後田 一帆 理事長の独自取材記事
よつば歯科クリニック 門司院
(北九州市門司区/門司駅)
最終更新日:2025/07/01

「めざすのは地域の健康寿命延伸です」。そう力強く語るのは、2025年4月に開業した「よつば歯科クリニック 門司院」の後田一帆(うしろだ・かずほ)理事長だ。下関にある本院で10年近く培った経験と知識を地元でも生かしたいと、門司区での分院開業に至ったと話す。コンセプトは本院同様にメンテナンスを重視した歯科診療。一般歯科に加え、自由診療にも力を入れて取り組んでいるという。その背景には再治療のリスクを軽減し、「いつまでも自分の歯でしっかり噛んで健康体でいてほしい」という理事長の患者に対する熱い想いがある。それを実現すべく同院では先進機器を導入し、矯正や精密根管治療など多種多様な診療を実施。歯の健康を守るための予防や同院ならではの診療、後進の育成、今後の展望など、後田理事長の情熱にふれてきた。
(取材日2025年6月10日)
下関にある歯科クリニックの分院として門司区で開業
こちらは下関にある歯科クリニックの分院だそうですね。

ええ、まず2016年に下関で「よつば歯科クリニック」を開業しまして、「メンテナンスを重視した診療」をコンセプトに、お子さんから高齢の方まで幅広い年代の診療を行ってまいりました。そこで得たものを私の地元であるここ門司区でも生かし、地域の健康に貢献したいという想いから今年4月の開業に至りました。メンテナンスを柱としているのは本院同様ですが、こちらでは自由診療にも力を入れているのが少し異なる点になります。
まずメンテナンスを軸に診療を展開されている背景について教えていただけますか?
歯に対する意識は近年高まってきてはいるものの、まだまだ十分とは言えません。再治療を繰り返すと最終的には歯を失ってしまいますので、歯科医師として、虫歯になってからの治療よりも虫歯にならないための予防を広めていく必要があると感じたのが一番の理由です。日本の保険診療のシステムは、海外と違い治療を安価に受けられるというメリットがある一方で、費用が安いぶんトラブルが起きてから受診する人も多いというデメリットも。その現状をどう変えていくべきか考えた時に、今のメンテナンスを主軸とした診療スタイルにたどり着きました。幸い下関の本院でしっかり土台を築くことができましたので、それをもとにこちらではより選択肢の多い診療を行っていきたいと考えています。
それが自由診療にも注力されている理由なのですね。

ええ、自由診療は再治療のリスクを軽減でき、より症状に適した治療の提供が可能になる点が大きなメリット。それは、保険診療は使用できる材質が限られるからです。自由診療は治療法をカスタマイズできる上、セラミックなど良い材質が使用可能。例えば、歯を削った後に装着する詰め物やかぶせ物の場合、通常2回のところ自由診療では1回の来院で装着まで完了します。なぜかと言うと、従来は歯を削った後、型採りをし、詰め物やかぶせ物の製作は外注に出すため、1週間後に再来院していただき、技工所から届いた詰め物やかぶせ物を装着していました。歯を削った部分に仮ぶたをしたままだと1~2日ほどで汚染されることをご存じでしょうか。つまり、すでに汚染された状態でかぶせ物を装着してしまうと、当然再治療のリスクが高まるため、1日で終わらせることが重要なのです。
予防を軸に再治療のリスク軽減を図る自由診療にも注力
自由診療だとなぜ1回の来院で済むのですか?

