久米川 真治 院長、久米川 綾 副院長の独自取材記事
ななほしクリニック
(堺市東区/初芝駅)
最終更新日:2025/04/11

南海高野線・初芝駅前のクリニックモール「メディカルスクエア初芝駅前」の2階に位置する「ななほしクリニック」。院長の久米川真治先生は、形成外科の医師としてこれまで大学病院でケガややけどの治療、リンパ浮腫の治療に携わってきた。院長の妻で婦人科医の久米川綾副院長は、妊娠・分娩や女性特有の病気の診療・治療に研鑽を積んできたドクター。夫婦それぞれの専門性を生かし、地域の人々の健康を見守るクリニックとして、2025年4月1日に新規開業を果たした。真新しい医院で、真治院長と綾副院長に開院への思いや診療内容、診療での心がけなどを聞いた。
(取材日2025年4月1日)
地域の人々に寄り添った医療を提供したい
まずは院長のご経歴からお聞きします。

【真治院長】父が歯医医師で地元の徳島で開業をしていたことから、自分自身も将来は医療関係で携わりたいと小さい頃から考えていました。大学を卒業後は急性の疾患を診ることに興味があったため、形成外科と救急科のどちらに進むかで迷いましたが、ケガや傷の治療に携わりたいという思いから形成外科を専門に選びました。卒業後は和歌山県立医科大学附属病院の形成外科で、やけどや事故によるケガの治療を中心に行ってきました。形成外科医としては患者さんが元の生活に戻れることを目標に、治療を経て患者さんが回復した姿を見ること、そしてお子さんのケガに関しては、本人はもちろん親御さんも喜んでくれることをめざして診療に取り組みました。医師になって4年目には、乳がんや婦人科系がん、前立腺がんの治療を受けた患者さんに多く見られるリンパ浮腫の治療に多く関わり、専門的に学びました。
副院長のご経歴を教えてください。
【綾副院長】実家が薬局を営んでいたこと、また祖父母と一緒に暮らしていた環境などから私にとって病院は身近な存在で、周りの人の病気を治してあげたいという思いから医師をめざすようになりました。婦人科を選んだのは、同じ女性として身近に感じる疾患を扱うこと、また周産期に携わりたいという思いからです。和歌山県立医科大学附属病院産婦人科に勤務し、外来や妊婦健診で診てきた妊婦さんが無事に赤ちゃんを産んだ時などは、自分事のようにとてもうれしく感じる瞬間です。また婦人科の病気で子宮筋腫や卵巣腫瘍などの手術にも多く携わり、和歌山労災病院では、骨盤臓器脱についても学びや経験を深めることができました。
開業に至った思いを教えてください。またクリニック名にはどんな意味が込められているのでしょうか?

【真治院長】医師として患者さんに寄り添った治療に専念したいという思いが一番強いですね。この場所を選んだのは、当院が入る「メディカルスクエア初芝駅前」内のクリニックとMRIやCTをはじめとした高度画像機器の共同利用が可能だったこと。そして、このモール内には内科や整形外科など複数のクリニックが入っているので、互いに連携することで、患者さんのさまざまなお悩みの解決につなげられるのではないかと思ったことも大きな理由でしたね。
【綾副院長】クリニック名については、私たちには2人の子どもがいて、2人もナナホシテントウムシが大好きでずっと追いかけ回していることから、まず「ななほし」という名が浮かびました。そしてよく調べてみると、ナナホシテントウは幸せを運ぶ虫といわれていることを知り、「患者さんに幸せを届ける」と言う意味を込めて、クリニック名に「ななほし」を入れました。
リンパ浮腫に対する診断から日帰り手術まで対応
クリニック内は和らいだ雰囲気の空間ですね。

