長島 周平 院長、長島 麻子 副院長の独自取材記事
横浜駅前ながしまクリニック
(横浜市神奈川区/横浜駅)
最終更新日:2025/06/04

横浜駅のきた西口から徒歩約3分、環状1号線沿いの真新しいマンション兼医療ビルに「横浜駅前ながしまクリニック」がある。長島周平院長が日本産科婦人科学会産婦人科専門医である長島麻子副院長とともに、2025年4月に開業。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医・日本消化器病学会消化器病専門医・日本肝臓学会肝臓専門医である周平院長が担当する消化器内科と、麻子副院長が担当する産婦人科の診療を、院内の動線を分けて提供している。モットーは「大病を未病に」。「気軽に内視鏡検査を受けていただいて、早期発見・早期治療に努めたい」という周平院長と、「産婦人科受診のハードルを下げ、女性の体の悩みに寄り添いたい」という麻子副院長。2人に開業と医療への思いを聞いた。
(取材日2025年5月8日)
受診のハードルを下げ、大きな病気を未然に防ぎたい
開業に際して、どんな思いをお持ちだったのでしょうか?

【周平院長】私の専門の一つが内視鏡で、これまで多くの症例に携わり十分な経験を積むことができたこと、もともとの専門である肝臓・胆嚢・膵臓といった肝胆膵領域においても、特殊な内視鏡検査を通して、納得がいくまで研鑽を深めることができたので次のステップとして開業を考えるようになりました。経験を重ねても知識のアップデートは欠かせませんが、自分がやりたいことに気づいたんです。以前、神奈川県立がんセンターに約4年勤務していたのですが、そこで多くの肝胆膵領域の患者さんと向き合いました。もともと肝胆膵領域のがんは、症状が出にくく、気づけば進行がんになっているケースがよく見られるんです。実際がんセンターでも、近くのクリニックを受診し様子を見ている間に進行がんになっていた患者さんが多くいらっしゃいました。そうなる前に、病気を防ぎ、早期発見・早期治療へつなげられる医療を提供したいと強く思い、開業に至りました。
麻子先生はいかがですか?
【麻子先生】そもそも婦人科って、受診までのハードルがかなり高いんです。私はこれまで妊娠22週から出生後7日未満の期間である周産期医療を中心に携わり、今も別のクリニックでは分娩にも立ち会っています。それはとても大切な時間ですが、人生のうちわずか1年ほどのお付き合いになります。でも、女性には特有の体の悩みがたくさんあり、それもライフステージとともに変化していきます。そこで、皆さんが「相談しやすいな」と思っていただける婦人科のかかりつけ医師が一人いれば、お役に立てるだろうと思いました。経験上、患者さんの信頼を得ることで、気軽に女性特有の悩みを相談していただきやすくなります。そして、私も患者さんに寄り添いながら一緒に答えを出していくことができるだろうと。そんな役割を担えればと考えて、夫と開業を決意しました。
どんな方々に来ていただきたいですか?

【周平院長】若いうちからご自身の健康を意識し、クリニックを受診することに慣れていただきたいと思っています。当院のモットーは「大病を未病に」です。がんを一つの指標にするなら、胃がん・大腸がんは40歳を過ぎると増え、その後右肩上がりになります。肝胆膵領域のがんはは60代から増える病気です。ピークは違うものの、そもそもクリニックを受診する習慣がない場合、中高年になると一層病院から足が遠のきがちです。婦人科受診のハードルを下げたいと副院長は言いましたが、内視鏡などの検査やスクリーニングでも同様です。そのハードルを下げることで、クリニックへのアクセスが増え、大きな病気を未然に防ぎやすくなると思います。性別や年代を問わず、どなたでも気軽にお越しいただきたいですね。
普段から受けやすい内視鏡検査と婦人科診療をめざして
検査のハードルを下げるためにさまざまな工夫をされていると伺いました。

