松木 信之 院長の独自取材記事
奈良西大寺まつき内科・内視鏡クリニック
(奈良市/大和西大寺駅)
最終更新日:2025/05/22

胃や大腸の内視鏡検査を受けたいとは思っているものの、「痛そうだし、検査前後の手間が面倒で……」となかなか一歩を踏み出せない。そのような人たちの背中を優しく押してくれるのが、2025年春に大和西大寺駅から程近いエリアに誕生した、「奈良西大寺まつき内科・内視鏡クリニック」の松木信之院長だ。同院の強みは、鎮静剤の使用や胃と大腸の同日検査など、患者のニーズに柔軟に対応し、先進の設備と診断補助のためのAI機能を活用した内視鏡検査。一般内科疾患や生活習慣病の治療も提供し、地域に根差したかかりつけ医をめざしている。「がんの早期発見につながる検査を気軽に受けてもらえるクリニック」を長年思い描いていたと話す松木院長に、クリニックや患者への思いを語ってもらった。
(取材日2025年4月21日)
患者が受けやすい内視鏡検査を提供したい一心で開業
奈良で開業されましたが、先生も奈良のご出身なのですか。

生まれは大阪なんですよ。父が開業医で家の敷地内にクリニックがありましたので、患者さんたちから感謝される父の姿を見て育ちました。自分も地元の皆さんに喜んでもらえる仕事に就きたいと医師を志すようになり、大学進学を機に奈良に来たんです。ですから、土地勘のある大阪と奈良の両方の医療機関に勤務してきました。奈良で開業したのは、大学時代からなじみがある上に、多くを学ばせてもらいキャリアの出発点になった場所でもありますので、地域に貢献したい気持ちが強かったからです。
大学での学びを経て、消化器内科を選ばれたのですね。
研修医時代に一番印象に残ったのは、がんで苦しんでおられる患者さんがいかに多いかということでした。そこで、少しでもがん患者さんを減らしたいと、特にがんの種類が多い消化器内科に進んだんです。今は早いうちから治療を進めれば完治や寛解が期待できますが、そのためには内視鏡検査を受けてもらう必要があります。ただ、内視鏡検査というと痛みや苦しさなどネガティブなイメージがあり、抵抗感のある方がとても多いのが現実です。患者さんに少しでも楽に検査を受けてもらえるよう、大腸がんや胃がん、膵臓がんなどの治療を通して、内視鏡の技術を磨いていきました。
内視鏡検査をもっと受けてもらいたいという思いから、開業に至ったのでしょうか。

そのとおりです。もともと開業を視野に入れていたものの、新型コロナウイルスなどの影響でこのタイミングでの開業となりました。抵抗感を減らすことができれば、患者さんに毎年内視鏡検査を受けてもらえて、結果的にがんの早期発見につながります。私自身の技術向上に加え、いろいろな工夫をして負担の少ない内視鏡検査を提供するために開院しました。また、当院ではネットでいつでも予約を取っていただけますし、大腸内視鏡検査であれば受診当日も可能です。将来的には、初診時にも検査を行える診療体制の構築を計画しています。
モットーは患者の「こうしてほしい」に応える診療
実際、どのような主訴が多いと感じていますか。