【真治院長】廊下が照明を抑えた落ち着いた雰囲気で細い小道をイメージしていて、小道を抜けたところにある日差しを感じる明るいクリニックをコンセプトにデザインしています。色味は、クリニック名に入れたナナホシテントウがいる土や木などの自然な色合いでコーディネートして和らいだ雰囲気を表現しました。
【綾副院長】待合から見て右側が婦人科ゾーン。左側が形成外科と皮膚科ゾーンと分けています。婦人科の方は診察室に加え、内診室もあるので女性しか入れないエリアにしてプライバシーの確保にも配慮しています。壁に面したカウンター席にはコンセントがついているので、待ち時間も退屈することなく過ごしていただければと思います。
形成外科と皮膚科の診療内容について教えてください。
【真治院長】形成外科は専門のリンパ浮腫をはじめ、皮膚・皮下腫瘍、脂肪腫、巻き爪、傷痕、腋臭症や多汗症、外傷・熱傷、眼瞼下垂など、皮膚科科はニキビ、アトピー性皮膚炎、湿疹・かぶれなどの全身の皮膚疾患に対応しています。子どもからお年寄りまで、すべての患者さんの生活の質を向上させるお手伝いをしたいと考えています。また美容皮膚科にも対応していて、しみや赤ら顔などの悩みに自費治療で対応しています。ケガをした後も色素沈着になったりするので、そういうお悩みも美容皮膚科の観点から改善していけたらと思っています。
こちらではリンパ浮腫の日帰り手術も行っているそうですね。

【真治院長】はい。リンパ浮腫はがん治療を受けた患者さんに多く見られる症状で、リンパ管やリンパ節が損傷するとリンパ液が正常に流れなくなり、手や足、またはその他の部位にむくみが生じます。放置すると皮膚の硬化が起きて精神的なストレスやQOLの低下をもたらすので、できるだけ早期の診断と適切な治療が必要です。治療はスキンケア、圧迫療法、手術などがあり、患者さん一人ひとりに合った治療を提案していきます。当院では、空気圧でリンパの流れの改善を促すリンパ浮腫治療器を導入しているのも特徴。また、止まっているリンパの流れを静脈に流すためのバイパスをつくる「リンパ管静脈吻合術」の日帰り手術も行っているので、リンパ浮腫でお悩みの方や入院加療が難しい場合などご相談ください。
女性特有の悩みや不調は女性医師に気軽に相談を
婦人科の診療内容について教えてください。

【綾副院長】生理痛など月経に関するお悩み、おりものの異常、更年期障害など、さまざまな女性特有の疾患に対応しています。今までこの地域には、女性の医師に診てもらえる婦人科クリニックが少なく、「おりものが気になる」「かゆみがある」といった悩みがあっても、受診することを躊躇していた方もいらっしゃったと思います。これからは些細なことでも気兼ねなく来てくれたらありがたいですね。特に生理痛に関しては、若い人はもちろん年齢を重ねても困っている人は多いです。ホルモンバランスの乱れがメンタル面に影響を及ぼすこともありますので、我慢せずに一度ご相談ください。
先生方が診療時に大切にしていることはありますか?
【真治院長】私は患者さんとの対話を大切にしています。診察中はできるだけ患者さんの顔を見て話すよう心がけ、必要な部分だけメモを取り、カルテは後で記入しています。目を見て話すことで、言葉だけでなく表情からも多くの情報を読み取ることができると感じています。また、患者さんがリラックスして話しやすいように、安心感を持っていただけるよう心がけています。
【綾副院長】
診療の際には、見逃されがちな病気にも気を配り、早期発見につながるよう努めています。がん検診を長年受けていない方が多くいらっしゃるため、月経やおりものなどのお悩みで来院された際には、がん検診をお勧めしたり、エコー検査を一緒に行ったりしています。ご自身では些細なことだと感じているお悩みでも、しっかり検査をすることで早期発見につながることもあるので、見逃さないように診療することを大切にしています。
読者へのメッセージをお願いします。

【真治院長】これまでの経験と知識を生かし、地域の皆さまに寄り添った医療を提供し、安心して相談できる環境をつくりたいと思っています。日々のちょっとした気がかりや、お悩みなど、気になることがあれば気軽にご相談に来てください。
【綾副院長】婦人科はハードルが高いと感じている方も少なくありません。同じ女性として、その気持ちを理解し、相談に来てくださった患者さんに寄り添った診療を提供したいと思っています。これまでの経験を生かし、地域の皆さまにとって身近で頼りになる存在として尽力してまいりますので、ためらわずにご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみケア/1万円~、赤ら顔のケア/1万円~