【周平院長】まず心がけているのは、「もう受けたくない」と思わせないことです。検査や下剤の苦痛はできるだけ避けられるよう努力しています。胃の内視鏡検査では口からではなく、経鼻ファイバーという鼻から通す細いカメラを使用したり、過去に下剤がつらかったという経験があるのなら、お薬の種類を変えて対応したり。あとは胃・大腸の内視鏡検査ともに鎮静剤・鎮痛剤を用意していて、眠ったような状態で検査を受けることも可能です。高齢の方の場合には、呼吸数や血圧が落ちる可能性のあるお薬もありますので、それが起こりにくい鎮静剤を選び、安全面にも配慮しています。
これまで患者さんにはどのように接してこられましたか?
【周平院長】神奈川県立がんセンターにいた時に、私が診ていたのはほとんどが進行期で手術ができず、抗がん剤治療を受ける患者さんで、人生の最期をサポートすることも多くありました。ですので、患者さんとの付き合いは非常に濃く、何より患者さんの気持ちをくみ取ることを意識して診療にあたっていました。以前は藤沢市民病院に勤務しており、そこでは急性期の疾患や救急対応が多い部署で経験を積みました。診療スタイルとしては、どの現場でも一貫して「患者さんファースト」を大切にしてきました。時にはクリニックから紹介されてきたものの、ご自身では受診理由を理解していない患者さんに出会うこともありました。そういったケースを通して、丁寧な説明や情報共有の大切さを強く実感しています。当院では、患者さんが納得して安心して帰っていただけることを何より大切にしています。
麻子先生は患者さんとどのように向き合っていきたいとお考えですか?

【麻子先生】これまではお産と妊婦健診を中心に診てきたので、どうしても患者さんと関われる期間が限られていました。ここでは一人ひとりの患者さんとじっくり向き合い、妊娠・出産に限らず、月経や更年期など女性のライフステージに寄り添ったサポートをしていきたいと考えています。加えて、知識の啓発も大切だと考えています。昔、葛飾区の産院で働いていたんですが、そこでは避妊の方法などを知らずに望まぬ妊娠をしてしまい受診されるケースもありました。子宮頸がんのワクチンや検診も、選べる方法がいろいろあります。患者さんに知ってもらいながら、一緒に考えていけるような関係を大切にしたいです。
患者の話を聞き、患者からも話しやすい姿勢を心がける
患者さんと接する際に意識されていることはありますか?

【麻子先生】当然ですが「患者さんの話を聞く」ということです。女性は特に話を聞いてほしいと思って来られる方が多いですし、そこに診断のヒントが隠されていることもあるので、直接関係ない話でも聞く姿勢は崩さないように意識しています。
【周平院長】あとは、「ちゃんと伝わるように話す」ということです。専門用語をむやみに使うと、患者さんは突然話がわからなくなる。丁寧に説明していくことが、患者さんの話しやすさにもつながってくるんじゃないかなと思っています。私も患者さんの本心を引き出すように話すことを心がけています。そこのハードルを下げると同時にスタッフとも、どうすればもっとわかりやすく伝えられるかを日々話し合っています。患者さんにとって、私たち医師に話しづらいこともあるかもしれません。スタッフにも患者さんの思いをうまく引き出してもらうことで、そういった部分を補っていけるような環境にしていきたいです。
消化器内科と産婦人科を併設していることの強みを教えてください。
【周平院長】何かしら症状があるとき、どの科に行ったら良いかわからないことが結構あると思うんです。例えば、腹痛の症状であっても、消化器ではなく婦人科系の病気が原因になっていたなんてケースはよくあるものです。そういった場合に、的確かつ迅速に解決へつなげられたら良いなと思っています。
【麻子先生】消化器内科と併設していることで産婦人科の受診のハードルも下がるのではないでしょうか。当院では健康診査も提供していて、今後そこに婦人科の検査項目をセットにしたいと考えています。健診ってお勤めの会社で項目が決まりがちですが、なかなか受けにくい婦人科の検査に関しても併せてご提供できれば良いなと思っています。
読者へメッセージをお願いします。

【周平院長】普通のクリニックよりも来院のハードルをぐっと下げているつもりです。症状が出たときに我慢せず、すぐお越しください。「あそこに行けば大丈夫」と思ってもらえるようなクリニックになればと良いなと頑張っています。
【麻子先生】相談しやすいドクターであろうと努めています。長いお付き合いの最初のきっかけになれば良いなと思っていますので、ぜひ小さな悩みでもご相談ください。