胃内視鏡検査を希望される方や、逆流性食道炎にお悩みの方が目立ちますね。大腸内視鏡検査は、便通の異常などちょっとした症状から、大腸がんへの不安を感じて来院される方がほとんどです。近年、日本人女性のがんによる死因の中で大腸がんの割合が非常に高いことも影響しているのではないでしょうか。予防の意味で大腸ポリープの切除を希望される方も多いですよ。5、6個くらいまでであれば、診察したその日に切除できるものはすべて取り、病理検査に出して良性か悪性かを調べます。当院で切除できないものについては、入院施設のある病院をご紹介します。
こちらのクリニックの内視鏡検査について詳しく教えてください。
先端の内視鏡システムを備えており、ご希望があれば鎮静剤を使って検査を行います。負担に配慮しながら検査を行っているので、検査への抵抗感が強い患者さんにも安心してもらえると思います。鎮静剤を使わない場合は、一緒にモニターで確認しながら検査を受けることができ、若い患者さんからのご希望が比較的目立ちますね。大腸内視鏡検査は先に下剤の服用が必要ですが、通院に時間がかかる場合などに活用してもらえるよう、トイレつき前処置室を設置しています。幅広いご希望に応えるべく、鎮静剤の服用や内視鏡の種類、下剤の服用方法などについて複数のパターンを想定して用意しています。胃内視鏡検査は5分程度、大腸内視鏡検査であれば20分くらいと、皆さんが考えているよりも短い時間で済むと思いますよ。楽に検査を受けてもらえるよう誠心誠意努力していますので、あまり心配せずに受診してもらいたいですね。
診療ではどのようなことを心がけておられるのですか。

患者さんの話をしっかり聞くことをとても大切にしています。一番大事なのは、患者さんのニーズに応えること。検査を希望される方ばかりではなく、「最低限の治療だけしてほしい」という方もおられます。ですから、私が治療方針を一方的に立てるのではなく、お一人お一人の希望を聞いて、一緒に今後の治療を考えていくのが理想だと思っています。その中で、できるだけ早く疾患を見つけ、治療できるのであれば早めに始めていきたいです。特に消化器疾患は目立った症状が現れないまま進行するケースが多く、これまでも患者さんが不調を訴えた臓器だけではなく全身をトータルで診るようにしてきました。定期的に健康診断やエックス線検査でチェックしながら、内科全般の診療に取り組んでいくつもりです。
内科診療と内視鏡治療で地域住民の健康に寄り添う
一般内科の診療にも注力されているのですね。

はい。今後は高血圧症や高脂血症、糖尿病などの予防を強化していきたいですね。「大腸ポリープを切除したら毎年内視鏡検査を受け、その間に高血圧症の治療のために通院する」というように、内科診療と内視鏡検査を並行して行うスタイルを確立したいと考えています。今は40代から50代の患者さんが目立ちますが、幅広い世代の方に信頼していただけるクリニックに育てていきたいですね。クローン病や潰瘍性大腸炎のような若い方の罹患率が高い疾患もありますので、若年層にも積極的に相談してほしいと思います。この辺りは再開発が進んでおり、若いファミリーが増えてきているので、ご家族のかかりつけ医として頼りにしていただけたらうれしいですね。
開業してから日が浅くお忙しいと思います。先生のリフレッシュ法を教えていただけますか。
体を動かすことが好きで、忙しい中でもできるだけ運動するよう努めています。中学・高校はサッカー、大学時代からはずっとテニスを続けていて、テニス部の仲間とは先輩・後輩関係なく今でも毎年集まっているんです。専門はさまざまですが医師が多く、皆で開業祝いの花も贈ってくれてうれしかったですね。休みの日はもっぱら子どもと過ごしていて、一緒にテニスをすることもありますよ。奈良は寺社など名所がたくさんあり、街並みもとても気に入っているので、あちこち見て回るのも楽しいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

風邪のような症状や頭痛など内科的なことであれば、何でも相談してください。その一言に尽きます。専門は消化器内科ですが、一般内科の患者さんもこれまで数多く診てきましたので、安心して来院していただきたいですね。また、おなかの不調は必ずしも胃腸や膵臓の病気ではなく、過敏性腸症候群のように精神的な悩みに起因する疾患もあります。お話をするだけで気持ちが楽になり、症状の改善につながることもあるので、気になることがあったらふらっと立ち寄ってもらえるようなクリニックにしていけたらと思っています。複数の路線が入っている駅から近いですし、土曜日も治療・検査の両方に対応していますので、ぜひ気軽に来院してくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは内視鏡検査/胃:1万8000円、大腸:2万8000円