早川 健人 院長の独自取材記事
早川歯科クリニック
(安芸郡府中町/向洋駅)
最終更新日:2025/04/24

広島駅から電車で5分ほど。広島電鉄バスの緑ヶ丘停留所のすぐ目の前というアクセスの良い場所にある「早川歯科クリニック」は、早川健人院長が2025年4月に開業。院内は木のぬくもりを感じさせる雰囲気で、スタイリッシュなカフェのような空間が特徴的だ。早川院長は広島大学歯学部を卒業後、県内のクリニックで勤務し、子どもから高齢者までさまざまな症例と向き合ってきた。クリニックでは一般歯科はもちろん、義歯や補綴を用いた噛み合わせの治療、小児歯科、小児矯正歯科や審美歯科まで幅広く対応。どの世代も気軽に通えるための、治療以外の接遇にも配慮を欠かさない。定期検診の必要性を啓発するとともに、治療に際しては患者の思いに寄り添う早川院長に、同院の診療について話を聞いた。
(取材日2025年3月14日)
患者のモチベーションを上げる環境づくり
クリニックのコンセプトを教えてください。

幅広い年齢層の患者さんが、気軽に足を運べるクリニックをつくりたくて開業しました。もともと子どもが好きというのもあり、子育て中のファミリーが多いエリアを中心に場所を探していたのですが、ここは目の前に小学校があり、中学校も近いので理想的といえます。また府中町は子育て世代に手厚いサポートがあり、お子さんの口腔ケアについても熱心なご家庭が多い印象です。ただ、「歯科医院=怖い」というイメージを持っているお子さんは依然多いので「行くことが怖くない歯科医院」というのが目標であり、当院のコンセプトとしています。幼い頃に親しみを持ってもらえると、大人になっても定期的にお口のケアをするという習慣につながるはずだと思っています。
内装や外観については、どんなことにこだわりましたか?
外観については、品がありつつも親しみを持ってもらえるような雰囲気を心がけました。誰でも気軽に入っていけるような温かみのあるたたずまいにしたくて、建築士とも話し合いながらタイルや植栽をふんだんに取り入れています。例えるならカフェのようなイメージでしょうか。院内は清潔感を第一に考えました。天井には高性能の空気清浄機を埋め込みました。薬品のにおいはもちろん、ウイルスの除去にも有用だとされていますから、皆さんに少しでも安心して来ていただきたいですね。あとは私が好きなカラーを取り入れたくて、院内にえんじ色を取り入れました。訪れる患者さんたちがゆったりと過ごせるような空間であればいいですね。
診察スペースの大きなモニターも特徴的ですね。

ユニットごとに65インチのモニターを設置しています。当院では初診でいらっしゃった患者さんの口腔内を撮影し、その写真を一緒に見てもらうためにモニターを設置しています。大きな画面だと自分の口の中を細部まではっきりと見えるのはもちろん、現在の状況やこれから進めていく治療についての説明もわかりやすいと思います。大きく見えるとインパクトがありますので、患者さんが歯の治療を「自分事」として捉えられるきっかけにもなるのではないでしょうか。歯のケアというのは、クリニックで治療するよりも自宅でのセルフケアの時間のほうが圧倒的に長いです。健康な歯でいるためのモチベーションを保つには、自分の現状を知り、どこをめざして治療をするのかを患者さん自身に納得してもらうことが大切だと思っています。
治療以外の部分にもこまやかな配慮で通いやすく
ところで、先生が歯科医師をめざしたきっかけは何だったのでしょう。

