や脂肪腫に関しても安心してお任せいただければと思います。誰でも、できれば傷痕はきれいに治療したいもの。ある程度はどうしても残ることがありますが、患者さんの気持ちに寄り添って、なるべく最小に、きれいに、というのを心がけています。万一、悪性の脂肪肉腫と判明した場合は速やかに連携病院に連携しますので、まずは早めに当院までお越しください。
- Qこちらでは、他にどのような外科処置が受けられますか?
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A
▲幅広い範囲の外来診療はもちろん、往診や訪問診療まで対応可能
当院では皆さんに対するプライマリケアを第一の目標に、切り傷やすり傷、刺し傷、やけどといった日常生活で起こるさまざまな外傷から、陥入爪や巻き爪、良性腫瘍、褥瘡(床ずれ)まで、外科領域の症状に幅広く対応しています。もちろん日帰り手術などの外科処置だけでなく、一般内科診療や急性虫垂炎などの見極め、薬を用いた痔の保存療法なども行っています。また、急な引っ越しや出張などで消毒や抜糸の引き継ぎが必要な際には当院にお申し出ください。往診や訪問診療といった在宅医療の相談にも応じていますので、寝たきりなどで外来受診が困難な方も遠慮なく、お困りの際はお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。