気になる不調が続いているなら
一歩踏み出してクリニックを受診
四条烏丸駅前メンタルクリニック
(京都市下京区/四条駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
日常生活の中で、眠れない日、気分が落ち込んだり、不安を感じたりすることは、誰にでもあるだろう。しかし、そうした状態が2週間以上続いている場合は、「早めにご相談ください」と、「四条烏丸駅前メンタルクリニック」の並河東明院長は、早期の受診を勧める。何らかの精神的なトラブルが原因になっている可能性があり、放置や我慢、「この程度なら受診しなくて大丈夫」などといった自己判断は、疾患の悪化を招いてしまうリスクがあるからだ。受診に抵抗を感じる人もスムーズに相談できるよう、「ちょっとしたことでも遠慮せず受診してください」と言う並河院長に、注意したい症状や受診の目安、具体的な診療の進め方などについて聞いた。
(取材日2025年3月31日)
目次
来た時より少しでも楽になって帰れるよう、丁寧に患者の話を聞いて必要な治療を提供する
- Q眠れない日が続いたら、相談をしたほうが良いでしょうか?
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A
▲患者の人生に真摯に向き合う当院
不眠は精神疾患の代表的な症状で、睡眠の状態と精神状態とは密接に関わっています。しっかり眠れない状態が続いていると、脳を休ませることができず、精神面に不調を来すだけではなく、身体的なトラブルにもつながるため、解決すべき問題ですね。一口に不眠といっても、寝つけない場合もあれば、夜中や早朝に目が覚めてしまう中途覚醒、さらにまったく眠れないというケースもあり、どれもが注意すべき状態です。もちろん、誰にだってたまには寝つけない日があり、年齢を重ねると睡眠時間が短くなる傾向があるのも確かです。しかし、これまでの睡眠パターンが大きく変わって、眠れなくなった、しっかり寝た感じがしない場合は要注意です。
- Q不眠の他にどのような症状が続いたら受診すべきですか?
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A
▲患者の生活背景について丁寧にヒアリングしながら診療する
精神疾患は、心身の両面にさまざまな不調や症状を伴います。例えば、何をするのもおっくう、趣味など好きなことが今までのように楽しめない、いろいろなことに関心がなくなってきたという場合は、早めの受診をお勧めします。こうした好ましくない状態が2週間以上続いている場合は、受診のタイミングです。体の不調では、食欲が減退して体重が減少してきた、頭痛、吐き気やめまい、腹痛、下痢や便秘などが頻繁に起こるようになったという場合も注意が必要です。中には、食べ物が喉につかえる感じがする、それまでは何の問題もなかったのに、電車に乗ると動悸がする、胸が締めつけられるような感じがするといった不調を訴える方もおられます。
- Q現代の精神疾患にはどのような特徴がありますか?
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A
▲リラックスできるような温かな雰囲気のカウンセリングルーム
パニック障害など、不安に関するトラブルが増えていますね。以前からこうした症状はあったと思うのですが、近年になってより明らかになってきました。パニック障害は、乗車時間が長い電車などに乗った際に、不安を感じて動悸や息苦しさ、過呼吸などの症状が現れるのが特徴です。また、外出時に鍵を閉めたかどうか、ガスや電気を止めたかどうかなどが気になって何度も確かめる強迫性障害や、車を運転して人をはねたのではないか心配になってドライブレコーダーなどをチェックする加害脅迫なども、不安な気持ちが抑えられないのが特徴です。こうした状態が続くと、外出がおっくうになって引きこもってしまったり、日常生活に支障が現れたりします。
- Q受診する際は何を持参すれば良いでしょうか?
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A
▲小さな不調を見逃さずにクリニックを受診しよう
他の診療科を受診する際と同様に、健康保険証、現在服用している薬がある場合は、薬の飲み合わせを考える際に必要となるため、お薬手帳など薬の種類がわかるものを持参してください。また、診察室に入るとどうしても緊張してしまい、うまく話せない、聞きたいことが質問できないといった方も少なくありません。このため、困っていることや具体的なエピソード、何を聞きたいのか、また、これまで心療内科や精神科を受診されたことがあるならその時期や症状などを、簡単なメモで構わないので、書きとめて持参することをお勧めしています。そのメモをもとにお話しをすると、問診や相談をよりスムーズに、効率良く進めることができます。
- Q先生が診療の際に心がけていることを教えてください。
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A
▲木のぬくもりが感じられ、落ち着いた雰囲気の院内
精神科の診療では、血液検査のような数値で判断できる基準がなく、患者さんの話に耳を傾けることが基本となります。とはいえ、私が患者さんの立場になったら、きっと緊張して話せないと思うんです。話しかけに対して、あまりしゃべらないというのも、一つの所見ではあるのですが、できるだけ話しやすい雰囲気をつくることが大切にしています。また、話の内容だけでなく、診察室に入ってこられた時の表情や動作、話をされる際の表情や話し方、待合室での様子なども診断の大切な材料となります。医師を前にすると取り繕ってしまう方もおられるので、私が知らない患者さんの様子などをスタッフからフィードバックしてもらうようにしています。