もともと医療系の仕事に就きたいという思いはありました。ちょっと変わっているかもしれませんが、私は実は小さい頃から歯科医院に行くのが好きで、定期検診も喜んで行くような子どもでした。虫歯を削ったり、麻酔をしたりすることにも興味津々で、お世話になっていた先生ともたくさんコミュニケーションを取っていました。そんな経験があったので、少しでもお子さんたちが自分から行きたくなるような診察ができる歯科医師になりたい、と思ったのがこの道をめざしたきっかけです。
その言葉どおり、小児歯科にも力を入れておられますね。
小児歯科は虫歯の治療はもちろん、歯科矯正など、今取り組まなければいけないもの、この先悪くなるものに対して、早くアプローチしていくことが重要です。「家でしっかりケアしているから大丈夫」と思われる親御さんもいらっしゃるのですが、クリニックでの定期検診をお勧めしています。とはいえ歯科医院が怖かったり、緊張するお子さんも多いかと思うので、親御さんにも理解していただきながら最初は口の中を見せてもらわず、話すだけということもあります。話をするときには椅子から下りてお子さんの目線と合わせたり、なるべく簡単な言葉で説明することを心がけております。小さなお子さんだとお口の中の不調を言葉にするのが難しいということもあるため、ご家庭で気づきにくいこともクリニックでのメンテナンスによって早期発見、早期治療できればと思います。治療以外の部分にも配慮しながら、お子さんでも通いやすい医院でありたいです。
大人の噛み合わせ治療を重要視されていると聞きました。

成人の場合は年齢とともに口腔内の状態が悪くなってしまいますので、それをなんとか正常レベルまで引き上げていくサポートをしていきたいです。状態によっては義歯や補綴などを用いて、噛み合わせを正常にしていくことを大事にしています。患者さんそれぞれによって正常レベルも異なり、例えば長年同じ義歯を使い続けている方が、自分に合った義歯に変えてみるだけでも咀嚼力が向上され正常レベルに近づけるきっかけになることもあります。噛み合わせが悪いことで歯に負担がかかってしまうので、ぜひ定期受診を受けていただきたいですね。何か症状が出てから受診される方が多いですが、予防で定期通院するという意識を持っていただけるようにするのもわれわれの仕事だと思っております。予防の大切さに気づいて意識改革するお手伝いがこの先できるとうれしいです。
小さい頃からの定期検診で「歯科医院嫌い」を防ぐ
日々の診療において大切にしていることは?

患者さん自身がご自分の口の中の状況を理解できるように丁寧に説明し、治療方法についても複数提示しながらきちんと納得していただいた上で、治療を進めていくということです。大人の方でも歯科医院に行くのが怖いと思う方はいらっしゃいます。中には過呼吸になってしまう方や、鎮静剤を使わないと治療できないような方もおられます。そのため、少しでも恐怖心を払拭できるよう、患者さんには治療前に現在地とゴールをはっきり理解していただくようにしています。治療方法については保険診療も保険外診療もありますが、患者さんの症状に合わせてそれぞれにどんなメリットとデメリットがあるのかを事前にご説明し、患者さんが決めた選択肢をしっかり遂行していくのが私の役目だと考えています。
定期検診の重要性についても伝えておられますね。
昔に比べ、今は虫歯がある人がすごく少なくなってきています。これはとても良いことで、それだけ歯に対する健康意識が高まっているということでもあります。とはいえ、お口の中に不調があっても、クリニックには1年に10回も来ない人がほとんど。逆に言うとそれだけセルフケアが大事ということですから、お口の中に対する意識を高めていただけるようなきっかけがつくれたらいいですね。歯の磨き方はもちろん、虫歯になる前の予防歯科の考え方で、定期検診に来るというのも大切です。定期的なクリニックでの検診をご家族皆さんに習慣づけていただくと、幼い頃からの習慣になり、歯科医院嫌いのお子さんも減ってくるのではないでしょうか。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

いつでも気軽に行けるクリニックをつくりたいという思いで開業しました。院内の環境への配慮はもちろん、スタッフも患者さんのお悩みに寄り添います。どの世代の患者さんにもわかりやすい説明を心がけ、納得した上での診療をしていますので、気になることがあればぜひご相談ください。また当院には保育士の資格を持つスタッフが在籍しています。治療中はモニターつきの託児室でお預かりできますので、小さなお子さんを連れての診察も可能です。お子さんの様子はカメラで確認できますのでご安心ください。私自身が子ども好きということもありますので、お子さんを中心に幅広い世代の患者さんに来ていただければうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/40万円、オフィスホワイトニング/3万5000円、ホームホワイトニング/2万5000円、デュアルホワイトニング/5万円