つらい状況を改善するために
悩んでいないで経験豊富な医師に相談
四条烏丸駅前メンタルクリニック
(京都市下京区/四条駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
ストレスの多い現代社会にあって、うつ病などは一般的に知られるようになってきた。だがその一方で、インターネット上などには精神疾患についての信頼性の低い情報も多く、病気や治療に対して誤った認識を持ってしまっている可能性も否定できない。気になる症状があってもストレスや疲れのせいなどと自己判断したり、周囲の理解が得られなかったりすると、病気を悪化させてしまう恐れもある。「四条烏丸駅前メンタルクリニック」の並河東明院長は、「つらい状況を改善するため、心配なら勇気を出して受診してほしい」と早期受診の重要性を訴える。豊富な診療経験を持つ並河院長に、統合失調症やうつ病の特徴、実際の治療の進め方などについて丁寧に解説してもらったので、受診に役立ててもらいたい。
(取材日2025年3月31日)
目次
丁寧に話を聞くことが治療のスタート。すぐに薬を出すのではなく患者の環境改善なども行う
- Q統合失調症とはどのような病気ですか?
-
A
▲リラックスできる待合室
100人に1人くらいの割合で見られる精神疾患です。思考がまとまらない、感覚が鈍感・敏感すぎるといった症状を伴い、感情の不安定さが特徴です。数ヵ月程度続くことが多い急性期には陽性症状と呼ばれる幻聴や妄想を伴うことがあり、これは薬でのコントロールが可能です。一方、急性期でエネルギーを使った後に、陰性症状と呼ばれる抑うつ状態が長く続くことがあり、人と関わることが難しくなって引きこもり状態を招く場合も少なくありません。このため、統合失調症では薬による急性期のコントロールだけではなく、陰性症状に対するアフターケアがとても大切で、通常の日常生活が送れることを目標にリハビリテーションや就労支援を行います。
- Qうつ病についても教えてください。
-
A
▲患者に寄り添い、わかりやすい説明を行っている
セロトニンなど脳内の神経伝達物質の不足や乱れによって起こる場合は、気分が落ち込む理由がないのにうつ症状が現れます。この場合、薬物治療で改善が期待できます。一方、物事をネガティブに考えやすい傾向や、職場の人間関係など環境的な要因が原因になることもあり、どこに原因があるのかを見極めていくことが大切です。気分の落ち込み、興味や関心、意欲の低下などが典型的な症状で、うつ状態と躁状態を繰り返す双極性の方もおられます。こうした状態が2週間以上続く場合は受診をお勧めします。ほかの疾患と同様、早めの受診が大切なので、ご家族や友人、同僚などがこうした状態になっていると気づいたら受診を勧めてあげてください。
- Q深刻な状態になる前に気づける病気のサインはありますか?
-
A
▲症状を放置せず、専門家のもとで正しい指導を受けよう
不眠は精神疾患の代表的なサインです。きちんと睡眠が取れないと、脳を休ませることができず、精神面だけでなく、体にもトラブルが発生しやすくなります。なかなか寝つけない入眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう中途覚醒のほか、しっかり寝た感じがしない場合も注意が必要です。また、不眠以外にもさまざまなサインや症状を伴います。何をするのもおっくう、趣味など好きなことが今までのように楽しめない、いろいろなことに関心がなくなってきたという場合は、早めの受診をお勧めします。眠れない日や気分が沈むことは誰にでもありますが、こうした状態が続いている場合は、年齢や疲労のせいなどと自己判断せず早めにご相談ください。
- Q治療はどのように進めるのですか?
-
A
▲話しやすい雰囲気作りを大切にする
まずはお話を聞くことから始めます。悩みなどをお話しされて気分が改善に向かった場合はそれで治療を終了することもあります。うつ病の場合は、ストレスの原因を取り除くことが重要なので、学校を休んでもらうほか、休職や労働時間の調整、職場の異動について職場の方とお電話などで相談させていただくこともあります。心理カウンセリングによって物事の見方や考え方の修正を図る方法もあります。お薬についてはさまざまな状況を判断して、今すぐ服用が必要な場合や、不眠などの症状が伴ってつらいといった場合に処方します。統合失調症の急性期で興奮状態にある、あるいはうつ病で生命の危険がある場合などは入院をお勧めすることもあります。
- Q診療ではスタッフさんのフォローも大切と聞きました。
-
A
▲スタッフの温かさも同院の特徴だ
当院には、病院勤務時代から一緒に20年以上診療にあたってきた事務スタッフが在籍しています。精神科の診療についての知識が豊富で、事務スタッフとしての業務に対応するだけでなく、患者さんの気持ちをとてもこまやかにくみ取ってくれています。事務スタッフというとオフィスで業務をこなしているイメージがありますが、診療時間には待合室や受付で患者さんと気軽にコミュニケーションを取っています。何げない会話を通して、診察室では聞けない情報を聞き出し、診察室では見られない表情についても共有してくれるので、診断の重要な材料にもなっています。常勤の看護師も精神科診療の経験があり、患者さんに親身に対応してくれます。