クリニックで受けられる
多汗症、腋臭症の治療
ななほしクリニック
(堺市東区/初芝駅)
最終更新日:2025/04/18


- 保険診療
- 自由診療
暑くなくても大量の汗をかいてしまったり、汗の独特のにおいが気になってしまったり……。最近では臭いに対する意識が強まっている傾向があるため、「自分の脇の匂いが周囲の人を不快にさせているのでは」と気に病む人も少なくない。とはいえ汗の悩みは周囲になかなか相談しづらいデリケートな問題だ。ドラッグストアなどでもさまざまなにおい対策グッズや制汗グッズが市販されているが、実は医療機関での治療が悩みの軽減を図る有用な手段であることはあまり知られていない。2025年4月に開院の「ななほしクリニック」では多汗症や腋臭症の悩みを持つ人へ向けた治療を提供している。特に腋臭症に関しては根本的な治療となる日帰り手術も実施。久米川真治院長に、多汗症や腋臭症の原因やその治療法に加え、治療後のアフターフォローなどを聞いた。
(取材日2025年4月1日)
目次
過剰な汗やにおいに関する悩み。日常生活での支障を感じたらクリニックへ相談を
- Q多汗症と腋臭症の違いは何ですか?
-
A
▲多汗症と腋臭症の違いについて説明している久米川院長
多汗症は汗の量が非常に多く日常的に困っている状態を指します。エクリン腺という汗腺が多く存在することで多汗症になります。一方、一般的に「わきが」と呼ばれることもある腋臭症は、汗そのものが原因ではなく、脇のアポクリン腺という汗腺が出す汗が、皮膚の常在菌と交わることでにおいを出してしまうのが違うところ。遺伝しやすいといわれ、多汗症と腋臭症を合併している人も多いですね。多汗症か腋臭症か、そして合併しているかどうかは、ガーゼを脇に挟んで臭いの程度を確認したり、汗の量に関してどれくらい日頃から悩んでいるかを聞き取った上で総合的に判断します。
- Qクリニックで治療を受けるメリットは何ですか?
-
A
▲クリニックを受診することで、治療の幅が広がる可能性も
最近ではドラッグストアなどで手軽に購入できる、汗・においの対策グッズもありますが、根本的な解決にはつながりません。クリニックを受診することで、多汗症に関しては保険適用で治療できる薬を処方することもできますし、腋臭症に関しては僕が形成外科を専門としており、保険適応で手術をすることができます。ただ18歳ぐらいまでは治療しても再発が見込まれるので、保険診療の範囲内での対症療法を行うことが多いですね。根本的な治療を望む場合は18歳を超えてから受けていただいたほうが良いかなと思います。
- Q多汗症の場合どのような治療が受けられますか?
-
A
▲患者一人ひとりに合わせた治療を提供している同院
多汗症に関しては、保険適用の外用薬があります。またシート状の拭くタイプの治療薬もあります。小児の場合は、塗る外用薬が12歳以上、拭くタイプが9歳以上に処方できます。いずれも使用方法は1日1回。すぐに成果が望めるわけではありませんので、毎日使い続けることが大切です。使用をやめてしまうと元に戻ってしまいますのでお気をつけください。また自費診療になりますがボツリヌス毒素製剤注射という方法もあります。交感神経から汗腺へ伝わる刺激の遮断を図ることで発汗抑制につなげるというもので、1回の注射で約6ヵ月間の成果持続が望めます。レーザーを用いて汗腺の破壊を試み、発汗量を減らすための根本的な治療方法もあります。
- Q腋臭症の場合、どのような治療が受けられますか?
-
A
▲同院では、患者の負担に配慮し日帰り手術にも対応している
手術にもいくつか種類がありますが、当院では皮弁法、反転剪除法と呼ばれる手法で行っています。脇に局所麻酔をしてから脇のしわの線に沿って5cmほど切開し、医師が目で見て確認しながら皮下に存在するアポクリン汗腺の除去を図ります。血がたまらないようにガーゼを圧迫固定して終了です。手術時間は片方で1時間程度。術後1週間は腋窩を固定しなるべく安静にしていただきます。傷痕が色素沈着してしまうことがデメリットとして挙げられますが、においのもととなるアポクリン汗腺を直視下で取り除いていく根本的治療法です。当院では、患者さんの身体的負担や経済的負担に配慮した日帰り手術が可能です。
- Q治療後の過ごし方について教えてください。
-
A
▲治療後のケアについても気軽に相談してほしいと話す久米川院長
腋臭症の手術を受けた後は、約1週間ガーゼで固定をします。基本的には激しい運動などはせず、手術をした片方だけは動かさないよう安静にしながら、日常生活を送っていただければと思います。また痛み止めや、傷が膿まないように抗生剤を処方します。シャワーは患部を濡らさなければ翌日から可能です。皆さんラップを巻くなど工夫されていますね。1週間たてばその固定を解除するので、普段どおりの生活に戻れます。また落ち着いたらもう片方の手術を行います。傷痕の黒ずみに関しては、当院では自費診療でのケアもできますので、必要に応じてご提案いたします。
自由診療費用の目安
自由診療とはボツリヌス毒素製剤注射/1万5000円~、傷痕の黒ずみのケア/1500円~