当院は歯を削ったその日のうちに口腔内スキャナーで型採りし、院内で1本であれば10~15分ほどで詰め物やかぶせ物を作製できるシステムを導入したことで、その日のうちに虫歯治療からかぶせ物の装着まで完了できるようになりました。それが1回の来院で済み、なおかつ再治療のリスクを大幅に軽減できる理由です。その日のうちにかぶせ物をセットできるのは生物学的にも非常に優位性の高い治療だと考えます。そもそも歯を削って仮ぶたをし、そのまま1週間後に仮ぶたを外して詰め物を装着するという工程が歯に良くありません。自由診療で費用はかかりますが、歯を削った面が汚染されていないうちに、良い材質の歯を入れられます。再治療を繰り返さずに済めばその分の費用はかからないわけですから、そこをどう捉えるかですよね。いわゆる銀歯といわれる金属も使いませんので、金属アレルギーの心配もご不要です。
来院される患者さんの特徴についても教えていただけますか?
年代でいうと、お子さんから高齢者まで幅広い方がお見えになります。当院は予防を前面に打ち出していることもあり、親御さんも含めデンタルIQの高い方が多いように感じます。ただ、最初からメンテナンスや歯科検診を受けたいとおっしゃる方が多い一方で、歯のトラブルが起きてから来院される方も多数。地域にはまだまだ予防歯科が浸透していないと感じているので、地域の予防意識が高まるよう、さまざまな働きかけを行っていきたいと考えています。治療に関しては、精密根管治療のご相談も増えてきました。歯の根っこの根管治療は裸眼では見えない部分も多く不確実性が高い治療になりますので、当院ではマイクロスコープという歯科用顕微鏡を用いて拡大かつ視野を明るくすることで、より精度の高い治療の提供をめざしています。
重要視されているメンテナンスや予防に関してはいかがでしょう?

予防に関しては歯科衛生士が多数在籍していますので、担当制で患者さんへのブラッシング指導やメンテナンスを実施。プライバシーに配慮して個室を備え、話しやすい環境づくりにも注力しています。メンテナンスは1時間みっちり行うのですが、その中でも重要視しているのが検査です。保険診療内でできる検査をフルに行っています。施術もエアフローという機器を用いて、通常のメンテナンスでは落ちづらい汚れやプラークにもアプローチします。勉強会やセミナーなどに参加する他、実践でも研鑽を積んだ歯科衛生士ばかりですので、レベルの高いメンテナンスを提供できていると自負しています。歯のメンテナンスや予防は健康寿命延伸に直結しますので、気軽に受けていただけるよう、保険診療でできる限りのことを提供しています。
歯科診療を通じて地域の健康寿命延伸にも寄与したい
先生の歯科医療にかける情熱の根底にあるのは何でしょう?

私がそもそも歯科医師になりたいと思ったのは、祖母が歯のことで困っていたことがきっかけでした。祖母に快適な入れ歯を作ってあげたいと思い歯科医師になったのですが、残念ながら私が学生の時に亡くなってしまいました。入れ歯を作ってあげることはかないませんでしたが、いつまでもしっかり自分の歯で噛めることの大切さを祖母の経験をはじめ、歯科医師になってからも日々実感していましたので、いかに健康寿命延伸に導くことができるかを考え抜いたときに、メンテナンスと予防が主軸の歯科クリニックをつくりたいと思ったんです。患者さんの健康寿命を延ばしたいという想いが私の歯科医師としての根底にあり、情熱へとつながっているのだと思います。
では、診療を行う上で心がけていることを教えてください。
やはり予防の重要性をいかに多くの方に伝えることができるか。そこはいつも考えながら一人ひとりに合った伝え方を心がけています。保険診療内で多くのことが受けられる定期的なメンテナンスで予防に努めてもらい、万が一治療が必要になった場合は再治療のリスク軽減が見込める自由診療を受けていただく。それがご自身の歯を長持ちできる最善策だと考えていますので、私がめざす診療で地域の健康に寄与できるようこれからもしっかり取り組んでいきたいと思っています。本院と分院を合わせると総勢約40人のスタッフが連携しながら診療を行っておりまして、こちらには保育士の資格を持つ歯科助手も在籍。治療のアシスタントをしながらお子さんの様子もしっかりと見ることが可能です。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手、保育士、受付というように、多職種連携のチーム医療に取り組んでいる、メンテナンスを軸とした歯科クリニックです。歯科医師の中でもそれぞれの得意分野があり、その技術を存分に発揮できる包括的な診療を行っているのも当院の特徴の一つ。今後もサテライト的に分院を増やしていけるよう、後進の育成にも力を入れていきたいと考えています。まずは一度ご相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー全顎矯正/99万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/99万円~、セラミックの詰め物/11万円、セラミックのかぶせ物/11万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。